リナ、ほめ言葉に遠回りする
**20xx年1月20日(月曜日) 高校1年生**
**朝**
耳元で、
いつもの軽い電子音が鳴った。
「……七時五分」
一瞬、
世界がまだ夢と現実のあいだにある。
(実験その二。
“今日は一個目で起きられたら拍手案件”)
そう思ったところで、
布団のぬくもりが
背中に絡みついてくる。
(……でもあと五分なら、
まだ戻れる気がする)
まぶたが自然と閉じて、
呼吸がすこし深くなる。
次の瞬間、
別の音が頭の中を刺した。
「七時二十分です」
スマホの機械的な声。
心臓が、
軽く飛び跳ねる。
(あ、
ふつうに二度寝した)
胸の奥が、
じわっと重くなった。
(“二回目で起きた自分も◯に入れる”って
決めたの、私じゃん)
(なのに、
一個目で起きられなかっただけで
ちょっとガッカリしてるのも
私なんだよな)
ため息をひとつ吐いてから、
えい、と布団を蹴った。
足に当たる空気は、
先週よりさらに冷たくなった気がした。
『一月からのゆるい実験メモ』のノートを開いて、
今日の日付の横に小さく書く。
『アラーム一個目→失敗
二個目で起床→◯寄りの△』
声に出して読むと、
自分で書いたくせに
意味がよくわからなくて笑ってしまう。
鏡の前で、
タイツを引き上げてスカートのラインを整える。
ドアの向こうから、
お母さんの声。
「里奈ー、
そのスカートの長さならまだいいけど、
女子はほんと冷やしたらダメなんだからねー」
(“女子は冷やしたらダメ”って、
男子は冷えてもいいってこと?)
心の中でだけ突っ込みながら、
制服のしわを手のひらで伸ばした。
**午前**
電車のドアが閉まる音。
つり革につかまったまま、
ポケットの中のスマホが
妙に存在感を主張してくる。
(“十分ブロック実験”、
やるって決めたじゃん、私)
カバンから、小さなメモ帳を取り出す。
最初のページに
今日の項目を書き足す。
『行きの電車:
最初の五分→メモ
次の五分→本
そのあと→スマホOK』
腕時計の秒針を見て、
深呼吸をひとつ。
(はい、実験スタート)
ペンを走らせる。
『今日のモヤモヤ候補:
・一年後の自分プリントのこと
・“女子は〜”って言われるやつ
・ほめ言葉がこわい問題』
書いているうちに、
指先の冷たさを
あまり感じなくなってきた。
五分が経つころ、
ポケットの中のスマホが
小さく震えた気がして、
心臓がドキッとする。
(今のは通知?
それとも気のせい?)
本を取り出そうとして、
結局スマホをチラ見してしまう。
ロック画面には、
グループLINEの未読が2件。
(……本、先に開こ)
意地になって
文庫本を開く。
でも、
目は文字を追っているのに、
頭の中では
LINEのトークの中身を
勝手に想像していた。
(テストの日程だったらどうしよう)
(宿題の変更だったら…って、
そんな急に変わる?)
胸のあたりが
もやもやして、
呼吸がすこし浅くなる。
(“五分だけ本”って
自分で決めたんだから、
せめて五分は守ろう)
時計をチラ見して、
ようやく本の一段落分を読みきった。
ページを閉じるとき、
ちょっとだけ
やり切った感があった。
スマホを解禁すると、
そこにはやっぱり
どうでもいいスタンプのやり取りと、
「今日の数学プリント一枚増えたらしい」という
情報が一個。
(……世界は、
五分くらい待っても
そんなに変わらない)
心臓の跳ね方が
さっきより落ち着いている気がした。
**昼**
一時間目のホームルームは、
例の「一年後の自分へ」プリントの
下書きタイムになった。
「全員分読むわけじゃないから、
気楽に書いてくださいねー」
先生のその一言が、
逆に緊張を増やしてくる。
(“全員分は”ってことは、
誰かのやつは読まれるってことだよね?)
ノートとプリントを見比べながら、
鉛筆をくるくる回す。
前の席の佐伯くんは、
迷いなくペンを走らせている。
背中越しに見える肩が、
一定のリズムで動いている。
(ああいうとき、
迷わず書けるの、
ちょっといいな)
胸の奥が、
少しだけざわついた。
**昼休み**
窓際のいつものテーブル。
今日は、
カップスープを持ってきた子がいて、
テーブルの上に
ふわっとコンソメの匂いが広がっていた。
「聞いてよ〜」
一人の子が、
勢いよく話し始める。
「朝さ、
隣の席の男子に
“ノートきれいだね”って言われたの!」
「え、なにそれ、
脈アリ案件じゃん」
「いやいやいや、
たまたまでしょ〜」
「絶対好きじゃんそれ〜」
「ちょっとほめただけで
“好き”に変換されがちなの
マジで女子高生あるあるだよね」
笑い声が弾ける。
その瞬間、
頭の中のどこかが
キュッと締め付けられた。
(中二のとき、
テストのあとに
「その問題の解き方わかりやすかったね」って
男子に言っただけで、
次の日には
クラスの半分くらいが
「えー里奈ってあの子のこと好きなのー?」って
ニヤニヤしてきたやつ)
胸の中心が
じわっと熱くなって、
手に持っていた箸が
すこし震えた。
(あれ以来、
男子をほめることが
こわくなったんだよな)
スープの湯気が、
目の前でゆらゆらしているのを
ぼんやり眺めながら、
深呼吸をひとつ。
(“誰か特定しないほめ方”から
やるって決めたんだから)
タイミングを見計らって、
口を開く。
「でもさー」
一度目の声が
少し裏返りかけて、
慌てて咳払いをする。
「こういうの聞いてるとさ、
図書館で勉強してる人とかって、
ふつうにすごいよねって思う」
一瞬、
空気が止まる。
(言い方ヘタだったかな)
心臓が、
耳の近くでドクドク鳴っている気がした。
「それはそう!」
別の子が、
パンをちぎりながら言う。
「なんで?って聞かなくても、
勉強するために図書館行ってる時点で
意識高いでしょ」
「家だとスマホの誘惑やばいしね」
「図書館で勉強してる男子、
ちょっとポイント高い説ある」
「“彼氏ほしい”より
そっちの方が現実的かも〜」
笑い声が戻ってくる。
胸のあたりが、
少しだけ軽くなった。
(“佐伯くんすごいよね”って
名前は出せなかったけど)
(“図書館で勉強してる人”って
主語でほめるところまでは
来れた、ってことでいいかな)
廊下の方を見ると、
さっきまでプリントを
担任に届けていた佐伯くんが、
ちょうど教室に戻ってくるところだった。
こちらを見たわけでもないのに、
なんとなく
耳のあたりが熱くなった。
**午後**
五時間目は理科。
いつものように、
佐伯くんと同じ実験テーブルになった。
今日は、
簡単な電流の実験。
先生の説明を聞きながら、
ノートに回路図を写していく。
「ここさ、
こっちに書いた方が
あとで見やすいかも」
佐伯くんが、
自分のノートを
少しこちらに傾けて見せてくる。
線の引き方が
やたらと整っていて、
ポイントのところだけ
蛍光ペンで印がついている。
(あ、
たしかに見やすい)
「……ほんとだ」
そう答えながら、
(今、
「いつもノートきれいだよね」って
言うチャンスだったのに)
と、心の中だけで
自分にツッコミを入れた。
胸の奥が
少しだけギュッとなる。
(“ノートきれいだね”って言葉ひとつで
あそこまで騒がれた過去がなかったら、
今もうちょい
気楽に言えたのかな)
手元のペン先が
すこし震えて、
回路図の線が
すこしくねっと曲がった。
「大丈夫?」
「え、あ、うん。
ちょっと力入りすぎただけ」
笑ってごまかすと、
佐伯くんは
ふつうにうなずいた。
「この前のさ」
「ん?」
「一年後の手紙、
書いた?」
ドキッとする。
「うん、一応」
「俺も昨日出してきた」
「もう出したの?」
「ポストの前で
五分くらい固まってからな」
ほんの少しだけ、
照れたように笑う。
その顔が、
いつもより
少しだけ近く感じて、
息が浅くなる。
「一年後にさ」
「うん」
「今の自分のこと
笑えるといいよな」
「……そうだね」
笑いながら、
(“笑えるといい”って、
バカにするとかじゃなくて、
余裕を持って振り返れるって意味なんだろうな)
と思った。
その余裕を、
一年後の自分が
どれくらい持てているのかは、
まだ全然わからないけど。
**夕方**
放課後。
今日は演劇部の集まりがあった。
部室に入ると、
ホワイトボードに
「春公演案」と書かれた文字。
川田先生が、
いつもの柔らかい笑顔で言う。
「台本班、
最近の進捗どうですか?」
心臓が
ドクンと大きく跳ねた。
「えっと…」
ノートを抱えたまま
前に出る。
『二人の季節』の
新しいページを開く。
先週の“女子は〜”の
モヤモヤを台詞にしたところ。
> 「“女の子は選択肢が多い”ってさ、
> それ、本当に
> 私たちのために言ってるのかな。
> 選べるってことと、
> “ちゃんと選びなさい”って
> 急かされるのは
> たぶん別物だよね」
声に出して読み上げると、
自分の喉が
少し乾いているのがわかった。
読み終わった瞬間、
数秒間の静寂。
(やば、
ちょっと重すぎたかな)
胸のあたりが
ぎゅっと縮む。
最初に口を開いたのは、
三年の先輩だった。
「……それ、
めっちゃわかる」
真剣な顔でそう言って、
ノートを覗き込む。
「“ちゃんと選びなさい”って
言われるの、
なんか責められてる感じするよね。
選択肢が多いって、
そんなに楽なことじゃないし」
川田先生も、
うなずきながら言う。
「いいと思いますよ。
説教っぽくならずに、
ちゃんと高校生の言葉で
モヤモヤを言語化できてる感じがします」
胸の奥が、
じんわり熱くなった。
(教室で飲み込んだ“それはちょっと”が、
ここで台詞になって
ちゃんと届いた感じ)
(直接先生に言えてはいないけど、
ゼロのままよりは、
たぶんずっとマシだ)
ノートの端っこに、
小さく書き足す。
『モヤモヤ→台詞化実験:
とりあえず成功寄り』
**夜**
家に帰ると、
リビングのテーブルの上に
「一年後の自分へ」プリントが
置きっぱなしになっていた。
お母さんが、
それをぺらっとめくる。
「これ、
ちゃんと書いて出したの?」
「下書きだけしてる」
「“一年後の自分はどんな人間に”って、
いい質問じゃない。
里奈はどうしたいの?」
いきなりマイクを向けられた
インタビューみたいになって、
少しだけ身構える。
「うーん……
今よりちょっとだけ、
“まあいっか”って
笑える人になってたい」
正直に言ってみると、
お母さんは
微妙な顔をした。
「それも大事だけど、
もうちょっとしっかりした目標
持ちなさいよ。
女の子なんだから、
資格取るとかさ。
看護師さんとか保育士さんとか、
手に職っていうの?」
また、“女の子なんだから”。
(資格を取る=“しっかりした目標”、
“まあいっかって笑えるようになる”=
ちゃんとしてない目標、っていう
扱いなんだろうな)
喉の奥に、
さっき演劇部で
読んだ台詞が
またせり上がってくる。
> 選べるってことと、
> “ちゃんと選びなさい”って
> 急かされるのは
> たぶん別物だよね。
(これ、
本当に現実の中で言ったら、
たぶんこじれるやつだ)
胸のあたりが
少し苦しくなって、
呼吸が浅くなる。
代わりに、
言い方を少し変えてみる。
「資格とかも、
考えないわけじゃないけど。
とりあえず今は
“途中経過の自分”も
ちゃんと許せるようになりたいかな」
「途中経過?」
「うん。
なんか、
ゴールにたどり着くまで
全部ダメって判定しちゃうと
しんどいから」
お母さんは、
少しだけ黙ってから言った。
「……あんた、
そういうとこ
お父さんに似てるわね。
変に言葉にこだわるとこ」
お父さんが、
新聞の向こうから
「ほめてるのか?」と笑う。
「半分はね」
そのやり取りを見ていたら、
さっきまで胸の中で
固まっていた何かが
少しだけ溶けた気がした。
自分の部屋に戻って、
机の上にスマホを置く。
「今日は、
通知オフ実験
リベンジで」
付箋にそう書いて、
スマホの上にペタッと貼る。
設定画面を開いて、
通知をオフにする。
時計を見ると、
二十時三十分。
(二十二時まで、
スマホ封印チャレンジ)
『二人の季節』のノートを開いて、
さっき演劇部で話したシーンの続きを書く。
> 「選べって言われるほど、
> こっちは
> 選ぶことが怖くなるんだよね」
ペンが、
思ったよりもするすると動く。
二十一時を過ぎたころ、
机の上で
スマホが微妙に震えた気がした。
(……いまの、
ただの幻覚じゃないよね)
視界の端で、
スマホの画面が
一瞬光る。
(きっと、
グループLINEか、
宿題の確認か、
どうでもいいスタンプか)
頭の中が
想像でいっぱいになって、
心臓が早くなる。
(見ないまま二十二時まで行けたら
たぶん達成感やばい)
(でも、
今見たら
今日も“また負けた”って
日記に書くことになる)
喉が渇いて、
水を一口飲む。
結局、
二十一時三十分になったところで
誘惑に負けた。
「……ちょっとだけ」
スマホを手に取って、
通知を確認する。
そこにはやっぱり、
テストの日程と
スタンプと、
友達の「明日体操服だっけ?」という質問。
(世界は、
やっぱりそんなに
急には変わってない)
でもそのまま、
おすすめに出てきた動画を
二本くらい見てしまって、
あっという間に
二十二時が過ぎた。
スマホを置いたあと、
額を押さえる。
(“ちょっとだけ”って言葉、
ほんと信用ならない)
でも、
ノートを見ると、
脚本のページは
ちゃんと数枚分増えていた。
『一月からのゆるい実験メモ』の
今日のところに書き足す。
・行きの電車十分ブロック→△(メモ&本までは達成)
・昼休み“誰か主語ほめ”実験→◯
・通知オフ実験→◯と×のあいだ
ノートを閉じて、
電気を消す。
完璧な日とは
とても言えない。
でも、
一年前の自分よりは
少しだけ
「ほめ言葉に遠回りする方法」とか
「モヤモヤを台詞にする方法」とか、
そういう
変なスキルが
増えつつある気がした。
## 後書き
**日記**
**20xx年1月20日(月曜日) 高校1年生 田中里奈**
今日は、
“ほめ言葉と通知オフに
遠回りしながら実験した日”だった。
---
**今日できたこと**
1. 行きの電車で、
「最初の五分はメモ、
次の五分は本」という
“十分ブロック実験”をやってみて、
メモと本の一段落分までは
ちゃんとこなせた。
2. 昼休みの女子トークの中で、
中学のときのトラウマを思い出しながらも、
「図書館で勉強してる人って、
ふつうにすごいよね」と
“誰か主語”のほめ言葉を
実際に口に出せた。
3. 演劇部で『二人の季節』の
「“女の子は選択肢が多い”ってさ〜」の台詞を
みんなの前で読み上げて、
三年の先輩と川田先生から
「わかる」「いいと思う」と
ちゃんとリアクションをもらえた。
---
**今日できなかったこと**
1. 二段階アラーム実験で、
一個目(七時五分)では起きられず、
結局二個目(七時二十分)まで
二度寝してしまった。
“一個目で起きられたら拍手案件”の
ハードルは、
まだクリアできていない。
2. 理科の時間、
佐伯くんのノートが
すごく見やすかったのに、
「いつもノートきれいだよね」の一言を
直接言う勇気が出ず、
「ほんとだ」の一言で
会話を終わらせてしまった。
3. 夜の「通知オフ実験」で、
二十二時まで我慢するつもりが
二十一時三十分に
LINE通知を開いてしまい、
ついでに動画を二本見てしまって
時間をだいぶ持っていかれた。
---
**障害とその分析**
1. 一個目のアラームで起きられないのは、
単純に眠気の問題もあるけど、
「二個目でも◯にしていい」と
自分でルールをゆるくしたことで、
逆に一個目に対する緊張感が
なくなったのも大きいと思う。
“失敗しても◯にしてあげたい”気持ちと、
“それを言い訳にしてる自分”が
同居している感じ。
2. ほめ言葉を直接言えなかったのは、
中二のときに
男子をほめたら
クラス中に「好きなんでしょ」と
からかわれた記憶が、
まだ体の奥に残っているから。
今日の昼の会話でも、
「ノートきれいって言われた」話から
すぐ「脈アリ」になっていくのを見て、
“そうなる未来”を
先に想像して怖くなった。
3. 通知オフ実験が崩れたのは、
「二十二時まで絶対見ない」と
時間だけで決めてしまって、
途中で揺れたときに
どうするかの“逃げ道”を
作っていなかったからだと思う。
「気になるなら
いっそ一回だけ解禁する」みたいな
中間地点のルールを
用意していなかったので、
一度見た瞬間に
完全に崩壊した。
---
**明日以降の具体的な対策(小さな実験)**
1. アラーム問題については、
“一個目で起きられなかった=即失敗”に
しない代わりに、
・一個目のアラームは
ベッドから少し離れたところに置く
・一個目は
「とりあえず上半身を起こすアラーム」
として位置づける
という“場所の実験”をしてみる。
いきなり完璧に起きるんじゃなくて、
「起き上がるまで行けたら◯」くらいに
判定基準を変えてみたい。
2. ほめることへの怖さについては、
直接名前を出さずに
主語をぼかすやり方を
もう少し続けてみる。
例えば、
「ノートきれいな人って
あとから見返したとき得だよね」
みたいな“属性ほめ”を
近くで言ってみる。
それを何回か繰り返して、
自分の中の
「ほめる=即告白扱い」という
思い込みを
少しずつゆるめていきたい。
3. 通知オフ実験については、
・二時間ぶっ通しでオフにするんじゃなくて、
四十五分作業+十五分チェックの
“ポモドーロ式”にしてみる
・「二十一時三十分に一回だけ
通知をまとめて見る時間」を
最初から決めておく
という“途中チェック前提ルール”に
してみる。
完全封印より、
小分けにした方が
今の自分には合っている気がする。
---
**繰り返しの意識**
今日できなかったことは、
先週できなかったことと
かなり重なっている。
アラーム、
スマホ、
ほめ言葉。
たぶん来週も、
似たようなことで
つまずいてる自分が
普通に想像できる。
でも、
・電車の十分ブロックで
“世界は五分くらい待っても
そこまで変わらない”と
体感できたこと
・“図書館で勉強してる人”という
主語のぼかし方で
ほめ言葉を出しても、
世界は特に崩れなかったこと
・教室で飲み込んだモヤモヤを
『二人の季節』の台詞にして
先輩や先生に「わかる」と
言ってもらえたこと
こういう“小さい成功実験”は、
先週より確実に増えている。
一気に劇的な変化は
起きていないし、
通知オフにも
ほめ言葉にも
まだ何度も負けると思う。
それでも、
負け方に
少しずつバリエーションが増えて、
「またダメだった」だけじゃなく、
「前回とはちょっと違う失敗だったな」と
観察できるようになってきた気がする。
一年後の自分が
この時期の日記を読んだとき、
「こいつ、
遠回りしすぎじゃない?」と
笑いながら、
それでもどこかで
「まあでも、
遠回りできる体力があっただけ
えらくない?」と思ってくれたらいい。
「どんな時でも笑顔で」
今日は、
完璧な笑顔じゃなくて、
通知に負けた自分も、
ほめ言葉を飲み込んだ自分もまとめて
「まあ、
先週よりほんの少しだけ
諦めるのが遅くなったから良し」
くらいのゆるさで
笑ってみた。




