第2話:4月11日「ちょっと疲れた日には」
《マッチアプリ画面》
千佳:
こんばんは、リョウさん。
今日はお仕事、お疲れさまでした。
なんだか一日がとっても長く感じました。
リョウ:
千佳さん、こんばんは。
お疲れさまでした!
長い一日だったんですね…大丈夫ですか?
千佳:
はい、なんとか…笑
でも朝からクレーム対応があって、正直ちょっと凹んでました。
苦情って、どんなに慣れてもやっぱりキツいです。
(和人:うん、"千佳"としてのリアリティはこういうところに出さないと。
化粧品売り場でよくある苦労…ちゃんと調べておいてよかった)
リョウ:
それは大変でしたね…。
クレームって、たとえ自分に非がなくても、真正面から受け止めなきゃいけないところが辛いですよね。
ちゃんと対応された千佳さん、本当に偉いと思います。
千佳:
ありがとうございます。
なんか、その言葉だけでちょっと救われました。
今日言われたこと、ずっと引きずってて…。
仕事終わった今も、なんとなく気持ちがどんよりしてて…。
リョウ:
すごく、よくわかります。
僕も前に、店頭のPOPミスがあって、売り場の方から強く言われたことがありました。
完全に自分の確認ミスで…
帰り道、イヤホンで音楽聴いてても、ずっとその人の声が頭から離れなかったんです。
(真子:あれ…これ、本当に自分が体験したことみたい。
不思議だけど、"リョウ"の言葉を書いてると、正直になれる)
千佳:
それ…すごく共感します。
わたしも、さっきまでお風呂に入ってたんですけど、
湯船の中でずっと、お客様の顔と声が頭に浮かんでました。
もう一回、ちゃんと謝った方がよかったのかな…とか。
何回も、言い返せなかったセリフを頭の中で練習してたりして(笑)
リョウ:
ああ、それ、めちゃくちゃ分かります(笑)
「今ならこう言えるのに!」って、
脳内リプレイしちゃうやつですよね。
千佳:
そうそう!それです(笑)
でも、こんな風に誰かと話すだけで、ちょっと軽くなるものなんですね。
リョウさん、ありがとうございます。
リョウ:
いえ、むしろ…そう言ってもらえて、僕も嬉しいです。
こうやって、何気ない一日を共有できる相手って、
大人になると貴重ですよね。
千佳:
うん、本当にそう思います。
なんか…この歳になると、
「今日はこんな日だったよ」ってだけの話を
ちゃんと聞いてくれる人って、なかなかいないですもんね。
(和人:"千佳"として、何を話すか考えながら書いてるはずなのに…
リョウとのやりとりは、妙に自然に続く。不思議な感覚だ)
リョウ:
ちなみに、帰りにコンビニ寄って、アイス買いました。
こういう日は、甘いもの食べるのが一番ですね(笑)
千佳:
あ、それいいなあ。
何味ですか?
リョウ:
抹茶。ちょっと渋めだけど、意外とミルク強めで甘かったです。
千佳さんは、どんなアイスが好きですか?
千佳:
んー、私はラムレーズンかな。
ちょっと大人っぽい味が好きです。
でも、抹茶ミルクも気になりますね…今度真似してみようかな。
リョウ:
ぜひぜひ(笑)
なんだか、こんな日常の話ができるのって、嬉しいです。
千佳:
わたしもです。
きっとリョウさんが、すごく自然に話してくれるからだと思います。
リョウ:
ありがとうございます。
こうして言葉のキャッチボールが続くって、
すごく心地いいものなんですね。
千佳:
うん、本当に。
きっと、マッチング率100%っていうのは…
数字だけじゃなくて、会話にも出るものなんですね。
リョウ:
ですね。
明日もまた、いい一日になりますように。
今日もお疲れさまでした、千佳さん。
千佳:
リョウさんも、お疲れさまでした。
おやすみなさい。
◆◇◆
(スマホを置いた和人は、ぼんやりと天井を見上げた。
こんなふうに、誰かに「今日つかれた」と言えること。
誰かから「よく頑張ったね」と返ってくること。
それが、こんなにも心を軽くするとは思わなかった)
(真子は布団にくるまって、スマホを胸に置いたまま目を閉じた。
明日も仕事はある。でも今夜は少し、眠れる気がした)




