第78話 今日の終わり(チョコ)
無駄に広くて綺麗な風呂に入る。
今日は疲れた・・・。
何に疲れたかは分からないけど、とにかく疲れたわ。
ススムの旅に興味があったし、どうやってスネークス・リバーを渡るのか見てみたくてついて行ったけど、予想外のことが多すぎた。
川に着くまでは普通かと思ったら、ハーブ・ラビットをよく分からない攻撃で倒してるし、川に着いたら着いたで急にカイマン召喚するし。
召喚ってあんな簡単に出来るものだったかしら?。
それにハーブ・ラビットを倒したレーザー?は“光生成”だって言ってたけど、本当なのかしら?。“光生成”って言ったら光を発生させるだけだから攻撃できない筈なのだけど。何事も使い方なのかしら?。
ススムは原理をよく知らないって言ってたけど・・・、今度詳しく教えて欲しいわね。
正直、川渡る前からもういっぱいいっぱいだったのに、ギガント・ランプリーが急に出てくるし、それなのにススムもセリも全然気にしてないし。
結局、ギガント・ランプリーも何もせずどっか行くし・・・。私1人だけビビってて恥ずかしかったわ。
「はぁ・・・、全くなんなのよ・・」
「?、何がですか?」
独り言を呟いたつもりだったので、その返答にビクッとする。なんか今日ビクビクしてばっかりね。
入ってきたのは機嫌が直ったナギだった。
くっ!、相変わらずいいスタイルしてるわね。しかも私よりも若いのに大人っぽくて羨ましい!!。
「??、どうかしましたか?」
はっ!、いけないいけない。見惚れてしまっていたわ。
「いいわね。ナギはスタイルが良くて」
「なっ!、何言ってるんですか!!」
慌てて胸を隠すナギ。ふふ、可愛いわね。
ナギは恥ずかしそうに体を洗うとそそくさと湯船に浸かる。
・・・別にそんなに恥ずかしがらなくてももう見てないわよ・・。
「ふぅ・・、チョコさん、今日はどうでしたか?。ススムさんと旅は大変でしたか?」
「まぁね、・・・かなり大変だったわ。いつもああなの?」
私は今日の出来事を話す。話してて思うけど、私よく生きてたわね・・・。
ハッサミーとギガント・ランプリーに挟まれた時は本当に生きた心地がしなかった。
「あはは・・、最初でそれはすごいですね」
「ナギが初めて一緒に旅した時はどうだったの?」
「そうですね。セリさんがウインドドラゴンを倒してたりしてました」
ああ、あのウインドドラゴンね。あれ、セリが倒したものだったんだ・・。
「流石に戦闘中は避難させられましたのでどう戦ったのかは分かりませんが、ススムさんとセリさんの強さがおかしいのは道中で思い知らされましたね」
「あはは、懐かしいですね」とナギは笑う。
「へぇ・・・、それでどうして好きになったの?」
「はぅわぁ!」
ナギは面白いように動揺する。ふふ、可愛い。
「ちょっと、今関係ないじゃないですか!!。それにそんなんじゃないですから!!」
「あら?、そうなの?」
否定しているが、顔全体が真っ赤になっている。まぁそれを突っ込んでも風呂のせいにされるだけなので何も言わないけどね。
「この前、頭撫でられて嬉しそうだったじゃない?」
「あ・・、ああ・・、あああれ見てたんですか!!?」
凄い動揺してる。見られてるとは思ってなかったみたいね。でも、残念だけど最初から最後まで見させて貰ったわ。
「異性が頭を撫でるのを許すのは、有角族にとってプロポーズを受けるのと同じことでしょ?。てことは・・・」
「そ、そうですけど!。ススムさんはそんな事知らないですから!!!。だから我慢してたんです!、だから違います!!」
ナギは頑に認めようとしない。大丈夫?、顔真っ赤よ?。
誰がどう見ても丸わかりなんだけどね。
「私よりチョコさんはどうなんですか?。ススムさんと結婚してもいいとか言ってましたけど!」
?・・・、ああ!、ヘイゼルの時ことね。
あの時は、ああ言ったら諦めてくれるかなぁと思って言ったんだけどね・・・。
あの馬鹿にはダメだった・・。
「あれはヘイゼルに諦めてもらうために言っただけよ。他意はないわ」
「本当ですか?」
ナギがジト目で見てくる。本当よ、なんで疑うのよ?。
「だってチョコさん、あの後街人からその事言われても言い返さないじゃないですか」
・・・・・
だって、いちいち返してたらきりが無いじゃない。
まさか、あんなに速く街中に広がるとは思ってなかったわ。
「大体、チョコさんはススムさんのことをどう思ってるんですか!?」
「それは、普通に冒険者仲間として・・」
「嘘ですね!」
否定早っ!
「もしそれが本当だとしても、チョコさんのススムさんに対する態度が近すぎます!」
「いや、普通でしょ!!」
少なくとも自分はそう思う。
・・・好奇心が強くないときは、だけどね。
でもススムが何も言ってこないから大丈夫でしょ。
「態度が近いとナギが困るの?」
「そ、それは・・・」
ナギは口ごもる。
まぁそうよね。困ると言っちゃうと、隠しているのがばれるから。
「別にススムを取る気は無いから気にしないでいいわよ。そもそも私は女性として見られてないし」
なんか子供として見られてる気がする。時々対応が子供をあやしてるみたいになるし。
これでも大人なんだけど。
やっぱり見た目?。見た目のせい!?。
だとしたら講義しなきゃ!。
「多分、興奮したときに子供っぽくなるのがダメかと・・」
「うっ!」
ナギの言葉が刺さる。
分かってはいるがあれだけはなかなか直らない。最近は殆ど無かったのだけど、この家のものは今までに見たこと無い物ばかりだから我慢できない。
「でもその点、ナギは大丈夫でしょ?。見た目も中身も大人っぽいし」
「でも子ども扱いされます・・・」
「あー・・・」
ナギの場合は年齢ね。
年の差考えたら分からなくもないけど・・。
「どうしたらいいですか?」
「ススムの認識を変えるしかないわね」
「どうすれば・・・?」
うーん・・・、どうしたらいいだろう。
ススムはちょっと鈍いところあるし、ちょっとのことでは変わらない気がする。
ナギを見て考える。ナギの長所を生かすには・・・
「色仕掛けとかしてみる?」
「無理です!」
そうよね。
うん、分かってた。
「じゃあ、寝る前に部屋で話しするとか?」
「な、何を話したらいいんでしょう?」
「ごめん、知らない」
私もそんな経験ないし分からないわ。
・・・・・・・
「・・・と、とりあえずもう上がりませんか?」
「・・そ、そうね。そうしましょう」
2人であれこれと話をし長時間入っていたせいでのぼせてしまった。
疲れを取るために入ってたのに・・・、更に疲れた感じがする。
・・・全部ススムのせいね。




