第25話:5月4日「タイミングがずれても、ちゃんと繋がってる」
《マッチアプリ画面》
(18:12)
千佳:
ただいま…今日、マジで疲れました。
休憩もまともに取れなかったかも…
(19:03)
リョウ:
千佳さん、おつかれさまです…!
返信遅れてごめんなさい。
そっちも忙しかったんですね。
こっちも夕方までずーっとレジ対応してて、
やっと座れました。
(19:07)
千佳:
いえいえ、全然!
むしろこんな日に話せるだけでも、ちょっと救われてます。
座れました?水分とってくださいね。
(19:45)
リョウ:
ありがとう、優しい…(笑)
ペットボトルのお茶が沁みてます。
ていうか今日はほんとに、足が棒ってこういうことかって思いました。
(20:10)
千佳:
うん、それ分かります(笑)
座った瞬間、全身が「もう立つな」って言ってくる。
しかも明日もまた出勤って思うと…
(既読のみ、返信なし)
(21:22)
千佳:
……ごめんなさい、なんか重かったですね。
疲れてるとちょっと弱音多めになっちゃって。
(21:45)
リョウ:
違うんです、ごめんなさい。
ちょっと電話対応してて、バタバタしてました。
弱音でもなんでも、全然OKですよ。
むしろ、そういうのも聞けるのが嬉しいです。
(21:48)
千佳:
ありがとう。
……なんか今、涙出そうになりました。
リョウさん、ほんとに優しい。
(22:03)
リョウ:
そう言ってもらえると、
こっちも今日がんばった甲斐があります(笑)
疲れてる時こそ、
“誰かがいる”って感じられるのが一番の救いですよね。
(22:06)
千佳:
うん。
……タイミングがずれても、
リョウさんと話してると、ちゃんと繋がってる気がする。
(22:10)
リョウ:
自分も、同じこと思ってました。
今日はちょっとだけ、
「この会話、大切にしたいな」って思いました。
(22:13)
千佳:
それ、スクショして保存したいぐらい(笑)
(22:14)
リョウ:
やめてください、照れます(笑)
でも、ほんとにそう思ってますよ。
(22:18)
千佳:
明日もまたきっと忙しいけど、
今日このやりとりがあったから、乗り切れそうです。
ありがとう、リョウさん。
(22:20)
リョウ:
こちらこそ。
お互い、明日も一歩ずつですね。
おやすみなさい、千佳さん。
(22:21)
千佳:
おやすみなさい、リョウさん。
また明日、話せますように。
◆◇◆
(和人は、既読がつかないほんの十数分の間、
「もし返ってこなかったらどうしよう」と、
自分でも驚くくらい不安になっていた。
“この関係”がどれだけ心の支えになっていたか、
あらためて思い知る時間だった)
(真子は、返信を返せなかった時間に、
胸の奥に焦りに似たものが生まれていた。
「千佳さんに心配されたくない」
──それは、もう“ただの会話”ではなく、
ちゃんとした“信頼”を得たいという気持ちに変わっていた)




