第63話 今後の予定①
昼食を食べ、俺は買い取り時の事をみんなに話す。魔物組は誰1人居ないし、フウは昼寝すると言って出て行った。
「貴族かぁ・・・、確かに欲しがりそうな奴が居るわね」
チョコには心当たりがあるようだが、聞くとそいつに良い印象は無いらしい。
「その貴族はね、珍しいものが好きなのよ。他が持ってないものとか特にね。今回はアリゲーターだけど、大きさが大きさだから欲しがっても不思議じゃ無いわ」
「ちなみにどんな奴なんだ?」
まだその貴族が欲しがってる確証は無いけど、聞いておいて損はない。
「テットさんが言ってた通り、なんでも金で手に入れようとする奴よ。そのお金も国の税金を使うし」
「それは・・・、いいのか?」
国の金勝手に使って、好きなもの買ってるんだろ?。よく怒られないな。
「ダメに決まってるでしょ!。でもね、飽きたらその買ったものを他国へさらに高額で売りつけてるから、結果的にお金が増えるの。だからみんな黙認してるのよ」
つまり、そいつが飽きるまで待てばお金は増えるのか。・・・それはそれでどうなんだろう?。
この国の人がそれでいいなら気にしないけど。
チョコは気に入らないようだが、売買の手腕はありそうだ。
「確かにやり手かもしれないけど、気をつけることね。貴族なんて、いい奴1人もいないから」
「ああ、そうするよ」
俺はこれからどうするかをみんなに伝える。
ちょっと急かもしれないが、グレート級が売れたらすぐにレーヴィアから出て行くことにした。
「どこへ向かうのですか?」
「まだ決めてない。けど、次の街へは行くつもりは無いかな」
他の街に行ったらバレないとは限らない。当分の間どこかを彷徨くつもりでいるのだが、面白そうな場所は無いかな?。
「1つあるわよ。ススムが好きそうな場所。」
「お、マジで!?」
「ええ、物凄く危険だけどね」
物凄く危険て言われても、危険の種類によるな。魔物絡みなら多分大丈夫だが、高い所のような地形的な危険は嫌だぞ。
「ススムさんの好きな場所?」
「そ、人類未踏の地よ!。ススムって誰も行った事がない場所とか好きなんじゃない?」
「まぁ嫌いではないな」
と言いつつも内心はひゃっほうだ。誰も行った事がない場所とかロマンの塊だからな。
是非行かなくては。
「ススムさんすごく行きたそうですね。顔に出てますよ」
「素直に喜んだらいいのに」
冷静を装っていたのだが女性陣にはバレてクスクス笑われる。
どうやらにやけてたらしい。
軽く咳払いして、にやけ面を元に戻す。
「ゲフン。そ、それでその場所は?」
「スネークス・リバーを超えた先にある、パルチ山よ」
スネークス・リバー?にパルチ山?。前者は川で後者が山なのは分かったが、何処なのかさっぱり分からない。俺は地図とペンを出して、もう一度聞く。
「私たちがいるレーヴィアはこの辺り、蛇神の森がレーヴィアの東から東南に広がってるのはいい?」
「ああ、それは分かる」
地図上にも一応森らしきものが描かれてるからな。チョコは地図に文字を書き足しつつ続ける。
「その蛇神のの森とパルチ山を分けてるのがスネークス・リバーよ。パルチ山はレーヴィアから南の方角にあるの、・・・ここね」
地図の一箇所をペンでトントンと叩き場所を示す。確かに山らしきものが描かれてるな、あ、これが川ね。
「分かりにくいですね・・・」
「そうよ。安い地図だからね」
これを見ると、いかに地球の地図が素晴らしいか分かる。こっちの地図は尺度もバラバラだから、川の長さや、山の広さも分からない。そもそも蛇神の森ってこんなに小さくないだろう。
「!、ススムさん。この川って、私たちが下ってきた川では?」
「ん?、ああ、あの川か!」
あの川とはカイマンに乗って下ったあの無駄に川幅がある川だ。
よく見ると地図上の川はくねくねしてるし、蛇神の森から出てきてるようにも見える。それにあの川幅なら尺度的にも合うな。
「え?、スネークス・リバーを下ったの?。あそこランプリー達の巣よ!?」
「やっぱりその川か」
ギガント・ランプリーに襲われたことを思い出す。そういえばあの川の向こうに岸があったな。カイマンも行ったことないって言ってたし、街に行く事を優先したから行ってない。
でもあっちに山なんてあったかな?
「私も山は見てません。森らしきものは見えましたけど・・・」
「私の疑問に答えて!?」
チョコに川下りした事を教える。
とはいえ大して言うことはない。カイマンに乗って下ったら、ギガント・ランプリーに襲われたくらいだ。
後は・・落書きされたことくらいかな。
「落書きの件は要らない・・・。簡単に説明してるけどかなり凄いことしてるわよ、あなた達。・・自覚ある?」
「「ありません」」
おかしい事をしている自覚はあるけどね。そもそもカイマンに乗って移動する事自体がおかしいからね。あとセリの強さもおかしいから。
「そのカイマンって、この家にいる魔物よね?」
「ああ、一応俺の使い魔だけど?」
「使い魔って・・・、あなた召喚士だったの?。まぁそれは置いといて、そのカイマンにまだ会ったことが無いんだけど、どんな魔物なの?。というか乗れるの?」
あれ?、まだ会ったことなかったっけ?。
そう言われるとチョコとカイマンが一緒にいる所を見たことがないな。俺はちょこちょこ会ってるから気付かなかった・・。
「カイマンは人見知りなので隠れてるそうですよ」
「ああ、アイツそうだったな・・・」
引っ込み思案の人見知りだったな。最初あの図体でその性格にはびっくりしたが、最近ずっと小さいし、俺たちには普通に話すから気にならなくなっていた。
「今は何処にいるんだ?」
「お昼を渡した時は厩舎に居ましたが・・・」
厩舎か・・・、今もいるかな?。
ちょっと見てくるか。あ、念話でいいか。
念話でカイマンを呼び出すと、意外にも池にいた。どうやら2人が風呂に入ってる間に移動したらしいが、いる間にチョコが来て出れなくなったらしい。
出てきたカイマンは俺に隠れるように移動しつつ、チョコを見ている。
「こいつがギガント・ロック・アリゲーターのカイマンだ。人見知りだから気を付けてくれ」
「・・・ごめん、今今なんていったの?」
「だから、人見知りーー」
「その前!」
「こいつがカイマンーー」
「今省いた所!!」
どうやら種族を聞き直したかったようだ。最初からそう言ってくれればいいのに。
「ギガント・ロック・アリゲーターだけど?」
「ギガント級?。その大きさで?」
「いやあのままだと大きすぎるから縮んで貰ってる。流石に門をくぐれないから」
「ちなみにロックって?」
「変異種だから」
そういうとチョコは頭を抱えてうずくまる。ぶつぶつと何かを言ってるが大丈夫か?。
その間にカイマンはそそくさと池に隠れる。一言話したらどうだ?
『まだ無理です・・・。チョコさんは怖いので』
潜ってしまったカイマンからそんな念話が届く。
どうやら興奮状態のチョコを見て、変な苦手意識があるらしい。アンダルシアがフウに振り回されてるのも見てるし、あの状態のチョコに振り回されるとでも思ってるのかな。
そのチョコはお前を見て混乱してるけど・・・
「ギガント級?、しかも変異種ですって?。そんなの第一級災害指定の危険種じゃない・・・」
なんか物騒な単語が聞こえるけど聞き流すことにした。
長くなったので分けました。




