351話 発進せよ。僕らの『スーパーダーク・ビッグファイブ(仮名)』
ラーデッシュが【原始魔族】を突撃させる。
「同じことの繰り返しかい? 俺にそれで勝てると思っているのか!?」
アベルが大軍勢に飲み込まれる。
しかし、次の瞬間。
アベルに切り払われ、その軍勢は霧散した。俺の両手には聖剣と魔剣が握られている。
すぐにサタナを納刀し『エンデ・ジエンド』を使って敵を消し飛ばそうとしたが、食い止められてしまう。
ラーデッシュが距離を詰め居合の構えをさせないのだ。
デロリアの時と同じか。
今のラーデッシュは思考を取り戻しているが、洗脳状態は解けていない。
俺がここで魔神の本心を話しても、こいつは魔神を裏切らない。いや゛裏切れない゛だろう。
ようするに、もう一度倒して【魔神】が掛けた洗脳を解いてやらないといけないわけだぜ。
「剣を鞘に納め居合の構えをとらなくば『エンデ・ジエンド』は撃てまい」
「さて、ソイツはどうかな?…知ってると思うが………。
必殺技は相手を゛必ず殺す技゛って書くんだぜ」
俺はこれから見せる『エンデ・ジエンド』をヴォルフにしか見せたことがない。
『エンデ・ジエンド』は実をいうと、鞘に納めて放つ技じゃない。
正確には刀身を何かにぶつけ、闘氣を溜めることで放つ技なのだ。
だから剣をぶつける対象は何でもいいのである。
鞘でも───それがたとえ……鍔迫り合いをしてる敵の剣だとしても放つことが可能なのである…………。
「エンデ・ジエンド。さよならだラーデッシュ」
「なんだと! まっ、まさか!? うおぉおおおおぉーーーー」
普通ならこれで倒せるんだけど【十英雄】は、さすがにしぶといぜ。
やつは消し飛びながら【原始魔族】共を呼び寄せる。
盾にでもするのかと思ったが、どうやら違ったらしい。
ラーデッシュは【原始魔族】たちを吸収し巨大化したのだ。
消し飛びながらこれをやってみせるのだから。ラーデッシュが持つ勝利への執念は見事としかいうほかない。
素直に感心したのである。
このままでも倒せるが、相手の土俵に立とうじゃないの。
ソン様も巨大化は得意だぜ!!
魔力を編み上げ『鎧』を形成する。
巨大ラーデッシュの前に白い体に赤の装飾を持つ、鎧の巨人が現れた。
「マスター。サタナたちにも『鎧』を作らせた。僕のギミックを【魔神】に見せつけてやるのじゃ」
「ナハト。あいつ程度なら仲間の力はいらないよ。俺一人で片づけられるぜ!?」
「もちろんじゃ。戦うのはあくまで、マスターだけなのじゃ」
…………?
俺が操る『タイセイの鎧』が両手を広げると。『イフマイータの血族』であるサタナ~ルーナが生み出した『鎧』が、こちらへ迫って来る。
ぶつかる!!?
そう思うが音と衝撃が起きず周りを見ると俺の近くにサタナ、ナハト、ミラルカ、ルーナが浮かんでいた。
どういう事だってばよ!?
全員が座るコクピットの椅子が現れたので腰かける。
頭の上は?の疑問符だらけである。
「マスター合体じゃ。ロボットアニメでよくあるじゃろ。僕の権能により皆の魔力を融合したのじゃ。
【魔神】討伐の切り札として僕と、
本体の魔力を合わせる事を想定した権能なんじゃが、すごい効果じゃのぅ」
・アベルの『鎧』とサタナ、ナハト、ミラルカ、ル-ナが編み上げた『鎧』を権能により合体させる。
・巨大ロボットならぬ巨大鎧『世纏五歌仙』を誕生させる。
つまり、こういうことのようだ。
それにしても、ミラルカのネーミングが採用されるとは思わなかったぜ。
まぁ、いい名前だと思うよ。
俺が考えた『スーパーダーク・ビッグファイブ』より少し落ちると思うがね。
戦う前から勝負はついている。
ラーデッシュの大きさは俺の『鎧』と同じサイズである。
ところが『世纏五歌仙』は『鎧』が五体分合わさっているため、単純に五倍の大きさなのだ。
「おっ、大きいくらいがなんだ!」
ラーデッシュが両手で突きのラッシュ、キックをくり出すがダメージはない。
光の巨人は合体した方が強い事実を知らんらしいね。愚かだぜ!
俺たちの攻撃力、防御力は【十英雄】のパラメータを大きく上回ってるからである。
膝の下をポコポコ殴られても、生っちょろいぜとしか思わない。
無駄無駄といった感じだい。
天から地で蠢く敵目掛け、巨拳を打ち下ろす。
ドゴンと凄い音が鳴り響いた。
「ぐ……ぉお…………」
「まだ戦う意思があるよ」
「【原始魔族】を攻撃の盾に使い捨て、本体のラーデッシュは攻撃から遠ざかったんだ」
ミラルカとサタナが奴の状況を教えてくれる。
「アベルどうするのじゃ? 『鎧』を解除して止めを刺しに行くかなのじゃ?」
「ルーナ、せっかく僕の権能を見せたんじゃぞ。解除とか勿体ない事言うな、なのじゃ」
ルーナの案も一瞬頭をよぎったがね。
でも、ナハトの言う通りだと思う。
ここは『世纏五歌仙』でトドメをさすべきだろう
「カッタルイことは嫌いなタチなんで。このままブチ壊させてもらうかい」
俺は足元のラーデッシュを上空に投げ上げる。
それからオラァと、何度も突きのラッシュを食らわせた。
ドゴ、ドゴ、ドゴと鈍い音が鳴り続く。
最後にアッパーで終わらせる。
地面にメメタァと叩きつけられる音が出た。
グチャグチャになった肉塊からラーデッシュが何とかはい出てくるが。彼はそこで力尽きるのだった。
復活怪人は弱い法則に従い、簡単に倒されるラーデッシュでした。
ただやられるために蘇ったのかもしれません。
それ程一方的にやられてしまいます。
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