第96話 見えない何か②
何とか間に合ったので更新できました。
いつもありがとうございます。
「これは・・・、カメレオンか?」
『かめれおん?、名前は見てへんし分からんけど、ウチらをさっきからつけとったのはこいつや』
「つけてた?」
『せや、チョコが変やって言った辺りからやと思うんやけど、妙に視線を感じてなぁ。探しても見つからんし、“気配感知”にも引っかからへんし・・・』
それでさっきからキョロキョロしてたのか。
「なぁ、こいつって姿消せたりするのか?」
カメレオンの特徴を思い出して気が付いた。
もしこいつが姿を消せるのであれば、あの時骨が当たったのはこいつじゃないんだろうか?
“気配感知”にはなぜか引っかからないみたいだし、近く居ても不思議じゃない。
『よう分かったな。どうやらこいつは姿を消せるみたいでな、実際ウチが倒した時も全く見えへんかったわ』
「やっぱり」
カメレオンといったら姿を消すのがお約束みたいなところがある。
どうやらこの世界でも同じのようだ。
「でも、見えないのによく場所が分かったわね」
『目で探しても何もないさかい、風の流れを見たんや。ほんなら何もないところで風がぶつかっとるしそれで分かったんや。探すときもそうやって探したんやで』
それも“風生成”で?、相変わらず万能だな。
「しかし、姿が見えないのはこいつの特異性で間違いないとして、“気配感知に引っかからなったのはなぜだ?」
「こんなのだけど魔物じゃないんじゃない?、あれは魔石を感知しているからね。ただの動物だったら魔石ないから」
「それとも気配すら消せる特異性があるんでしょうか?」
『話すのはええけど、後にせーへん?』
あーだこーだ言ってる俺たちをセリが止めた。
ん?、おやつか?。おやつならもう食べただろ?。
セリは珍しくちょっと困った顔をしながら、
『あんな?、まだ視線感じんねん・・・。物凄く』
「それって、コレの?」
地面のカメレオンを指差すとセリが頷く。
つまり・・・・、まだ居るって事?。
物凄く?。
「見回しても居ませんが・・・」
「全部消えているんでしょ・・・」
チョコとナギがそう言いつつ俺のそばに寄ってきた。3人で背中合わせになって様子を見る。
今のところ向こうから仕掛けてくる様子は無さそうだけど・・・。
物凄くいるって事は俺たち狙われているんだろう。
となるとこのまま逃してくれる訳などない、何処かで襲ってくる筈だ。
「一度家に帰った方が良いんじゃない?」
「ダメだ。門を開けた時、中に入ってくる」
中にはフウも居るし極力危険が及ぶような事はしたくない。
それにカメレオン達が入って上限になってしまうと俺たちが入れない。そうなると最悪だ。
何とかして倒すしかないのだが、相手の位置が分からないとどうしようもない。
どうしたらいいだろう・・・。
「セリは相手の位置は分かるの?」
『大体は分かるで。数は多すぎて分からんけど』
「じゃあその方向へ適当に攻撃したら良いんじゃない?」
『ええけど・・・、この辺更地になるで?、ええんか?』
更地ってトリックモンキの時のあれか?、無差別に雷落としてたあれ。
更地が増えるのは良くないが、今回は仕方ないか・・・。
更地になればカメレオンも隠れる場所が無くなるし見つけやすくなるか・・・。
「でもそれって俺たちも危なくないか?」
『“障壁”あるし大丈夫やで!』
なら大丈夫かな?。
障壁の強度は知らないから不安だけどさ。
『ええんやな?、じゃあやんで!』
「あの・・、リュックはどうしますか?」
「リュック?」
そういえば準備しててリュック置きっぱなしだった。
取りにーー
ドォォン!!
目の前でリュックに雷が直撃した。
リュックは一瞬で黒焦げのなにかへと変貌する。
俺達は雷の音と光の衝撃で気絶した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『・・・ススム、ススム起きんかい!』
「あ?、何だよ・・・」
セリの声に目を開ける。目がチカチカして中々視界が安定しない。耳鳴りもする。
近くで雷を見たせいだろうか。目と耳が痛い。
あ!、雷!。
カメレオンのことを思い出し飛び起きる。
まず目に入ったのは近くに倒れていたチョコとナギだ。慌てて確認するが、2人とも気絶しているだけで大事ではないようだ。
見た目にも怪我はないで一安心。
問題は・・・
「コレ・・・、何があったんだ?」
周囲に広がるカメレオンの死体。全員透明化が解けてその場に転がっている。
かなりの数が居るが、全員雷の直撃を受けたわけではないようで、一部を除き焦げてはいない。
『ウチもよう分からへんねや。数発打ったら全員出てきよってな、見たら全員死んどったんや』
セリもちょっと困惑しているようだ。
カメレオンって温度変化に弱いって昔聞いたことがあるけど、雷のせいで一時的に高温になったのが原因かな?。既に鎮火しているけど燃えた木もあるようだから、それで周囲の温度が上がったんだろう。
『ススム、コレどないする?』
「どないするって・・・。回収するか、放っとくかのどちらかだと思うけど・・・」
数が多すぎて回収するのが面倒だなぁ・・・。
『や、こいつらやのーて、コレやコレ!。このリュックどうするんや?』
「あ、それ・・・」
セリが見せたのは、半分焼失したいつも背負っているリュックだった。
これ、家で出したものじゃないし替がない。
どうしよう・・・




