第三話 「追放した奴が、なんでそんなに強いんだ!」
ある日、レオンたちが王都に戻ると、ゼノたち元パーティが待ち構えていた。
「おい、レオン!」
ゼノは苛立った顔で近づいてきた。
「最近、お前たちの名前をよく聞く。どうせ俺たちの戦術を盗んだんだろう?」
「……何の話だ?」
「とぼけるな! お前みたいな回復師が、こんなに稼げるはずがない!」
ミリアが腕を組んで嘲笑する。
「ねえ、私たちの名前を勝手に利用してるんじゃないでしょうね?」
レオンは深々とため息をついた。
「君たちに追放されてから、一度も関わっていないはずだけど」
その言葉が気に入らなかったのか、ゼノはレオンの肩を乱暴に押した。
「調子に乗るなよ。お前は回復しかできないんだ!」
その瞬間。
「……あんた、うちのリーダーに何してんの?」
エルナが鋭い声を放った。
ドランが一歩前に出る。
フィーネの杖の先に、赤い魔力が灯った。
「レオンを馬鹿にするのは許しません」
「はっ! たかが追放者の寄せ集めが!」
ゼノは剣を抜き、勝負を挑んだ。
だが、結果は一瞬だった。
ゼノの剣はドランの盾に弾かれ、ミリアの魔法はフィーネの結界に阻まれる。
エルナの矢がゼノの手元を正確に射抜き、剣を地面に落とした。
最後にレオンが静かに告げた。
「君たちは、自分たちの実力を勘違いしている」
「なっ……!」
「俺がいた頃、君たちは一度でも仲間の傷を気にしたことがあったか?」
ゼノたちは言葉を失った。
「強いのは、誰か一人じゃない。仲間を信じて、自分の役割を果たすから強くなれるんだ」
レオンたちはそのまま立ち去った。
ギルドの冒険者たちから、惜しみない拍手が送られた。
その日、ゼノたちは初めて理解した。
自分たちが追放した男は、決して無能ではなかったのだと。
そして、自分たちが見下していた三人もまた、決して役立たずなどではなかったのだと。




