3年後
ご覧いただきありがとうございます。
あの日から3年が過ぎた。
初めてハルと会った季節がまた回ってきた。
この花を、ハルと一緒に見ていたんだよな・・・
ハルと共に過ごした日々が時間とともに薄れていく。
夢だったのではないかとも思う。
だが、ハルから貰った花に水をやり、確かにいたんだと思い返す。
今日も庭園に足を運ぶ。今は10歳の頃見た広く美しい庭園が小さく見える。
こんなに小さかったのか。
そして、大切なものが足りなかった。
「飽きたんなら、言ってくれれば良かったのに。」
ハルは優しいから言えなかったんだろうか。
それとも、男が好きな俺が気持ち悪かったんだろうか。会いたい。当たり前のようにハルに会えていた自分が羨ましくて、憎い。
ハルに会えなくなってから間違い探しが止まらない。間違いが今なら分かるのに。
今ならハルの話をたくさん聞くし、無理やりキスしようなんてしないし、ハルに見合う高価な品だって渡せるのに。
騎士団の仲間と鍛練終わりに食事をとる。
「はー、勿体ねぇよなぁ。あともう少し我慢すれば玉の輿だったのに。」
庭園に行く為に、仲間にはハルが男だということを隠して話している。無理やり明るい調子で軽口をたたく。
この国の英雄と呼ばれるようになってから、あれほど欲しかった仲間がいとも簡単にできた。結婚を申し込んでくる女性も山ほどいる。
しかし、虚しさが募るばかりだ。
「まぁー、気持ちは分かるけどよぉ。美化されてるとは思うぜ?次の人探して見たらどうだ。」
「そうだよなあ・・・」
いつものように話していると、
「英雄からの結婚の申し込みなら断われねぇんじゃねぇか?」
と声をかけられる。
「はは、そんなまさか」
笑ってしたが、食事を終えて部屋に戻ってもその声が離れなかった。
確かにそうなのかもしれない。
ましてやハルが王族の一人であるならなおさら断ることは第二王子派の代表を侮辱することを意味するため、許されないはずだ。
初めてキスした日のことを思い出す。
ハルは俺に恋愛感情は抱いていないのだろう。
結婚すると言っていたあの女の子が好きなんだ。お似合いな二人の姿を思い出す。
だけど、だけど___今の俺なら身なりも整えられてるし、隣に並んでもいいだろう?
会いたい。会いに来てくれないなら、会いに行けばいい。
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