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マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった  作者: naomikoryo


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19/29

第19話:4月28日「ひとり時間って、孤独じゃなくて静けさ」

《マッチアプリ画面》


千佳:

こんばんは。

ついにGWが目前ですね~

百貨店勤務にとっては“戦いの始まり”だけど(笑)


リョウ:

こんばんは(笑)

こっちは明日から催事の準備本番です。

休みに入る人たちが浮かれてて、

それ見るたびに“働く組”は妙に静かになってました(笑)


千佳:

分かる~(笑)

レジ締めのとき「明日から〇〇行ってきます!」とか言われると、

こっち、うっかり無の表情になりそうでした(笑)


リョウ:

あはは、想像できる(笑)

でもまあ、連休明けの平日休みって、

人が少ない分、意外と贅沢だったりしますよね。


千佳:

ですね。

どこも空いてるし、

カフェでゆっくりできるし。

実は結構好きだったりします。


リョウ:

千佳さん、カフェで何してるんですか?

読書派?人間観察派?


千佳:

両方ですね(笑)

本読んでて、ふと顔上げたときに、

「向かいの席で書き物してる人は何書いてるんだろう」とか考えたりして。


リョウ:

あー、そういうのいいな(笑)

僕は平日休みの昼間、

なんとなく街歩いてる時の“ゆるさ”が好きで。

人がいない道をのんびり歩くのが至福です。


千佳:

わかります…!

誰にも急かされない感じ、

“時間が味方”って感じがします。


リョウ:

そうそう(笑)

ひとり時間って、

「孤独」じゃなくて「静けさ」なんですよね。


千佳:

……

今の言葉、すごくいいです。


リョウ:

ほんとですか?

ちょっとかっこつけたかなって思ったけど(笑)


千佳:

いえ(笑)

わたし、

リョウさんが時々ふっと言う言葉、

すごく好きです。


(和人:

その言葉が、

“男として言ったもの”であることが、

一瞬だけ、ものすごく苦しくなる。

でも、いまの千佳の反応が、

心の奥まであったかく染みてきてしまった)


(真子:

ああ…まただ。

「リョウ」として話してるのに、

“わたし自身”が好きって言われたような気がしてしまう。

それが、嬉しいのと同時に少しだけ怖くなる)



千佳:

でも、ひとりの時間に何を考えてるかって、

たぶんその人の“本質”が見える気がします。

リョウさんの休日の話って、

なんか、ちゃんとした人だなって思えます。


リョウ:

ありがとうございます。

じゃあ千佳さんの休日の話も、

なんだか落ち着いてて、

ちゃんと「自分を知ってる人」って感じがします。


千佳:

それ、ちょっと嬉しい(笑)

自分のことって、意外と見えないから。


リョウ:

じゃあ、

お互い“自分をちゃんと見てくれる人”がここにいるってことで。


千佳:

うん。

それだけで、

けっこう今日の疲れが取れました(笑)


リョウ:

じゃあ、明日も頑張って働きましょうか(笑)

休日を夢見ながら。


千佳:

戦場へ出陣ですね(笑)

リョウさんも、お気をつけて。


リョウ:

お互いに。

おやすみなさい、千佳さん。


千佳:

おやすみなさい、リョウさん。

次の休日、

何しようか考えながら寝ます(笑)



◆◇◆


(和人は、ふと、数ヶ月前の自分を思い出していた。

“誰かと話す”ということに、

こんなに癒されるとは思っていなかった。

そして今、

その会話をしている相手が“女性ではないかもしれない”という可能性が、

少しずつ現実味を帯びていくのが、

怖いようで…心地よくもあった)


(真子は、スマホを胸に置いたまま、深く息を吐いた。

「リョウ」としての自分は、

千佳にとってどんな存在になってるんだろう。

このまま、“嘘”のままでいられる時間は、

あとどれくらいあるんだろう)

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