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マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった  作者: naomikoryo


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27/29

第27話:5月6日「“会う”の言葉が喉まで来て、飲み込んだ夜」

《マッチアプリ画面》


千佳(20:05)

こんばんは。

GW、やっと終わりましたね…!

今、椅子に座った瞬間、3分くらい動けなかったです(笑)


リョウ(20:07)

こんばんは(笑)

自分もです…

なんか、体の芯から“よくがんばった”って声が聞こえました(笑)

今日のレジ対応、全体的にスローモーションでしたよ。


千佳(20:10)

ほんと、お互いよく頑張りました。

スタッフの中で独身組は明日から休みってことで、

わたしも明日から4連休です…!やった…!


リョウ(20:13)

え、それって…

自分も同じなんですけど(笑)

まさかまさかの、また休日完全一致?


千佳(20:15)

えーー!!(笑)

これ、もう偶然って言っていいのかな…?

なんかちょっと運命感じるというか(笑)


リョウ(20:17)

百貨店の勤務体系が似てるとはいえ、

休みのリズムまでこんなにぴったりって、すごいですよね。

……これがもし、同じ場所で働いてるとかだったら…(笑)


千佳(20:20)

こわいくらい、あり得そう(笑)

でも、

リョウさんとなら同じ職場でも全然楽しくやっていけそうって思っちゃいます。


リョウ(20:23)

それ、自分も思ってました(笑)

千佳さんとは、

“性格的に噛み合う”っていうか、

話してて気持ちいいし、どこか似てる気がして。


千佳(20:26)

うん、似てるって、わたしも思います。

……でも、似てるって思えば思うほど、

ちょっとだけ苦しくなったりもして。


リョウ(20:30)

それ、わかるかもしれない。

“本当の自分だったら”って、

何度も考えちゃうからですよね。


(10秒後、メッセージが入力中になって、消える)


(30秒の沈黙)


千佳(20:31)

……たとえばの話なんですけど。

“会ってみたい”って思ったこと、あります?


リョウ(20:33)

……あります。

何度も。

でも、

そのたびに「それは違う」って思い直して。

会わないからこそ、

この関係が大切にできる気がしてて。


千佳(20:36)

わかる…。

わたしも、

喉まで“会ってみたい”って出かけた言葉を、

何度飲み込んだか分からないです。


リョウ(20:38)

飲み込むたびに、

“自分に嘘ついてるな”って感じるんだけど、

でも、

それでも終わらせたくない気持ちのほうが強くて。


千佳(20:41)

……うん。

そう思ってくれてるのが、

わたしは、なによりも嬉しいです。


リョウ(20:43)

千佳さん、

明日からのお休み、

またLINEしていいですか?


千佳(20:44)

もちろんです。

“リョウさんとの休み”って決めてますから(笑)


リョウ(20:45)

嬉しい(笑)

じゃあまた、

明日の朝、会いましょう──じゃなくて、“話しましょう”ね。


千佳(20:46)

ふふ、

“会いましょう”って言いかけました?(笑)


リョウ(20:47)

……気づかれた(笑)

でも、

言わなくてよかったと思ってます。

まだ、今は。


千佳(20:49)

わたしも、です。

でも、

言いかけたことは、ちゃんと覚えてます。


リョウ(20:50)

ありがとう。

おやすみなさい、千佳さん。


千佳(20:51)

おやすみなさい、リョウさん。

明日はきっと、

今日より“気持ちの近い日”になりますように。



◆◇◆


(和人は、

画面に表示された「千佳」の言葉を読み返しながら、

胸の奥がぎゅっとなっていた。

“会いたい”と言えないまま、

でも、会いたいと思ってしまっている。

その事実だけが、やけに苦しかった)


(真子は、

“リョウ”が「会いましょう」と言いかけた一瞬を、

何度も心の中でなぞっていた。

その言葉の重さが分かるからこそ、

「言わなかったこと」が、彼の優しさだと理解できていた)

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