第22話:5月1日「休みのリズムが、重なってる気がした」
《マッチアプリ画面》
千佳:
こんばんは。
なんとか月曜日、生き延びました…。
明日が唯一の休みなのが救いです。
リョウ:
こんばんは(笑)
お疲れさまでした。
奇跡の一日だけの休み、
自分もです…!
千佳:
えっ、リョウさんも?
え、それ、ちょっと嬉しい(笑)
なんか…変なタイミングで仲間感ありますね。
リョウ:
ですね(笑)
世間は連休でも、百貨店勤務は“平日に休む”ってのが宿命ですからね。
むしろ、空いてるカフェ行けるのが嬉しかったり。
千佳:
分かるー(笑)
平日休みの醍醐味ですよね。
でもここまで休みのタイミング一緒なのって、
けっこう珍しいかも。
リョウ:
たしかに…。
ていうか、よくよく考えたら、
自分たち、
なんか“生活リズム”めちゃくちゃ似てません?(笑)
千佳:
あ、それ思いました(笑)
いつも仕事の終わる時間も似てるし、
LINE来るタイミングも自然に合ってるし。
リョウ:
なんなら、
同じ建物とかで働いててもおかしくないくらい(笑)
千佳:
それ、前にもちょっと話しましたよね(笑)
「どこかですれ違ってたりして」って。
リョウ:
うん。
でも最近、
“すれ違ってる”どころか“同じ場所にいる”可能性を
本気で少しだけ思い始めてます(笑)
千佳:
え、まさか(笑)
……でも、全然ないとは言い切れないかも。
売場の話とか、タイムスケジュールとか、
妙にリアルな共通点多すぎるし。
リョウ:
ちょっと怖くなってきました(笑)
でも、
もし本当に同じ百貨店だったら、
逆にすごくないですか?
千佳:
ほんとに(笑)
“会ってないのに、ちゃんとつながってた”みたいな。
いや、でも考えすぎかもですね。
リョウ:
うん、考えすぎってことで(笑)
でも、ちょっとだけ…
明日の休み、同じ空の下って思うと嬉しいです。
千佳:
それ、ちょっとロマンチックすぎ(笑)
でも、
たしかにそう思うと、
この休みも特別に感じるかも。
リョウ:
お互いにゆっくり休んで、
また戦場(=職場)に戻る準備しましょう(笑)
千佳:
はーい(笑)
明日はスマホ触りながらごろごろします。
LINE、いっぱいしてもいいですか?
リョウ:
もちろん(笑)
むしろ明日は、
“千佳と話す休日”って決めておきます。
千佳:
……それ、
なんかすごく嬉しいです。
じゃあ明日は、
お互いの“休日の過ごし方”を実況し合いましょうね(笑)
リョウ:
了解です(笑)
では今日は、ゆっくり眠ってください。
おやすみなさい、千佳さん。
千佳:
おやすみなさい、リョウさん。
明日、いっぱい話せますように。
◆◇◆
(和人は、スマホを見つめながら思った。
勤務時間、売場のトラブル、休みのタイミング。
“同じ百貨店で働いてる”という仮説が、冗談では済まないくらいリアルに感じはじめていた。
けれど、それを確かめる方法は──まだ、ない)
(真子は、ベッドの中で画面を閉じたあと、
ふと、明日の休みにどこへ行こうか考えた。
いつものカフェ、それとも少し離れた公園。
「もしかして、リョウさんも近くにいたら…?」
そんな想像が浮かんでしまう自分を、
今日はもう、止められなかった)




