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第70話 決闘?

セリの“結界”のおかげで死ぬことはないようだ。まずは一安心。

と同時に決闘がどうでもよくなった。


『セリ、代わりにやるか?』

『やらん。あんな雑魚とやっても面白ないし。ほれ、奴の情報や』


名前 :ヘイゼル


種族 :ドワーフ


特異性:高速移動 変態


セリは情報を送ると後は知らんとばかりにリュックに潜る。“結界”は展開してくれるが後は勝手にしろということらしい。

セリはヘイゼルのことを雑魚と扱いしてるけど、あいつそんなに弱いのか?。

いや違うな、セリもヘイゼルには関りたくないようだ。そんな雰囲気がセリから出ている。


セリの助力はこれ以上無理そうなので、送ってくれた情報を確認する。

あいつもドワーフらしいがチョコと違って背が高い。パッと見ドワーフとはわからないな。


あと特異性は・・・“高速移動”と“変態”ね。


・・・・変態かぁ。

一体どんな効果なんだろうか。


“高速移動”はさっきすごい速さで回り込んできたあれかな?。

移動とついてるし速いのは移動だけなんだろうな。

だがさっきの移動を目では追えなかったし、使われたら厄介なのは間違い無い。まぁ使ってくるだろうけどね。


「なんだ?攻めて来ないのか?。先手を譲ってやってるんだが?」

「え?、もう始まってたのか?」

「当然だろ!。互いに構えた時点で開始だ!」


知らなかった。立会人か誰かが合図してくれるものだと思ってたんだが・・・、誰も居ないな。

野次馬は居るが立会人は誰も居ない。チョコとナギは野次馬に同化している。


構えたから開始って言われてもさ・・、俺まだ立ってるだけなんだけど。

もしかしてあれか?、[棒立ちの構え]というやつかな?。


秘儀!。棒立ちの構え!


ゲフンゲフン・・・馬鹿なこと考えるのはやめよう。向こうはこっちに先手を譲ってくれるようだから、適当に攻撃しようかな。多分舐められてるだけだろうし、適当にレーザー見せたら本気出すだろう。

こっちはセリの“結界"があるからダメージも受けないし、死なない。相手が本気を出しても大丈夫だ。


「じゃあ攻撃するけどいいのか?」

「ああ、早くしろ!」


許可を貰ったのでレーザーで左足の太ももを撃ち抜いた。

さて、どう対応すーー


「ぎゃぁぁああ!!」


悲鳴を上げてヘイゼルは転げまわる。


・・・あれ?。

決闘やろうぜと言ってくるくらいだから、多少のダメージを負っても反撃してくると思ったんだけど、

反撃どころか隙だらけなんだが・・・。これ追撃して良いのか?


「ひ、卑怯者!!。と、特異性使うとか最低な奴だな!」

「あれ?、ダメだったの?」


涙目のヘイゼルが叫ぶ。そうなの?、それならもっと早くに言ってよ。

決闘ルールなんて知らないし、今そんなこと言われてもさ。


「ダメじゃないわ!、決闘は1対1ならなんでもありよ。それはヘイゼルのルールだから!」

「あ、そう?。ならよかった」


俺ルールか。

なら別に問題はなさそうだ。


『とゆうかもうススムの勝ちちゃうん?』

「そうね」

「チョコ様待ってください。まだ私はやれます!」


セリの疑問にチョコが同意する。

なんか知らないけど勝ったみたい。


目の前で転げまわっているヘイゼルを見たら誰だってそう思うか・・・。

だがヘイゼル本人はまだやる気らしい。


ならもう一発・・・


「ひぃ!、や、やめろぉ!」


指を向けただけでヘイゼルはビクビクしだした。ダメじゃん・・・。

周囲もその姿を見てぞろぞろと解散していく。


「さ、ススム行くわよ」

「あ、ああ・・。でもあれ良いのか?」


チョコに引っ張られ俺たちもその場から離れる。

立てずに地面に転がったままのヘイゼルは放置していいのだろうか?。


せめて怪我くらいは治したほうが・・・。


「いいのよ、決闘なんだから」


本来なら、もしもの時の介添えを用意するのが普通らしい。だからそれを用意せずに挑んできたヘイゼルの自業自得なのだそうだ。

そもそも決闘はすぐにするものではなく、日時を決めて後日やるものだ。今回のはヘイゼルのルール違反に当たるらしい。


「だから放っときなさい」とチョコはヘイゼルを睨んで言う。


「大体、アイツは昔から自分勝手なのよ。元々それなりの家に生まれて、パゥワー家に仕えたりして調子に乗ってたのよね。だから今回のはいい教訓になったんじゃないかしら。そもそも私に勝てないくせにススムに挑むこと自体間違ってるのよね」


チョコは言い足りないのか愚痴愚痴言っている。

俺としてはあれでいいのならそれでいい。できればもう関りたくない。


さっさと帰って食べ歩きの仕切り直しをーー


「待て」


したいのだが、そんな俺の肩を誰かが掴んだ。

振り返ると、スキンヘッドが光っている。ヘッドだった。


「テットだ!」


テットだった。どうやら放心状態から戻ったらしい。

よかったよかった。


「よかねーよ!。気付いたら居なくなってるし探したんだぞ!」

「?、だって用無くなったし、2人とも動かなくなるしさ。俺忙しいんだぞ」

「あんなもの見せられたら誰だってそうなるわ!」


ただのウインドドラゴンだろ?。

別に大したもんではないと思うんだが?。


そう言ったらテットは自分のこめかみをぐりぐりし始めた。


「アホか!、ウインドドラゴンが大したことないわけないだろうが!。ドラゴンだぞ!」


え~・・・、そんなこといわれてもなぁ。

確かにドラゴンは後にも先にもそいつだけしか見てないし、珍しいのかもしれないけど。

カイマンの方が強かったし、インパクトもあるからなんかね。


「・・・・、ちなみに聞くが、あと何持ってる?」

「持ってるって何が?」

「狩った魔物だよ。ほかに何狩ったんだ?」


他に・・・、何狩ったっけ?。

旅を始めた頃のことを思い出しつつ、指で数えてみる。


「えーと、アーススパイダーにマッドロブスターだろ?。ツリータランチューー」

「アホかー!!」


テットの大声が周囲に響く。うるさいなぁ・・・、今思い出してる最中だぞ。

周りの人が何だとこっちを見ているので、そういうのは人目の無いところでお願いします。


「お前、ちょっと組合まで来い!」

「えー!。まだ食べ歩きの途中ーー」

「い・い・か・ら来い!!」


腕をつかまれてそのまま連行される。

せっかく決闘終わったのに・・・。


書き終わってから気付くが、この件いらない気がしてくる

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