第83話 森に突入②
更新が遅くなってすみません・・
「・・・ということなんだ」
「ごめん・・・もう一回言って」
歩きながらセリのことを説明してたんだが、チョコが理解してくれない。
説明がおかしかったかな?。
「内容がおかしい。・・・え?、セリがあの御伽噺の蛇神?。・・・これが?」
『なんや!、これって!。ウチのプリティな姿がこれって!!』
「ちょっとセリ黙って」
セリにどら焼きを見せ、適当な方角に放り投げる。『何しとんのやぁ!?』とセリがいいながらどら焼きに飛びついた。
そのまま茂みに落ちて見えなくなる。これで食べてる間は静かになるだろう。
俺は新たに出したどら焼きをチョコに渡しながら説明を続ける。
「あんなのでも本当らしい、フレイがそう言ってたし。確証は無いけど、“顕現”使ったときの姿とか、強さとかを考えると多分間違ってないと思う」
元々はもっと強かったらしいが、暴れすぎたせいでフレイに封印されたことも説明する。
「じゃあ何?、その封印を全部解いたら、御伽噺のようなことが起こるの?」
「今のセリの感じからすると大丈夫だと思う。それにその御伽噺でも元の原因は人間らしいし、ちょっかい出さなければ大丈夫なんじゃないか?」
封印が全部解けてもどら焼きを連呼しているか食べているイメージしか沸かない。だから大丈夫な気がする。
「じゃあ何かあったらススムが何とかしてね」
「いやいや、俺がセリ何とかできるわけ無いだろ。そういうのはフレイに任せとくよ」
俺に出来るのはせいぜいお菓子で誘導するだけで、それが効かなくなったらお手上げだ。
戦闘なんて、会った当初からセリには勝てる気なんてしない。
「そのフレイって人は信用できるの?」
「出来ないけど?」
「ええ!?」
本名すら言わない人なので信用なんてできない。
何考えてるかすら分からない人だし。
・・・・というか、普段何してる人かすら知らないんだよな
「まぁ何とかはしてくれると思ーー」
『アイツは信用できひん。関ったらあかんで!』
セリが全否定しながら帰ってくる。もうどら焼き食べたのか?。
チョコなんて半分も食べてないぞ。
「そんなに信用できないの?」
『アイツのせいでウチがどんなひどい目にあったか教えたろか?。アイツはなぁ、こんなおっきなどら焼きをウチにくれたんや!』
「?。それだけ聞くといい人じゃないの?」
『そう思うやろ?。けどそのどら焼きに毒盛っとってな、食べたらこぉ~んなに太って歩けんようにされたんや!』
セリが体をめいっぱい使って表現する。それ、お前が食い過ぎただけだろ。
・・・仕込んでたのは事実だが。
『ススムは騙されとるんや!。チョコも騙さーー』
「ほらセリ、どら焼きだぞ~」
見せて、遠くへ放り投げる。思いっきり投げたので木々の向こうまで飛んでいった。
『こら!、ススム、食べ物で遊ーー』
そう言って消えた。どうやらどら焼きのところまで跳んでったらしい。
「これで静かーー」
ドォォン!!
どら焼きを投げたほうから大きな音がする。
「ねぇ?、あっちって魔物が集まってる方角じゃないの?」
「あ・・・」
チョコの指摘で気付いた。投げた方角は自分達が向かっている=魔物が集まっている方角だった。
適当に投げたので、間違ってそっちに投げてしまった。
まだ魔物が集まっている地点まで距離があると思っていたのだが、説明しているうちにかなり近くまで居ていたのかもしれない。
大きな音は一度だけでなく、何度も聞こえてくる。同時に魔物の鳴き声のような声も聞こえる。
木々のすきまから落雷が見えたから、大きな音はセリの攻撃によるものだろう。
「やばい!、急がないと!」
「ええ、どこまで役に立てるか分からないけど、陸なら少しはやれるわ」
「あ、いやそうじゃなくて・・・」
急いで行かないと、セリが全部倒してしまう。
どんな魔物が居るか見たいのに!。
「そっち!?。セリの心配は?」
「するだけ無駄」
そう言い切って、急いで音の方に向かう。
元々、獣道を歩いていたので音のする場所までには一分もかからずに着くことが出来た。
・・・が、そこに魔物の姿は無かった。
そこにいたのは恐らく魔物だったであろう黒い何かと、その山の上に立っているセリだった。
どうやらもう終わったらしい。・・・遅かったか。
焦げた魔物の死体の周辺は広範囲に渡って地面が黒く焦げており、周りの木々は燃えている。
どんだけ雷落としたんだよ・・・。
「ちょっとやりすぎじゃないのか?」
いつもなら、鎌風で真っ二つにするだけだったのに・・・。炭化して魔物の原型が無くなってるじゃないか。折角どんな魔物か見たかったのに。
“過去視”を使えば済む話なんだけどね。
『そんなん知らん。こいつらがウチのどら焼き取ったんが悪いんや!』
「ああ、そういうこと」
どうやら投げたどら焼きがこいつらのどれかに当たってしまったのか、近くに落ちたようで食べたらしい。それを追いついたセリが見てしまったため、セリが怒ったようだ。
「どいつもこいつも、ちょこちょこと逃げよってからに!」
セリはまだ怒りが収まらないようで、周囲を睨んでいる。
どうやらこの場から逃げた奴もいるそうで、そいつを追いかけようとしているらしい。
このままだと森全部を焦土にしそうなのでさすがに止めたほうがいいな。
「これやるから一旦落ち着け」
残ってたどら焼きをセリに渡す。
『無理や!、あいつら根絶やしにせな気がすまんのや!』
なら食うのやめろよ。
「そんなことしたら、今後のおやつ抜くからな」
『なんやてぇ!?』
意味が分からないとセリが叫ぶ。
当たり前だろ。どら焼き一個取られただけで環境を変えるなよ。
「食べた奴は倒したんだろ?。ならもういいじゃないか」
『・・そやけど、気に食わんねや。というか奴らの顔が腹立つんや』
・・・それ、もうどら焼き関係ないんじゃないか?。
「とりあえず、もうだめだからな!」
念だけ押しておいてこの話は終わりにする。
さて、こいつらはどんな魔物だったのだろうか?、セリによると腹が立つ顔をしているらしいが・・・。
ちょっと“過去視”で見てみよう。
「その前に火消しなさいよ!!」
「あ・・」
気付いたら俺たちは火に囲まれていた。




