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マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった  作者: naomikoryo


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24/29

第24話:5月3日「気づかないふりが、少しだけしんどくなった」

《マッチアプリ画面》


千佳:

こんばんは。

連休明けの職場、想像以上に地獄でした(笑)

体が休みを覚えてる分、動きがのろのろで…


リョウ:

こんばんは(笑)

わかります、その“連休ボケ”現象…。

休んだのたった1日なのに、

朝の制服着るのに3分かかりました(笑)


千佳:

わたしも、

メイクの順番いつもと逆になってて、

下地の後にアイライン描いてました(笑)


リョウ:

それは斬新すぎる(笑)

むしろ、今日一番笑いました(笑)


千佳:

あ~、こういうやり取りで

やっと今日の疲れが少しだけ解けてきました…。


リョウ:

自分もです。

ところで、昨日の“休日”、

なんか変なことありませんでしたか?


千佳:

えっ、変なこと…?

うーん……

あ、ひとつだけ。

カフェで隣の席にいた男性が、

ちょっとだけ…なんか見たことあるような気がしたんです。


リョウ:

え?

それ、時間はいつ頃でした?


千佳:

13時半くらいかな。

川沿いのテラスのところで。


リョウ:

……自分、その時間、

川沿いのカフェでラテ飲んでました。


千佳:

……。

ちょ、まって(笑)

そんな偶然あります?!


リョウ:

いやでも、

隣に座った人がスマホ見ながら微笑んでたのは覚えてます(笑)

まさか、それが千佳さんだったなんてこと…


千佳:

さすがに偶然…ですよね?(笑)

だって、お互い顔知らないし…


リョウ:

でも、

もし本当にそうだったら、

なんか運命にちょっと遊ばれてますよね(笑)


千佳:

うん(笑)

ていうかリョウさん、

隣にいた女性の服装とか覚えてます?

白のブラウスに、ベージュのパンツで──


リョウ:

……

ほんとに、それでした。


千佳:

……

…………。


リョウ:

怖いですね、これ(笑)

でも、なんか……

ちょっとだけ嬉しくもあります。


千佳:

わたしも、です。

その時、

なんでか分からないけど、

隣の人の雰囲気、ちょっと落ち着いた感じで、

印象に残ってたんです。


リョウ:

それ、たぶん自分です(笑)


千佳:

ほんとに、会ってたのかも。

でも、

“知らないままでいた”ことが、

なんだかちょうどよかったのかも。


リョウ:

そうですね。

あの距離感、

今だから成立するものだった気がします。


千佳:

リョウさん。

もしまた、どこかで偶然すれ違ったら──

今度は、気づかないふりしますか?


リョウ:

うーん……

その時の自分に、任せます(笑)


千佳:

……わたしも、そうします(笑)

でも、

“気づかないふり”って、ちょっとだけ切ないですね。


リョウ:

そうですね。

でも今は、それがちょうどいいのかも。


千佳:

うん。

それでも、

今日も話せてよかったです。


リョウ:

自分もです。

じゃあ、また明日。


千佳:

おやすみなさい、リョウさん。

明日もがんばりましょうね。


リョウ:

おやすみなさい、千佳さん。



◆◇◆


(和人は、画面を閉じて深く息を吐いた。

“気づかないふり”という言葉が、

今夜はやけに胸に残っていた。

でも、それでもこの関係が壊れないなら、

今はそれでいいと思った)


(真子は、スマホを伏せて天井を見つめた。

リョウとして話していたのに、

“あの人”が目の前にいた可能性を思い出すたびに、

心が少しだけ揺れる。

でも、今はまだ、

揺れてるだけで、十分だった)

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