第62話 帰宅からの・・
一旦チョコの家に行き、そこで門を出し家に帰ってくる。街中では何処に人目が在るか分からないので、念のためチョコの家の中で門を出しているのだ。
そのために一旦チョコの家に行く必要があるのだが正直めんどくさい。ただ、バレたほうが面倒なので我慢している。
しかし組合の建物からチョコの家が微妙な遠さなんだよなぁ・・・。
そんなことを思いながら玄関を開ける。
「ただいま~」
『帰ったで!』
「ススムさん、お帰りなさい」
靴を脱いでると、リビングからナギが出てきた。
「あれ?ナギさんだけ?」
フウとチョコが見当たらないが、どこか行ったんだろうか?。
ナギを励ますとか言ってたのに。
「2人は今お風呂ですよ。はしゃいで池に落ちちゃったので・・・」
「なんで!?」
『お風呂!?、ならウチも入る!』
何をしてたら池に落ちるんだ?。しかみ池ってリビング横にある観賞用の池だよな。あそこ以外に池なんてないからな。ちなみにカイマンの休憩場所でもある。
なんか鯉とか入れてみたくなるが、入れるとカイマンが遠慮して休憩しなさそうだからやめている。
「シアに乗って遊んでいてたら落ちたらしいんです。私は昼食の準備をしていたので見ていませんが」
「落ちたって・・・・。怪我は?」
「今はありません。シアとフウが治しました」
ならひとまずは安心か・・。アンダルシアはまだポニーくらいの大きさだが、それでも落馬すると危ない。
池に落ちたから水がクッションになってまだ大丈夫だったようだ。
「しかしチョコも居たのに何してるんだ。ちゃんとフウをーー」
「あ、いえ、落ちたのはチョコさんです。フウは池の水を被っただけで・・・」
・・・・・あの幼女は何してるんだ?。
詳しく聞くと、アンダルシアに乗って遊びだしたフウを見てチョコが興味を持ってしまったらしい。あいつ興味というか興奮すると子供になるから、今回もそれが原因だろう。
はぁ・・、
まあ怪我が無いならいいか。後で注意だけしておこう。
そして俺たちが帰ってきたのは、ナギはが代わりの服を用意して2人を風呂に放り込んだ直後だったそうだ。
「ごめんな。2人の面倒を見てもらって」
チョコは保護者側の筈なんだがなぁ・・・。
ナギは「いえ・・」と首を振った後、暫くしてから聞いてきた。
「ススムさん・・・、1つ聞いてもいいですか?」
「ん?、どうかした?」
「ススムさんはどうして怒らないのですか?。私はあれだけ迷惑を掛けたのに?」
迷惑?、もしかして今日のあれか?。
確かに困ったけど、別に迷惑というほどではないな。
「ですが、私のせいでお金を沢山使いましたし、こうして街の探索も中断しています」
確かにあそこまでお金を使うのは予想外だったけど、そこまで気にしていない。どうせ街をでたらお金なんて使わないし気にしない。
それにさっき、使った4~5倍の金額で買い取ってもらえしたし。
「お金のことは気にしなくていいよ、そもそも使っていいって言ったのは俺だしな。街の探索もまだ時間あるから大丈夫だ」
「でも・・・」
ナギは真面目だからかなり気にしてるみたいだが、本当に大したことない。ただ、どう言ったら納得してくれるのだろうか?。
「ナギさん。ナギさんは俺たちに迷惑をかけたのを気にしてるみたいだけど、俺は正直気にしてない。だからナギさんも気にしないでほしい」
迷惑をかけてる数で言ったら、俺やセリがナギにかけてる方が圧倒的に多い。
ふふふ、迷惑数でこの俺に勝てるとでも?
「それは誇れる事ではないと思います」
ははは、そうだな。
でも一回一回気にしてたら、疲れるだろ?。我慢だってしなきゃいけないし。
「確かに人に迷惑をかけるのはよくない。でも俺はそれでナギさんが我慢したり、落ち込んだりするのは見たくないし、して欲しくないんだ」
俯いているナギの頭を撫でて、自分の思いを伝える。
触れた時ナギがビクッとした。
「だからナギさんはこれから、自分の好きなことをして欲しいし、わがままだって言って欲しい。流石にやりすぎると言うけどナギさんなら大丈夫だと思ってるから」
畑の世話をしているナギを見たときは楽しそうにしていたし、ワニ皮の時もそうだ。きっと他にもしたい事がたくさんあるのだろう。
「いきなりそうしろとは言わないけど。これからはそうして欲しい。俺はナギさんのことを家族だと思ってるから・・」
言うとナギはさらに俯いてしまった。撫でている頭がちょっと熱い。
「俺のわがままだけど、ダメかな?」
ナギは小さく首を振る。分かってくれたかは知らないが俺の考えは伝わったかな?。
手が熱くなってきたので撫でていた手を引っ込める。暫くしてナギは顔を上げた。
若干ぼーっとしている。
「大丈夫か?、顔赤いぞ」
「ハッ・・、い、いえ!。大丈夫です!!。それよりお昼!、お昼ご飯どうしますか?」
体を揺すると、気が付いたナギは慌てて俺から離れ、すでに出来ている昼食をテーブルに用意し始める。
少しテンパってるように見えるが大丈夫か?。
それにチョコたちがまだ来てないけど・・・、待ってると時間かかりそうだから先に食べてしまおうか。
「ススムさん。お箸どうぞ」
「ああ、ありがとう」
ナギの顔はまだ少し赤かったが、ちょっとは調子を戻したようだ。今はもう暗い顔をしていない。
逆にちょっと上機嫌にも見える。
とりあえず元気になってくれたようでよかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「フウちゃんどう思う?」
「フウはダメだと思う」
『ウチはもう眠たいで』
「じゃあススムには言っておくから、部屋で寝てきたら?」
大きな欠伸をしている蛇にはご退場してもらい、リビングの入口扉のガラス部分から中を覗く。中ではススムとナギが話し合っている。
というより落ち込んでいるナギをススムが励ましているのかな?。なんかナギの頭を撫でてるけれど何を話してるんだろう?。リビングの扉が閉まってるので会話よく聞こえない。
不覚にもアンダルシアから落馬してお風呂に入っていたのだが、ススムも帰ってきたので早めに上がったのだ。するとリビングで2人が話してるので、中に入らず様子を見ている。
決して好奇心で覗いているわけではない。
「しかし頭撫でるって、分かっててやってるのかしら?」
「フウは多分、分かってないと思う。お姉ちゃんもそう思ってるから我慢してる」
前にススムは違う世界から来たとか言ってたから、知らないはずだ。亜人はそれぞれよってやって良い事と悪い事が違う。
「有角族にとって頭って大事な部分よね?」
「うん。親以外で触っていいのは好きな人だけ」
フウの言う通り、有角族は角のある頭を大事にしている。だから女性が異性に頭に触れさせるのは意中の人のみらしく、その認識のからかプロポーズの言葉が「頭を撫でさせて欲しい」らしい。
だから、知らないとはいえ軽々しくしていいことではない。ナギは我慢してるのか少し震えている。
「大丈夫かしら?。止めた方がいい?」
「大丈夫だと思う。あ、ほら」
ススムが何か言ったのか、ナギの顔が一瞬で真っ赤になった。ああそういう事なのね。
でもススムはナギの変化が分かってないようね。
「おじちゃん、この手のことはダメだから」
「うん、そんな感じする」
浮かれてるナギを見て首を傾げてるし、全く気付いてないわね。
早くなんとかしないと。
でもその前にご飯食べなきゃ。
なんか上手く纏まってない・・・気がする。
(何度か書き直したのでよく分からない)




