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私は二度、三十キロ痩せた  作者: かゆると


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手探りのまま、でも。

自分の中で、「憧れ」ができたことで

より一層、ダイエットを頑張ろうと

思えるようになった。


まずは——


情報収集から。


会社の人に聞いてみたり

それまで見なかったテレビを

彼と別れたあと

祖父母の部屋で一緒に見たり。


デート中に寄った本屋で

ダイエット本を手に取ってみたりした。


ただ

やっぱり、情報は情報だった。


どれもピンと来ないし

今の自分の生活で

出来そうなものもほとんどなかった。


ならば、と


出来ることからやってみることにした。


風呂屋で、少し長めに湯船に浸かってみたり


脱衣所に置いてあった

ブルブルマシンの初期版に乗ってみたり


それまで警戒していたサウナにも

思い切って入ってみたりした。


ご飯の食べ方も、変えてみた。


今までは

食べたいものから、食べていた。


それを——


野菜から食べるようにした。


もともと、卵以外に好き嫌いはない

だから、それ自体は苦ではなかった。


それから、運動も考えた。


運動する時間がないなら

足首に重りをつけて

日常の中でカロリー消費を増やせばいい。


慣れるまでは

少し大変だったけれど

元陸上部の私にとっては

これもそこまで苦ではなかった。


ただ——


一番苦労したのは、水分だった。


当時の私は、ひどい便秘持ちで

一週間出ないことも、普通にあった。


お腹が張って

痛みに悩まされることも多かった。


そのことを、仲の良い会社の人に話すと


「水をたくさん飲むといいよ」


「冷たい牛乳もいいらしいよ」


そう教えてくれた。


だから

とにかく、水分を取ろうと思った。


……けれど


当時の職場は

飲み物の持ち込みが禁止だった。


仕事中に飲む暇もなければ

置いてある場所まで行くタイミングもない。


休憩中にまとめて飲めばいい

という話でもなかった。


もともと私は、水分をあまり取らないタイプで

たくさん飲むこと自体が、結構大変だった。


それでも

彼とのデート中や

風呂屋に行ったとき。


飲めるタイミングでは

とにかく意識して飲むようにした。


そんな毎日を、過ごしていた頃

仕事場が、繁忙期に入った。


忙しい中でも

仕事をこなしながら

出来る範囲でダイエットも続けていた。


気づけば

それが当たり前になっていて


いつの間にか

ルーティンのようになっていた。


でも——


体重を測るタイミングだけは

ずっと、逃し続けていた。


そんなある日

久しぶりの休みだった。


その日は、彼とのデートもなく

祖父母の部屋で、のんびり過ごしていた。


ふとテレビを見ると

ダイエット特集がやっていた。


思わず、食い入るように見てしまう。


すると

隣で一緒に見ていた祖母が

ぽつりと言った。


「アンタの周りでね

 ダイエットしたい人がいたら」


「教えてあげればいいじゃない」

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