改造者VS悪意の改良者2
※閲覧注意 微妙にグロテスクな描写が続きます。続く内は前書きに前話のあらすじを書いておきます。
豆スープの様な真っ白な世界だった。
自分がいつの間にかそこに立っていた。
立っている。おかしいことだ。先刻まで立つための足は無かった。見るための目も、伸ばす手も無かった。
それがある。下を見ると、知らない手足が生えていた。それを見る目があって、周囲の音を聞く耳があって、呼吸すると肺が詰まるほど吐き気がする悪臭に咽て、ここが確実にあるという手足の感覚がある。
知らない場所だった。
真っ白な霧の中、薄い灯りがレンガ造りの建物をぼんやりと映し出す。
知らない景色だ。その筈だ。けれどどこかで見たことがあるような……
背中から強く押されて地面が迫ってくる。
咄嗟に手をつこうとして、そのまま地面に叩きつけられた。
手が動かない。顔が痛い。力が入らない。背中が、痛い。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
頭が踏みつけられる。地面に跳ね返って頭がボールの様に跳ねる。
痛みも感じない。
「お前が!お前も!お前の私を殺したんだ!だからジミーが笑ってた!キラキラしたあの光がみられれる!やっちゃダメってリジーはおこったもうトミーはいないからあのキラキラはない!もっとキラキラ!おまえがこうなればキラキラほしいんだ!イヒイヒイヒヒヒハハ、ほら、アリスはしっかりたべないとなまやけがいたいでしょ?あは、あははははあああははははははははア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
何かが背中に刺さっている。何かは解らない。けれど、刺さる度に体から力が抜けていって、痛みが無くなっていく。
「せんせいおしえてくれた、せんせいありがとうございます、せんせいさようららあははははははははははは!」
最後、何かに頭を掴まれて、誰かが赤く濡れた手で持った赤い棒を目に押し付けてきた。
半分見えなくなって、残り半分も、消えてなくなった。
真っ暗な景色の中、水音が響いた。
体に感覚が戻ってきた。冷たい。痛い。体中が痺れる。水が沁みる。口に広がる塩辛い味。そして息が出来ない。
海水に浸かっている。息を、息を!
体が勝手に藻掻く。上へ、上へ、沈む体の感覚に逆らう様にして上へ。
腕が動かない。
足が動かない。
動く。指先は動く。けれど体に何かが絡みついて、動かない。
動かして上へ。
動かない、沈んでいく、暗い、冷たい、苦しい……
助けて、死にたくない、怖い、許してくれ、もういやだ……
誰も答えない、下へ、下へ、下へ、下へ、下へ……
上に向かって藻掻く。揺れる月光が見えた。月光が遠く離れていく。
手を伸ばす、足をバタつかせる、それが出来ない。
月の光が遠くなって、カポカポと自分から最後の息が抜けていって、同時に喉から鼻から海水が体を満たしていって、そうして、そうして、そうして、そうして……
ブックマークありがとうございます。
そして申し訳ありません、もう『改造者VS悪意の改良者5』の分まで書き終わりました。暫しお付き合い頂ければと思います。




