【QR-12C サルースC】
【サルースCってなにをするの?】
サルースCは、サルースAを改良してつくられた救難作業宇宙船です!
サルースAから機体が軽くなり、MMRも強力になったことで、より速く、より余裕をもって救難作業ができるようになりました。
とくに、事故の現場へ急いで向かわなければならないときには、最大でおよそ2Gもの加速をすることができます。
また、MMRを長く使うための熱管理も改良され、サルースAより長時間、高い性能を使えるようになっています。
いまの火星圏で働く救難船の、代表的な一隻です!
【サルースCのスペック】
正式名称:QR-12C サルースC
分類:第二世代クアドリガ型救難作業宇宙機
任務時質量:約150 t
推進器総推力:約600 kN
可動推進モジュール:4基
MMR:搭載
最大MMR作動率:約80 %
通常救難時加速度:約0.5~1 G
緊急・急行時加速度:約1~2 G
最大加速度:約2 G
主用途:遭難船救助、接舷、船外作業、損傷船処置、要救助者回収、物資・作業員輸送
主要作業装備:固定用アンカー、船殻切断装置ほか
熱管理:冷却系・蓄熱系併用
運用上の主要制約:推進剤、電力、蓄熱量、MMR運転余裕
【ここがすごい!】
サルースAより、もっとすばやい!
サルースCは、前の型のサルースAよりも軽くなり、MMRも強くなりました。
エンジンそのものの力は大きく変わっていませんが、機体を動かすために必要な力が小さくなったため、もっとすばやく加速することができます!
サルースCの最大加速度は、およそ2G。
事故が起きたとき、一秒でも早く現場へ向かうことができるのです。
【くらべてみよう!】
サルースAとサルースC
サルースAとCは、エンジンの力がどちらもおよそ600kNあります。
でも、速く加速できるのはサルースCです!
サルースA
任務時質量:約160t
最大MMR作動率:約75%
短時間最大加速度:約1.5G
サルースC
任務時質量:約150t
最大MMR作動率:約80%
最大加速度:約2G
サルースCは、およそ10t軽くなりました。
さらにMMRも強力になったので、同じくらいのエンジンでも、もっと大きく加速できるようになったのです。
エンジンを大きくするだけが、速くする方法ではないんだね!
【なかをみてみよう!】
サルースCの熱はどこへいく?
サルースCの中には、エンジンやMMR、生命維持装置など、たくさんの機械があります。
これらを動かすと、たくさんの熱が出ます。
とくにMMRを強く使うと、熱はどんどん増えていきます。
そこでサルースCでは、機体の中をめぐる冷却系で熱を集め、蓄熱装置へ送ります。
宇宙には空気がないので、地球の自動車のように風を当てて冷やすことはできません。
だから宇宙船では、
「どれだけ燃料が残っているか」
だけでなく、
「あとどれだけ熱をためられるか」
も、とても大切なのです。
【もしこわれたら?】
MMRが止まった!
サルースCは、MMRが止まっても、すぐに動けなくなるわけではありません。
推進器が動いていれば、宇宙船として飛ぶことはできます。
でも――
ものすごく動きがにぶくなります。
サルースCの任務時質量は、およそ150t。
推進器の総推力は、およそ600kNです。
MMRを使わずに加速した場合、加速度はおよそ0.4Gになります。
いつもの救難任務と同じつもりで操縦すると、予定していた場所で止まれなかったり、事故船の動きについていけなくなったりするかもしれません。
MMRに異常が起きたときは、すぐに飛行計画を作りなおします。
こわれても飛べることと、いつもどおり飛べることは、ちがうのです。
【火星工学メモ】
どうして同じ600kNなのに速くなったの?
物体の加速度は、加えた力を質量で割ることで求められます。
サルースCは任務時質量約150tですが、MMRを80%作動させた場合、運動に対する有効慣性質量は、およそ30t相当になります。
600kNの推力で30tの有効慣性質量を加速すると、
約20m/s²
となります。
地球の標準重力加速度は約9.8m/s²なので、
約2.04G
です。
これが、サルースCの最大加速度がおよそ2Gになる理由です。
なお、MMR作動率の増加にともなって必要電力と発熱量も増加するため、最大作動率を長時間維持できるとは限りません。
救難船は、速ければ速いほどよいわけではないのです。




