リナ、夏の決意
**20xx年7月8日(月曜日) 高校1年生**
**朝**
今日から夏休み前の最後の週。
脚本の修正も、いよいよ大詰め。
「あと少し」
朝食を食べながら、台本をチェックする。
第三場まで修正が終わった。
残るは第四場と最終場。
お母さんが「リナ、最近生き生きしてるわね」と言った。
「そうかな」
「うん。何かを作り上げてる顔をしてる」
確かに、毎日充実していた。
脚本を直すのが楽しい。
**午前**
学校で咲希ちゃんに会った。
「おはよう、リナ。今日で修正終わる?」
「うん。頑張って今日中に」
「すごいね。私には無理だな」
「咲希ちゃんにも、得意なことがあるでしょ」
「そうかな」
授業中も、頭の中で最終場を組み立てていた。
主人公が最後に気づく場面。
「答えは一つじゃない」
そのセリフが浮かんだ。
そうだ、これだ。
迷ったっていい。
完璧な答えなんて、ない。
それでも前に進む。
それが成長だと思う。
**昼**
お昼休み、図書室で脚本の最後の修正。
第四場の友人とのケンカシーン。
前は、すぐに仲直りしていた。
でも実際は、もっと複雑。
簡単には解決しない。
時間をかけて、お互いを理解する。
咲希ちゃんと私みたいに。
最終場。
主人公の決断。
「私は、自分なりに歩いていく」
「正解かどうかは、わからない」
「でも、これが私の道」
涙が出そうになった。
自分の想いを、主人公に重ねていた。
**午後**
放課後、演劇部。
「田中さん、完成したの?」
山口先輩が聞いた。
「はい。修正版、できました」
「じゃあ、読んでもらおうか」
修正した脚本を配る。
みんなが手に取って、読み始めた。
私は、緊張で手が震えていた。
「いいですね」
佐藤先輩が最初に言った。
「主人公に共感できます」
田中先輩も頷いた。
「リアルですね。等身大の高校生って感じ」
山口先輩が「みんなで読み合わせしましょう」と提案した。
新しい脚本での読み合わせ。
最初のセリフから、空気が違った。
感情がこもっている。
キャラクターが生きている。
最終場。
佐藤先輩の声に、本当の迷いが宿っていた。
「これが私の道」
そのセリフに、みんなが静まった。
**夕方**
読み合わせが終わった後、拍手が起きた。
「田中さん、素晴らしいです」
山口先輩が言った。
「ありがとうございます」
涙が溢れそうだった。
「夏休み中に、しっかり稽古しましょう」
「はい」
咲希ちゃんと一緒に帰った。
「リナ、本当にすごいよ」
「ありがとう」
「でも、一番すごいのは」
「何?」
「諦めなかったこと」
咲希ちゃんの言葉が、胸に響いた。
確かに、諦めようと思った時もあった。
でも、諦めなかった。
「咲希ちゃんがいたから」
「え?」
「一人だったら、諦めてた」
「リナ...」
友達の支えって、大きいと思った。
**夜**
家に帰って、完成した脚本を家族に見せた。
「すごいじゃない」
お父さんが言った。
「読んでて、引き込まれた」
お母さんも「感動した」と言ってくれた。
太一が「お姉ちゃん、天才!」と叫んだ。
家族の言葉が、何より嬉しかった。
夕食の時、この一ヶ月を振り返った。
通し稽古での失敗。
絶望的な気持ち。
でも、そこから立ち直れた。
「挫折も、大事な経験だったのかも」
そう思った。
部屋に戻って、完成した脚本を眺めた。
「やっと、完成した」
満足感でいっぱいだった。
でも、これはゴールじゃない。
スタートだ。
文化祭での上演に向けて。
夏休みの稽古に向けて。
新しい挑戦が待っている。
## 後書き
**日記**
**20xx年7月8日(月曜日) 高校1年生 田中里奈**
ついに、脚本の修正が完成した。
一ヶ月間、本当に大変だった。
通し稽古での失敗から、ここまでこれた。
諦めなくて良かった。
新しい脚本は、前とは全然違う。
リアルで、等身大で、人間らしい。
完璧じゃない主人公。
でも、それがいい。
私たちも完璧じゃないから。
みんなが「素晴らしい」と言ってくれた。
特に、最終場の「これが私の道」のセリフ。
自分で書いたのに、感動してしまった。
咲希ちゃんが「諦めなかったことがすごい」と言った。
確かに、何度も諦めそうになった。
でも、友達や家族の支えがあった。
一人じゃできなかった。
夏休みは、本格的な稽古が始まる。
新しい脚本で、どんな舞台になるのか楽しみ。
文化祭まで、あと2ヶ月。
みんなで、最高の舞台を作ろう。
挫折を乗り越えて、成長できた気がする。
どんな時でも笑顔で。
今日は、心から笑えた一日だった。




