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《エキシビジョンマッチ》クソガキVS傭兵2

 片手でナイフを持って突撃する。だが考え無しじゃない。

 使える魔法は『身体強化』・『強度強化』、それに『地形操作』だったか……。

 『神童』を倒した新進気鋭。この状況下でビビって漏らしてない度胸。その3つでそんなにやれるなら、警戒しない訳がない。油断なんざない。

 だが、依頼主様はあの有り様で当てにならない。俺も共犯で、逃げてもお貴族様の誘拐犯としてお尋ね者確定。

 ならやるしかない。俺が生き残る為なら俺以外はどうなってもいい。


 見た感じ、俺をボコったお嬢ちゃんがこのガキの先生らしい。

 素面でキツいのにこのザマでまたあんな真似されたら今度こそ終わりだ。

 だからやることは一つ。『地形操作』を読み切ってナイフで狩る。

 ガキは動かない。けど目を瞑って何かしようとしてる。あれは……オイオイオイオイオイオイ!聞いてねぇぞ!

 クソガキの手から水の塊が出てきた。

 『水流操作』

 それは使えない(・・・・)と聞いてた。それが、なんだありゃ?

 クソガキの手の中の小さな塊が増えて増えて、俺の顔よりデカくなった。

 いや、落ち着け。ありゃぁよく見れば輪郭がブレて使い手が冷や汗垂れ流してる。

 使えない、だが発動は出来るってだけ。ありゃあハッタリ。攻撃する気は無い。

 ハッタリで俺に『逃げ』を選ばせる?いや違う、にしてはデカさが半端だ。

 これは、本命に気付かせないための囮。

 動かない。なら『地形操作』で何かしてくる気だ。

 何が来る?何か飛ばしてくるか?突き刺すか?それとも…………落とし穴。

 視線がさっきから魔法と俺に集中してる、不自然な程にな。

 そして、動く目線は絶対にそこ(・・)を見ない様に意識してる。

 丁度ここ、この一歩先。

 『身体強化』

 それを飛び越える。ガキの顔が曇る。ここであの水がハッタリじゃなければぶっ放すが……してこない。

 両手に力が入る。

 俺の勝ちだ。

 飛び越えた先に着地して、そのまま先へ……地面が不自然に沈む。

 地面が下へ下へと沈む。いや、違う!

 『地形操作』

 目の前の水の玉じゃなく、視線こそが囮!しれっと地形操作で落とし穴仕込んでやがった。

 地面の蓋が砕けて真っ黒な奈落が見える。デカいし深い。縁を掴むのも無理。着地して跳び上がるのも無理。そんなことしてる間に生き埋めにされる。

 ああ、一杯食わされたよガキ、良くやったよ……。


 だが俺はプロなんでね。


 体が奈落に沈む寸前、空けていた片手の袖に隠していたナイフを投げつける。

 だが、狙いはガキじゃない。真横にあった太い木の枝。

 ナイフは放物軌道で突き刺さり、その柄に結び付いた見えない()が張り、糸のもう一端は落ちそうになる体を支える。

 穴に落ちる寸前、ナイフを軸に振り子の要領で落とし穴を回避した。


 ブックマークも伸びたのですが、それ以上にPVが久々1万超えしました。ありがとうございます。

 あれ、何かありました?

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