売り切れ
飛ぶように売れて、商品はなくなってしまった。
周りの買えなかった人たちから舌打ちが聞こえてくる。
そもそも30ほどしか用意してなかったから仕方がない。
「また今度見かけたら買ってくれ」
そういうと集まった人たちはそれぞれの方向へ去っていった。
かなりの効果があったに違いない。見かけたら間違いなく声をかけてくれるだろう。大成功だ。
「す、すごい人だったな、あだしびっくりしたよ」
「俺もまさかこんなに来るとは」
そうだ! 売上を確認しよう!
銅貨4枚 小銅貨41枚 鉄貨20枚
ん? 一つ小銅貨2枚だから小銅貨は偶数じゃないとおかしいんだが、もらいすぎたか誰か1枚しか払わずに逃げたか。
いや、あれだけごちゃごちゃしてたら会計もわからなくなるから仕方ない。
「ふたごーキャハハハ!」
子どもたちが俺たちを指さして笑っている。
体型も格好も似てるからな。大人たちはなんだあれと見るだけだが、子どもは遠慮ないな。
そうだ、子どもたちのおかげで客がきたんだ。
少しだけ売上をあげよう。
「おい、そこの……」
名前を知らないので手招きで呼ぶ。以前木の玉を買ってくれた一番年上だろう体の少し大きなしっかりした子だ。
子どもは全員で15人。鉄貨15枚を渡す。
「お前たちが叫んでくれたおかげで助かった。1人1枚やろう」
鉄貨1枚なんかでは何も買えないと思うが、小さい子なんか大喜びしている。
「「ありがとう!!」」
そうみんなで言うといつも通りに遠くでキャッキャし始めた。
子どもの切り替えは早い。
今日は早いけど店をやめよう。コロンにいつも何をしているか見せているだけだからな。
「だいたい、こんな感じだ。今日は特別お客さんかたくさん来たが」
「へぇ〜、大変なんだなぁ。あだしが手伝えそうなことなかったよ」
「いやいや、商品を渡してくれてたし、助かった」
巻き込まれて本当に申し訳なかった。人の勢いがすごかったのだ。
店の片付けをしていると、腹が鳴る。
……そうだな、飯でも奢ろう。




