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御伽話のように  作者: 玄米和花
7/9

改革

ご覧いただきありがとうございます。

一部、残酷な描写が含まれますので、苦手な方はお気を付けてください。

「クーデター?」


選び抜かれた騎士団員が集められ、改革の計画が伝えられる。


「そう。今こそあの残虐な女王と第一王子を殺すべきときだ。」


この計画には、第二王子の支援もあるらしい。政略結婚で王の元に嫁いだ女王の子、第一王子とは違い、王との恋愛結婚をした後姫の子、第二王子は剣も魔法も優秀で、心優しいと噂されている。それに加え、美しい容姿をしているらしい。そのため民衆からの人気もある。


だから、騎士団員はその言葉を聞いて奮い立っている。

俺は王宮騎士の父がいるため、王都で暮らしているし、大して不満は感じていないが、騎士の中には平民出身で実力で上りつめた者も多い。彼らは不満を感じていたのだろう。

より一層嬉しそうだ。


そんな中、トキさんが暗い表情をしている事が気になった。…確かに失敗したら打首は当然だ。死んだ方がましな拷問をされる可能性も高い。リスクは大きい。


しかし、成功したら?ここで名誉を立てれば英雄になることは間違いない。


・・・ハルとも結婚できるぐらいの身分を与えられるかもしれない。ハルも王族の一人だが、今回の目標は第一王子と女王だ。

遠い親戚のハルには危険がないだろう。



クーデターを起こす日、俺はその時までこれまで以上に剣術に励んだ。



いよいよその日がきた。夜に戦いが始まる。


騎士団と第二王子派の主戦力が月明かりを元に第一王子と女王の寝室まで近づく。


第一王子派の人間もかなりの人数だ。俺は第一王子派の人間を斬って、斬って、斬っていく。


その陰に怯える女が一人。躊躇せず首を跳ねると血が飛び散った。歓声が起こる。恐らくこの人が女王だったのだろう。



長い戦いの末、第一王子も殺されたという知らせが届いた。

次々と第一王子派の人間も降参していく。


第二王子が

「夜明けだ。」

と呟いた。勝った。周りは大盛りあがりだ。



朝になると、新聞で民衆の元にもその知らせが届いた。

そこら中でお祭り騒ぎだ。


話の種はもちろん第二王子の勇姿と間抜けな第一王子。なんでも第一王子は剣術を習っていたのにも関わらず、自分の派閥の人間を見捨てて逃げたらしい。

そこに第二王子がすぐに追いつくとあっという間に負けたという。



式典も開かれ、俺は女王を殺したため、第二王子直々に賞状と報酬が与えられた。

父も嬉しそうだ。


英雄だ。英雄だと周りから声が上がる。


そんな会場を後にして、庭園に向かう。

ハルに伝えたら、どんな反応をするだろうか。喜ぶかな。驚くかな。早く会いたくて、いつもより早く庭園に着いてしまった。


まだハルはいない。早く来ないかな。時計がいつもの時間を指す。しかしハルの姿は見えない。こんな時に限って遅いな。

それから30分が過ぎた。だがハルは来ない。


「ハル、ハル___?」

名前を呼びながら庭園を歩き回りハルを探したが見つからない。

その日、何度呼びかけても、ハルの声が返ってくることは無かった。


今日は来れない用事のある日だったのかな。言ってくれればいいのに。

少し気分が下がり、庭園を後にした。


次の週、何度もハルを呼ぶ。

今日もいない。


次の週、時間をずらして会いに行く。

今日もいない。


次の日、曜日をずらして会いに行く。

今日もいない。


もしかしたら、こうしたら。


小さな期待をして庭園に向かうが、ハルと会うことはできなかった。

読んでいただけて嬉しいです。

ありがとうございます。

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