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第35話 収納

評価ありがとうございます。これからものんびり更新していきます。

おはようございます。


やっとナギから旅してよしの許可をもらえたので、今日から旅を再開する。

別に許可を気にせず行けばいいのだが、帰ってきたときに怒られるのは確定なのでやめた。


最近どうもナギに怒られてばっかりな気がする・・・・

15歳に怒られる30歳ってどうなの? ちょっと悲しくなるんだが。


いいや、気を取り直して旅をしよう。馬鹿だから歩いてたら忘れるだろう。ははは・・・


『なんや、急に乾いた笑い声なんか出して。気味悪いで』

「いや、なんでもない」


そう言って門を開ける。門の先は俺達が落ちた場所だ。

落ちたときのままなのか枝などが散乱したままだった。あの時は全身痛くて気にしてなかったが、思ったより落ちた衝撃は大きかったらしい。俺の腕より太い枝が折れて落ちていた。


「もしかして結構危なかったのかな? 今更だけど大したことなくてよかった」

『ほんまやで、ススムになんかあったらウチもうおやつ食べられへんかったしな』

「そもそも落としたのはお前だけどな。・・・この太い枝をナギさんに見せてもいいか?俺がどれ位の衝撃を受けたか分かるだろうし」

『やめぃ!そんなことしたらウチのおやつ没収されてまうやん!』


いや、没収されてもいいと思うけど?

この前みたいに泣いて謝ったらいいんじゃないか? ナギに通じるかは知らないけど。

先日、おやつ一個にした時は泣いて謝ってきたので許したが、同じ手がナギに通じるかは知らない。


俺も勝てる気がしないので、そうなったら1人でがんばってくれよ?

フウと一緒に遠くから見てるからさ。


『くぅぅ、確かにナギには通じる気がせえへん。何か分からんけど、逆らったらあかんオーラが出てるわ』


それには同意できる、なんか圧力あるよな。

ナギには言えないけど。


今そう言えるのは、現在ナギがいないからだ。今日は俺とセリだけである。

二人で歩くのは久しぶりだ。最近は皆でぞろぞろ歩いていたので逆に新鮮な気持ちになる。


他の皆はついて来ると言ってたが、降りた先の森が今までと違う場合があるので断った。

魔物の種類が変わってたりすると、咄嗟に対処できない可能性もあるので今日はその辺りの確認も込みで旅をしている。


見た感じでは周囲の木々も下りる前と違う。降りる前は針葉樹がメインだったが、今はヤシの木のような熱帯地帯の木が多い。

湿度が高いので、熱帯雨林によく生えてそうな木が多いようだ。


「うぅ、ジメジメするな・・・」

『おそらくあの崖のせいやろなぁ。見たところこの一帯を囲って崖になってさかい、風が通らんのやろ。』


言われて降りてるときの景色を思い浮かべる。確かにこの一帯は陥没したかのように窪んでいた。ただ範囲が広すぎて、言われるまでそうは見えなかったが。


「こりゃ、崖の端っこまで歩いて、そこから降りたほうがよかったな。湿度が高くて暑い・・」

『そうか?ウチはこれくらいのほうが落ち着くんやけど』


蛇だしこっちの方が落ち着くのか。

そういえば住んでいた洞窟もジメジメしてそうだった。


「こんだけジメジメしてると出てくる魔物も変わりそうだな。カエルとかいそうだ」


すると呼んだ?とばかりに魔物が現れる。カエルかと思ったが違った。

「ワニ?」


疑問系になったのは単純に全長が小さかったからだ。シルエットはワニそのものなのだが

大きさがセリと変わらない。

一般的では3~4mが一般的だが1m程しかない。子供かな?とりあえず写真は撮っとく。

ワニはこちらに気付いているが襲ってこない。威嚇するだけに留まっている。


『ミニマムアリゲーターやて、くくく・・そのまんまやな』

「それでもお前と同じくらいだけどな」


1mほどのサイズでミニマムだし、普通はもっとでかいのだろう。

10m位ありそうだな・・・。俺なんて丸呑みにされそうだ。


「じゃあ、セリ頼んだ」


向こうはずっとこちらを威嚇しているだけで襲ってもこないので放って置いても良いのだが、背を向けた瞬間襲ってくる危険性もある。

悪いけど、倒させてもらおう。


『しゃあないなぁ。まぁ戦闘がウチの役目やし、きっちりやんで』


そう言って鎌風を飛ばす。ミニマムアリゲーターはあっさり真っ二つになった。


『たいした事ないな。まぁウチが強すぎるししゃあないな』


ドヤ顔を決めるセリ。この顔をしている時に褒めると調子に乗るから何も言わない。

俺はミニマムアリゲーターの魔石を回収して・・・ん、そういやこれってワニ皮だよな。

ワニ皮ってこの世界でも需要あるのか?


「なぁセリ。この世界って魔物の皮とかを使ったりするのか?」

『なんや急に。・・確かしてるはずやで。人気のあるやつは乱獲されたりしとったし』

「そうか・・・。ああ、このワニ皮をさ売ったら金になんのかなぁと思ってさ」


モンスターの素材は売れる。昔のゲームの知識だけど。


『売れてもウチらお金なんていらんのちゃうん? “旅の宿”あれば困らんやろ』

「でもお金あったらその場の美味しいもんがーー」

『お金は重要やな!回収済んで!!」


分かりやすいやつだな。だが回収するにしてもこのまま持って歩くわけにもいかないし、家に置いとくのもやだしなぁ。

というか街につくまでに腐るか。


『ここに放り込んどいたらええわ、時間経過もせえへんし腐らんやろ』


セリがそういうと、目の前に黒い渦が現れる。何これ?


『“収納”や簡単に言うたら異界の倉庫やな。昔はここに狩った餌放り込んで貯めてたんやけど、ススムと一緒になってからは全然使わんようなって忘れてたわ』


ああ、“収納”ね。そういや持ってたな、俺も忘れてた。

腐らないんだったらありがたく放り込んでおこう。もし売れなかったら今度捨てれば良いし。


放り込んだミニマムアリゲーターはズブズブと黒い渦に呑まれていく。全て入ると黒い渦は消えた。


「これ、どのくらい入るんだ?」

『知らんで。いっぱいなった事無いし』


無限か?無限なのか?

なら狩った魔物を片っ端から突っ込んでも良いのか?


『ええで! 片っ端から突っ込んで、街で全部売って、美味しいもんがいっぱい食おうやないか!』

「ははは、いいなそれ」


二人して悪い顔をする。

その後は、あれ食べたいだの、これ欲しいだの言いながら先に進む。

まぁこの世界の人間の生活についてはまだ何も知らないのだけどね。ははは・・・



「・・・ところでセリ、方角ってこっちであってるのか?」


ふと思って問いかける。適当に歩いてたけどセリの行きたい方角であってるのだろうか


『あ、反対やわ』


やっちゃったの表情をするセリ

はは・・は・・・・・、マジかぁ!


はぁ~あ・・・街につくのはいつになるんだろう?

着けないかもしれない・・・

いつもお読み頂きありがとうございます。


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