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マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった  作者: naomikoryo


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13/29

第13話:4月22日「なにもしてない日を、話せる人」

《マッチアプリ画面》


リョウ:

こんばんは。

今日は…ほんとに、何もしてませんでした(笑)

報告できるようなことがひとつもない土曜日です。


千佳:

こんばんは。

それ、まさに私もです(笑)

起きたの11時半で、そこから洗濯だけして…

あとはソファにいました。


リョウ:

あー、いいな。

「今日はもうここから動かない」って決めた時のソファ、

なんか特別ですよね(笑)


千佳:

わかる(笑)

クッションの山作って、毛布かけて、

スマホと飲み物だけ確保して──

“完璧な基地”って感じ(笑)


リョウ:

まさにそれ(笑)

こっちは、朝ちょっと出ようか迷ったんですけど、

ベランダに出た瞬間の風が「今日は引きこもりの日だな」って言ってて。


千佳:

風の声聞こえたんですね(笑)

それは逆らえない(笑)


リョウ:

午後から映画でも観ようかと思ったんですけど、

結局、YouTubeで猫の動画をひたすら見て終わりました。


千佳:

それ、永遠に見られるやつ(笑)

何であんなに癒されるんでしょうね。

私は今日、電子レンジでおもち焼いて、

しょうゆと海苔で食べてたら時間飛びました。


リョウ:

それ最高すぎません?

もちって、なんか“休日感”あるなあ…。


千佳:

そう、もち=休日の味(笑)

しかも焦げ目ついた時点で幸せ確定。


リョウ:

焦げ目はもう、祝福です(笑)


千佳:

でも、こんな「特になにもない日」の話って、

普通あんまり誰かに言わないですよね。


リョウ:

そうですね。

「今日は何してたの?」って聞かれて、

「何もしてないよ」って答えると、

ちょっとだけ申し訳なくなる(笑)


千佳:

うん、あります(笑)

でも、リョウさんには普通に言えるから不思議。

“報告”じゃなくて“共有”って感じがします。


リョウ:

ああ、わかるなそれ。

話してても「会話しなきゃ」って思わないから、

ちょうどいいのかもしれません。


千佳:

なんか、今日一日静かだったけど、

こうしてLINEしてるだけで「悪くなかったな」って思えてきました(笑)


リョウ:

ですね。

予定のない休日も、ちゃんと意味があるって思える。

そういう時間って、すごく貴重かも。


千佳:

たぶん、“何でもない日”を話せる相手がいるって、

けっこう幸せなことですよね。


リョウ:

ほんとに。

じゃあ、明日も“何でもない日”だったら、

また報告し合いましょうか(笑)


千佳:

いいですね(笑)

「今日はカップ麺でした」とか、

「ずっとゴロゴロしてました」とか、そういうやつ。


リョウ:

その報告、全力で待ってます(笑)

ではでは、ゆるい一日にふさわしいおやすみを。


千佳:

リョウさんも、よく休んでくださいね。

おやすみなさい。



◆◇◆


(千佳=和人は、スマホを伏せてひとつ伸びをする。

会話が「盛り上がった」わけじゃない。

でも、心が落ち着いている。

言葉が多くなくても、何かがちゃんと通っている──

そんな安心感が、今日一日の終わりに寄り添ってくれていた)


(リョウ=真子は、スマホを胸元に置いたまま、天井をぼんやりと見上げる。

誰にも見せないような日常の断片を、

笑われもせず、無理に広げられもせず、

そのまま受け取ってくれる相手がいることに、

小さくほっとしていた)

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