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第一戦略発動!!

「コロン、安いっていくらぐらいなら買ってたんだ?」



カゴをたくさん作って商品を並べ直した俺はただただ座って俺の作業を見ていたコロンに問いかけた。


並べていた売れもしない商品はさっさとアイテムバッグへ詰め込んでいく。



「そうだなぁ……その時の手持ちによって変わるけど小銅貨2枚なら迷わず買ってたかなぁ」


「よし、それじゃあ……」



俺は地面から胸ぐらいの高さの丸太を縦に半分にして “大安売り! 今なら全品小銅貨2枚!! 売り切れ御免!” と書きなぐる。


それを見たコロンが慌て始めた。



「いやいや、あだしが買ってたのは誰かが使ってたやつだぞ? 古くなったけどまだ使える物を買ってたんだから、今作った物を小銅貨2枚にしたら大変だよ!」


「これぐらいじゃなきゃお客さんこないだろ。今は見向きもしてないんだからこれでいいんだよ」



まず、流れを作らないといけないと考えていた。


今まで来た客を思い出してみた。


広場で遊ぶ子どもたち。俺を直接探してた緑のクチバシのメンバー……以上。


他は誰一人として来てない。そもそもだが見てもいないのだ。視界に入ってないかのように通り過ぎていく。


これはアイツらのせいだ。今日も俺と同じように店を出す同業者を見た。


アイツらの値段設定がぶっ飛んで高いから、俺の店も高いと思われて見向きもしないのだと考えた。


俺が鎧を着ていて近寄りづらいだったらもうどうしようもないが、他の店に人が足を止めているのを見たことがないので違うと思う。


ならどうするか。看板立てて安いアピールするしかない!


他の店には真似できない、材料費0だからできる戦略だ。


全品と書きながらカゴしか置いてないが、怒られることはないだろう。


本当はもう一つ奥の手がある。


呼び込みだ。これはハードルが高い。いきなりキャラを変えて「へいらっしゃい! 安いよ安いよー!」と言えるだけの度胸はない。



「あ、よろいのおにぃちゃん! かんばんにはなんてかいたの?」



新しい商品に新しい巨大な看板。好奇心を抑えられなかったのだろう。


子どもたちが寄ってきた。



「今からここにある商品全部小銅貨2枚だって書いたんだ」


「うおおおおおお!! やすい!」


「おかねないけどほしい!」



子どもがカゴなんか買って何に使うというのだ。


子どもの大きな声で大人たちが足を止めてくれ始めた!


ナイスだ子どもたち! 叫べ! 俺の代わりに叫んでくれ!!



「ちょっと触ってもいいかしら」



両手に野菜を抱えた御婦人が声をかけてきた。



「どうぞ」


「……ふんふん」



野菜をカゴに入れたかと思う叩いたり曲げようとしたり、コロンがやったようなことをやり始めた。


おいおい、商品になんてことするんだ。



「買ったわ」


「小銅貨2枚だ」


「……本当に?」


「ん? そこに書いてあるだろう」


「ええ……まあ。じゃあこれで……いいのよね?」


「だから構わない」



凄まじく怪訝けげんな顔で去っていった。店から離れたがまだこちらを振り返っている。返してくれなんか言わないから早く野菜持って帰りなさいな。


周りで様子を見ていた人が何人か近づいてくる。


冒険者風の男たちだな。



「3つくれ」


「俺は2つ」


「こっちは3つ」



お、おお! 売れ始めた! 冒険者風の男から金を受け取った瞬間、ざわざわし始める。


人が集まり始めた。一体、何が……。



「おい! こっちに2つ投げろ!」


「後ろだ兄ちゃん! 一つでいいから早くしてくれ! 売り切れちまうよ!」


「わかったわかった! 店の後ろから来るな! 前に並んでくれ!」



小銅貨2枚とショボい金額だが、売れると嬉しくなってくる。


コロンも巻き込まれて商品渡しを手伝っている。すまん。


たくさん作ったつもりだが、さすがにすぐに無くなりそうだ。

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