リナ、本番への階段
**20xx年8月12日(月曜日) 高校1年生**
**朝**
今日から、文化祭まで残り3週間。
本格的な仕上げの時期に入る。
「もうそんなに近いのか」
朝食を食べながら、実感が湧いてきた。
これまでの稽古とは、緊張感が違う。
お母さんが「いよいよね」と言った。
「うん。ドキドキしてる」
「でも、リナなら大丈夫」
その言葉に支えられて、家を出た。
今日は、通し稽古の予定。
修正した脚本での、本格的な通し稽古。
「今度は、うまくいくといいな」
前回の失敗が、頭をよぎる。
でも、今は違う。
脚本も演技も、格段に良くなっている。
**午前**
学校で咲希ちゃんと会った。
「リナ、緊張してる?」
「うん。でも、いい緊張」
「私も。照明の準備、完璧にしたよ」
咲希ちゃんも、気合が入っている。
部室に入ると、いつもと空気が違った。
みんなの表情が、真剣。
「今日は大事な通し稽古です」
山口先輩が言った。
「本番を想定して、やりましょう」
舞台セットも、ほぼ完成している。
照明も、音響も、本番仕様。
「すごい」
私の脚本が、こんな形になるなんて。
数ヶ月前は、想像もできなかった。
通し稽古が始まった。
**昼**
第一場。
佐藤先輩の第一声。
「私は今、人生の分岐点に立っている」
でも、前とは全然違う。
感情がこもっている。
リアリティがある。
観ていて、引き込まれる。
第二場、第三場と進んでいく。
どの場面も、以前より格段に良い。
俳優さんたちの演技も成長している。
でも何より、脚本が生きている。
私が書いた言葉が、本当に生きている。
「これなら、いける」
初めて、そう確信した。
お昼休み、興奮が収まらなかった。
咲希ちゃんと弁当を食べながら、感想を話し合った。
「すごく良かった」
「うん。鳥肌立った」
「照明も、ぴったりだったよ」
「ありがとう」
お互いを褒め合った。
でも、まだ油断はできない。
本番まで、さらに完成度を上げなければ。
**午後**
午後は、細かい修正作業。
「ここの間、もう少し長く」
「この台詞、もっと強調して」
川田先生と一緒に、演出を詰めていく。
私の意見も、積極的に取り入れてもらえる。
「田中さんの感覚、的確よね」
先生に褒められて、嬉しかった。
でも、それ以上に、作品が良くなることが嬉しい。
みんなの努力が、形になっている。
私一人の作品じゃない。
みんなの作品なんだ。
最後に、もう一度第四場を通した。
クライマックスのシーン。
主人公が決断する場面。
「これが私の道」
佐藤先輩の台詞に、涙が出そうになった。
私が書いた言葉なのに、私の想像を超えている。
**夕方**
稽古が終わった後、ミーティング。
「今日の出来はどうでしたか?」
山口先輩が聞いた。
「すごく良かった」
「前回とは、全然違います」
みんなが口々に言った。
でも、満足しているわけじゃない。
「まだ3週間あります」
「さらに完成度を上げましょう」
向上心が、みんなから感じられる。
この雰囲気が、嬉しい。
帰り道、咲希ちゃんと話した。
「本番が楽しみになってきた」
「私も。お客さんに見てもらいたい」
「きっと、感動してもらえるよ」
「そうだといいな」
でも、もう不安はない。
自信を持って、本番を迎えられそう。
**夜**
家に帰って、今日の稽古を家族に報告した。
「どうだった?」
「すごく良かった。みんな、本当に上手になってる」
「リナの脚本も、良くなったのね」
お母さんが嬉しそうに言った。
「うん。でも、みんなのおかげ」
夕食の時、お父さんが「楽しみだな」と言った。
「文化祭、絶対見に行くからね」
「うん。頑張る」
太一も「僕も見たい」と言った。
家族に支えられている実感。
これも、力になる。
部屋に戻って、台本を読み返した。
でも、今日は勉強もした。
バランスを保ちながら。
最後の3週間。
悔いのないよう、頑張ろう。
でも、無理はしない。
自分らしいペースで。
「絶対、成功させる」
そう決意して、眠りについた。
## 後書き
**日記**
**20xx年8月12日(月曜日) 高校1年生 田中里奈**
今日、文化祭まで3週間という節目の日だった。
本格的な通し稽古で、作品の完成度を確認できた。
結果は、大成功。
前回の失敗とは、全く違う出来だった。
脚本も、演技も、すべてが格段に良くなっている。
特に、佐藤先輩の演技には感動した。
私が書いた言葉が、想像以上の表現になっている。
照明も音響も完璧で、咲希ちゃんの頑張りも実った。
みんなで作り上げた作品だと実感している。
私一人の力じゃない。
みんなの努力が結集されている。
川田先生にも「田中さんの感覚は的確」と褒められた。
演出助手として、成長できているのかもしれない。
残り3週間。
さらに完成度を上げて、最高の舞台にしたい。
でも、無理はしない。
この間学んだバランスを大切にしながら。
家族も楽しみにしてくれている。
みんなの期待に応えたい。
初めて、本当に自信を持って本番を迎えられそう。
どんな時でも笑顔で。
今日は、希望に満ちた笑顔だった。
頑張ろう、最後まで。




