眠い
眠すぎて適当です。
「おはようっ!」
「……んん?」
お腹に重みを感じ、私はすぐさま目を開いた。
だが、目を開けるのと同時に腕を引っ張られる。
「ほら、起きて!」
「え、えぇ……?」
寝ぼけた頭を治すように目を擦った。
そこには、昨日会った少女がいた。
「……ああ」
そういえば、昨日この子と約束したんでしたわね。
「おはようございます……」
「おはよう! 早く起きて!」
「分かりましたから、引っ張らないでください」
私は少し伸びをしながら、ゆっくりと上体を起こす。
「今日は街を案内してあげる!」
「……そうでしたわね」
「うん!」
少女は満面の笑みを浮かべる。
その後ろには、昨日の妹さんも立っていた。
「お姉ちゃん、まだ寝てたの?」
「だって昨日寝るの遅かったじゃん!」
「……だからって、朝から人を起こすのはどうなの?」
「約束したんだからいいの!」
「そうだけど……」
二人のやり取りをぼんやり眺める。
朝から元気ですわね……。
そこには少しだけ様子の違う妹さんが立っていた。
「おはよう。お兄ちゃん」
「……おはようございます」
私も少しだけ間を置いて答える。昨日は少し怒らせてしまったから、変な空気ですわね。
そこから沈黙が訪れる。のも束の間、すぐに少女が私を引っ張り上げた。
「よしっ! 行こぉ!」
「はいはい……」
*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*
「こっちこっち!」
昨日会った少女が、私の手を引きながら街の中を進んでいく。
「そんなに急がなくても大丈夫ですわよ」
「だって早く遊びたいんだもん!」
「遊ぶ……?」
「うん!」
しばらく歩くと、家々に囲まれた小さな広場が見えてきた。
「ここ!」
広場には大きな木が一本立っており、その周りでは何人かの子供たちが走り回っている。
元気いっぱいですわね。
「いつもここで遊んでるの!」
「なるほど……」
街を案内すると言っていましたが、まずは遊ぶようですわね。
「じゃあ、魔物ごっこしよう!」
「え?」
「私が魔物ね!」
「ちょ、ちょっと待ってください」
少女は返事を聞くより早く走り出した。
笑いながら走る少女を見て、私も踏み込み走り出した。
「待ちなさい!」
「あははは!」
私も慌てて後を追いかける。
最初はただ振り回されているだけだった。
けれど、走っているうちに、いつの間にか私まで楽しくなっていた。
「捕まえましたわ!」
「えっ!?」
少女の肩に手を触れる。
私は気づいてしまいましたわ。この身体、致命的に体力がないけど足はとても早いようですね。
「やりましたわ」
「もう一回!」
「まだやるんですの!?」
「もちろん!」
「元気すぎません!?」
少女は楽しそうに笑いながら、また走り出した。
何度も追いかけ、何度も捕まえる。
そのうち、少女の妹さんも遊びに加わった。
「お姉ちゃん、今度は私が鬼やる」
「逃げろぉ!」
「ま、待てぇ〜」
二人とも楽しそうだ。
私も気づけば、自然と笑っていた。
「はぁ……疲れましたわ」
しばらくして、私たちは大きな木の下で休憩していた。
そこには、姉妹が遊ぶ様子を静かに見つめる妹さんがいた。どちらも妹さんなせいで、とてもわかりにくいですわね。
「そ、そういえば名前ってなんだっけ?」
私が恐る恐る聞いてみると、妹さんは失望したような冷たい瞳を私に向けてきた。
「は? お兄ちゃん、流石にその冗談は笑えない」
また、妹さんに変な目で見られてしまいましたわ……。




