↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1930/1944

改造者VS悪意の改良者3

前話のあらすじ:いつの間にか場所が変わり、霧の都で刺殺されたか。と思えば場所が急に変わって海に沈められて溺死した。何が起きている?

 眩しい光が目を焼いた。

 跳ね起きると手足に血はついてなかった。鎖も縛っていなかった。呼吸は出来る。草の匂いがする。

 草原の真ん中にいた。

 昼の暖かな日差し。遠くには柵が見え、その向こうには小さな家と牛舎が見える。

 平和で穏やかな世界が広がっていた。

 心臓が飛び出す程速く打つ。周囲を見渡して次が来るのを警戒する。

 牛、草原、牛、草原、牛、草原、牛……老人。

 老人が鍬を持っている。けれど遠く離れて、そうそう簡単に近付いて、襲ってくるなんて事は出来ない。

 牛、牛、牛、牛、牛牛牛牛……牛の動きが激しくなっていく。

 牛牛牛牛牛牛牛牛牛牛牛牛牛牛牛牛に囲まれていく。

 何かが不味い。そう思って立ち上がった瞬間、遠くで爆発音が聞こえた。

 雄叫びが聞こえ、穏やかな風景だったものが猛牛の群れに豹変する。

 逃げる、逃げる、逃げる、草むらに足を取られて転げ……何かが潰れる音がして、右手の感覚が無くなった。

 後ろから迫ってきた音が目の前に、先に突進して去っていく。

 砕ける音が響く、左腕の感覚が消えていった。

 群れが地響きと共に過ぎ去っていく。

 両足の感覚が無くなった、雄叫びの合唱が聞こえる。

 何かの手足が飛び散って目の前に広がる。

 痛い、苦しい、助けて、逃げないと………

 残った体が蹴り飛ばされて赤い飛沫と共に宙に舞う。

 広がった世界の中、向こうに見える老人は微動だにせず、こちらを見て、嗤った。

 手には煙を吐いている銃が握られていた。

 ああ、そういうことか。

 受け身も取れない中、猛牛の群れに頭から落ちて、正面からやって来る猛牛の群れになすすべなく、(ひづめ)が視界を潰して、その音が響いて消えた。




 いつの間にか薄暗い部屋に座っていた。

 部屋の壁の端に座らされ、目の前にある重厚な鉄製の扉の向こうから音は聞こえない。

 窓も家具も無い。明かりは背後にある何か、壁は灰色で凹凸が無い。

 体中に鎖が巻き付けられ、首まで背もたれに固定されて、猿轡(さるぐつわ)を噛まされて、椅子も金属製。動こうとしてもビクともしない。

 どういう訳か魔法も使えない。

 無音の中、自分の心音だけが木霊する。

 次は何が起こるか解らない。

 けれどその結末は解る。『死』だ。

 今まで経験させられた全てのことは唐突に始まり、共通項はない。

 が、全て『死』が結末になって、次が始まっている。

 この状況が何かは解らない。

 次に何をされるかも解らない。

 けれど確実に、この後に何かが起きて、この自分は死んで、次の場所に移る。

 毒ガスを撒かれるか、水か、あるいは油を撒いて焼かれるかもしれない。

 扉を貫通して撃ち込まれた銃弾がハチの巣にするかもしれない。

 扉が開いて剣士が一刀両断するかもしれない。

 けれど、何があるにしろ最後には『死』がある。

 そしてそれまで。それまでで終わって、次が始まる。

 これまであったように、『()()慣れてしまえば(・・・・・・・)どうということはない。


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽

▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽

▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。