第67話 グレート級の買い取り完了
いつもお読み頂きありがとうございます。私事でバタバタして更新が遅れてます。
「こんにちわ」
今日は朝一で冒険者組合に顔を出した。グレート級が売れたのでそのお金を貰うためだ。
パルチ山に行く予定もあるので、さっさと済ませて帰ろう。
組合に着くとそのまま組合長の所に通された。てっきり解体工房のほうで貰うのかと思ったが、金額が金額なので、こっちで渡すとの事らしい。
どっちでも良いが、偉い人の所に行かされると大抵時間が掛かるイメージがある。
『さっさと帰って食べ歩きしよーや』
「だな。やるといいながら全くやってないし」
やらないと何のためにアリゲーターを狩ったのか分からなくなる。
明日にはパルチ山に行く予定なので、この用事が終わったら行くつもりだ。
「ちゃんとこの前よさげな所リサーチしといたから任せといて」
チョコがそう言っていたのでちょっと期待している。まだこの世界の料理を堪能したことがないので楽しみだ。
なぜかナギが知る料理は日本食に似てるから、あんまり異世界間がしない。うまいので文句はないけど。
「お、来たな。待ってたぞ」
通された部屋に入るとツルピカ頭の組合長が出迎えてくれた。あ、テットも居る。
お辞儀だけして応接用のイスに座る。
イスが硬いな・・・。
対面のイスに座った組合長のヘッドはニコニコしている。どうやら今回のオークションでかなり設けたようだ。
チョコが言うには、目玉のグレート級を餌に、色々別の素材を競りに出していたみたいだからな。
俺からしたら、グレート級が売れればいいからどうでもいいけど。
「その様子だと儲かったみたいだな」
「ああ、オークションをすると普段より値段が高くなるからな。悪いがお前のグレート・アリゲーターを餌にさせてもらったぞ」
「別に構わないぞ。こっちは買い取ってもらえればそれで良いから」
とはいえ、この前レギュラー・アリゲーター以下を大量に買い取ってもらったので、グレート級を売る必要はなくなったけどね。
かといって持っていても意味ないが。
「ほら、これがグレート級の金だ。遅くなって悪かった」
テットがドンっと机に上質そうな袋を置く。持とうとしたら重くて持てない。中には金貨がぎっしりだった。テットに手伝ってもらってセリの収納空間に放り込む。
「売れた金額はチョコから聞いてると思うが金貨2万だ。確認しなくても良いのか?」
「いい、面倒だから。もしかしてちょろまかしているのか?」
この後は予定がある、数えている時間はないんだ。
「しねーよ!。だが、後で確認はしておいたほうがいいぞ。枚数が多いから数え間違いもあるからな」
分かったよ。時間があるときにでも数えようか。
さすがに今、2万枚を数える時間はないし、そんな気力もない。
「じゃあ、俺行くから。買い取りありがとう」
「おいおい!待て待て!。まだ話は終わってねぇ!」
立ち上がろうとすると慌てたヘッドに止められた。やっぱりこのまま帰らせてくれないか・・・。
偉い人の部屋に行くと、絶対めんどくさい話がセットでついてくるんだよな。
「急いでいるんだが?」
「そんな露骨に嫌な顔するんじゃねぇ。お前にとっても悪くない話だから聞いてけ」
ヘッドが座るよう促してくる。仕方ないので座った。
だって、扉をテットが塞いでいるから出れないし。
『つまらん話やったらどうなるか分かっとるんやろな?』
「セリは黙ってて」
セリの機嫌が悪くなる前に終わらせないと。
ずっとお預けくらってるし、セリの我慢も限界に近い。俺は決壊寸前だがな!。
「で?、話って何?」
だから対応も悪くなる。
多分今凄い嫌そうな顔をしてるに違いない。
「お前をウチの専属冒険者として雇いたいって話だ。専属になるとーー」
「断る。それじゃ」
「決断早すぎだろ!」
専属?、やだよ面倒な。せっかくのんびり旅できるのに縛られてたまるか!。そういう話はもっと協調性のある人に言ってください。
「おいおい。もうちょっとアニキの話を聞いてけ」
「悪いがどんな話をされたって専属になるつもりは無いぞ。俺は旅がしたいんだ、この街もすぐ出て行くし、いつ帰ってくるかも知らない」
『どうせ専属になったらあんたらの無茶な依頼受けなあかんのやろ?。ウチは嫌やで』
「むぅ・・」
ヘッドはジッと俺の目を見てくる。スキンヘッドの大男に見つめられても嬉しくない。ちょっと気持ち悪いくらいだ。
少ししてはぁ・・とヘッドはため息をついた。
「分かったよ・・・。専属の話は無しだ。まぁ正直な所、俺としてはお前を専属にしたいと思ってないし、いいんだが」
「?、なら何で言ってきたんだ?」
「推薦した奴がいるからな。基本職員の誰かが推薦しないと専属にはなれない。だが俺はお前が流れ者だと思ってたからするつもりは無かった。グレート級も倒せる強さを持っている他国からの流れ者だったら、元の国が取り返そうとするかもしれない。そうなると戦争になるし、この街にはいて欲しくないのが本音だ」
どこの重要人物だよ俺は・・・。
というか、この世界は人一人取り返すのに戦争するのか?
「俺そんな重要人物では無いぞ?」
「そりゃそうかもしれないけどさ、この国では見ない変な格好してるし、その服の素材も見たことねぇしな。いい素材であるのは見りゃわかるけどよ」
ああ、それは・・・。
「言いたくねぇんならいいけどさ。そんな変な格好してたらそう思われても仕方ねぇぞ?」
「ぐぅ・・」
変だと!?。一般的なハイキングウェアを変だと?。
こっちの世界じゃそうですよね。チョコにも言われたし知ってた。
「しかし専属になってはくれねーか・・・。お前が居てくれりゃ、解体場が楽しくなるのによ」
「ああ、アンタが推したのか」
後ろでテットが肩を落としている。
「お前が居てくれると、グレート級など滅多に見れねぇもんが入ってくるかも知れねーし、若いもんにも見せてやれるんだが・・」
「別に俺は自由に旅がしたいだけだから話を断っただけだ、この街に寄ったときは顔を出すし、狩った魔物も出すぞ?」
買い取ってもらいたい物があればだが・・・。
テットは「ははは」と笑って手を振る。
「ありがとうよ。だが無理して取ってくる必要はないからな」
「分かったよ」
ナギたちがいればいつでも帰れるし、ちょっと変わった魔物を狩ったらたまに持ってこようかな。覚えてたらね。
『ススム、じゃあアレも出しといたええんちゃう?』
「アレ?」
アレって何だ?。変わった魔物で収納空間に入れてる奴あったっけ?。
『コレや』
セリが出した収納空間の入口からぼとりと何かが落ちた。よく見ると生首だった。
ウインドドラゴンの。
「「「・・・・・」」」
あれ?これって回収したっけ?。倒したあとチャロアイトを壊しに行って・・・、ダメだ、よく覚えてない。
確かに売ってもいいけど、先にナギたちに聞いた方がいいんじゃないか?、1匹しか居ないしさ。
「ほら一旦しまって。売るのはナギたちに聞いてから」
『分かったで』
床に出来た収納空間の入口にずぶずぶと沈んでいくウインドドラゴンの頭。ライト兄弟はその様子をただ呆然と見ていた。というか固まってるな。
「じゃあ俺はこれで」
固まった2人を放置してそそくさと部屋を後にする。
一旦帰って、食べ歩きの時間だ。




