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第93話 肉を売りに行こう

いつも読んで頂きありがとうございます。

嫌な予感は的中した。


アンダルシアが進化した次の日、セリに言われて工房まで来てみたのだが・・・


「なぁ、俺買い取って貰うから少し残しといてって言ったよな?」

「「はい・・・」」


そこには全て丸裸にされたピッグバードが山のように積まれていた。全部、綺麗に羽を毟られ、首が無く血抜きされてる。

良くこの短時間でやったなと逆に感心するくらい綺麗に処理されていた。


「セリさんが手伝ってくれましたので・・・、すみません」

『まぁウチにかかれば余裕やな!』


申し訳なさそうなナギと胸を張ってドヤるセリ。

まぁ、別に良いんだけどさ、明日の買い取りはどうしようか。


というかお前、解体もできるのか・・・。


「この状態でも買い取っては貰えるわよ」

「あ、そう」


チョコが言うには、この状態でも買い取りはしてくれるらしい。

解体の手間が無くなるので買い取り価格は上がるらしいが、羽根はナギ達が欲しいのでその分の素材費はマイナスになるそうだ。

今回の場合、素材分で少々マイナスになるようだが、今の生活上それほどお金は必要ないので大丈夫だろう。


「それで、これは全部買い取ってもらってもいいのか?」


山のように積まれたピッグバードの肉を指す。

まさか全部食べるとか言わないよな?、連日鶏肉のオンパレードとか嫌だぞ。


「構わないわ。自分たち用はちゃんと分けてあるから」


ならいい、チョコの気が変わらない内にセリの収納空間に全部突っ込んでしまおう。

一日たってるし、組合所も落ち着いているだろう。

今から行けば昼には帰ってこれるし、昼からはまたパルチ山に向かわないとな。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



「今日は何を持ってきたんだ?」


組合所の買取場所に着くと、いつものちょび髭が顔を見るなり聞いてきた。

顔に若干疲れが見えるが、昨日のフェスティバルのせいだろう。

これ以上疲れさせるのも悪いし、手短に済ませて帰ろう。


「昨日のピッグバードだ。時間がかかるから今日持ってくるってテットには言ってあるんだが・・」

「ああ、その件ならリーダーから聞いている。かなり多いって話だが何したんだ?」

「普通に狩っただけだぞ」


あくまで俺たちの、普通にだけどな。

半分寝そうなセリを起こして、処理したピッグバードをカウンター近くに積み上げる。


「これ全部か・・・?」


その山を見たちょび髭が呆れたように聞いてくる。


「羽根が欲しいとうちの者が言い出してな、羽根は全部こっちで採ったんだ。だから肉だけ買い取ってもらいたいんだが」

「それは大丈夫だ。むしろこの量をやらなくて済んで助かる。まだ昨日買い取った分も終わってないからな」


ちょび髭は作業場の奥を覗いたので俺も覗いてみると、奥のほうにピッグバードの山が出来ていた。

所々で作業員も倒れているが、あれは大丈夫なのか?。


「寝てるだけだから大丈夫だ。リーダーが冒険者の寄付用にって持ってきた量が多くてさ、全員徹夜してるんだよ」

「ああ・・・、そういうこと」

「まったく、帰って来たと思ったら、馬鹿みたいな量を持って帰ってくるんだぜ?。今回冒険者たちの成果が芳しくなかったから助かったけどさ、一人で冒険者全員より多く取ってくるってヤバいよな?」

「ああ、そうだな・・・」


狩ったの俺達だけどな・・・、面倒だし黙っていよう。


そういえば昨日帰って来た時ちょび髭は居なかったな。

テットがどう説明したか知らないけど勘違いしてくれているならそれでいいや。


「まぁ、そのリーダーより多いお前のほうがヤバいけどな。わかってると思うけど」

「うぐ・・・」


ちょび髭はその後も、愚痴を適度にこぼしつつピッグバードの買い取り作業を手早く済ませる。昨日散々やったからだろうか、作業が速い。


「計587匹か・・・、最高記録記録更新だな。フェスティバルで単価が下がっているから一匹銀貨20枚だ。買い取りが587匹だから金貨117枚と銀貨40枚だな。羽根の分マイナスだが、綺麗に処理してくれているし単価そのままにしておいてやったぞ」

「どうも」


サービスなのか、このちょび髭が計算するのが面倒だったからなのかは知らないけど。

ちょび髭はドン!っと、カウンターに金貨が入った袋を置いた。


「うーわ・・・」


渡された袋の中を見て思わず声が出る。

金貨がぎっしりと詰まっていてキラキラしている。


「そんな声だすんじゃねぇよ。ほら、こっちは銀貨だ」


追加で銀貨が入った袋が出てきた。


「正直こんなに要らないんだが・・・」

「・・・お前、外ではそんなこと言うなよ?、金貨をそれだけ稼ぐのって大変なんだからな」


と言われてもなぁ・・・。

まだ、前に買い取ってもらったグレート級のお金すら手付かずの状態だ。

お金が増えるのはいいけど、あの家に住んでいる限り、生活する上では使い道がない。


てか、今どれだけ金貨あるんだろう?。

貰った金貨などをセリの収納空間に放り込みながら思う。


『ススム、この金でなんか食べ物買ってーや』

『いいけど、今だったらピッグバード一色だぞ』


フェスティバルで大量に狩られたし、大量に肉が出回っているはず。

前回のアリゲーター祭りみたいに、何処行ってもピッグバードの料理に違いない。


『ウチは構わへんで?、ピッグバード料理なんて食べたことあらへんし』

『ならいいけどさ』


家にも肉があるからなぁ・・・。

連続で食卓に出さないようにナギに言っておかないと。


「なんだ?、もう行くのか?」

「ああ。コイツが飯食いたいらしくてな。テットによろしく言っといてくれ」


そう言って組合所を後にする。

さて何処から回ろうかな?。


『あっちからええ匂いするで!』

「分かったよ、あっちだな」


あっちには市場があった筈だ。

ナギ達の分もまとめて買って行こう。


そう思った俺の前から見覚えのある奴が歩いてきた。

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