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俺にブサイクと言われたら学年一位の美少女がなぜか懐いてきた  作者: 雪方ハヤ
第一章 学年一位の子のこと

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第四十五話 変態vs変態?

「あなたは……」


 玉緒さんは目を大きく開いて、体が凍る。


 最上さんの母……最上明里!! なんでこんな深夜に、それに目から寒気を感じる。


「咲良の母よ! このクソ猫がうちの咲良を殺そうとしてたの!?」


「最上さんは……」


 こ、こわい。明里さんの覇気が玉緒さんを圧倒している。さっきまで人を殺そうとしていた人が、これほど驚いているなんて。


 初めて最上家に入ったときのように、俺も息が自動的にできない。


「このクソ猫! うちの婿にも手を出そうとしていたな?」


 む、婿?? 俺のことなのか? なんで結婚前提なんだよ。


「母さん! 玉緒さんのことは、許してあげようよ」


「……?」


 明里さんは首を曲げて、目を小さく開いて最上さんのほうに視界を寄せる。


「玉緒さんは私を殺そうとしてたけど……最後は全部諦めてたの、自首しようとする人だから……」


「咲良! こんな人殺しを放っておくってことか? なんと言っても、命に関わるものよ」


「そうなんだけど…………」


 狂った犯罪者――玉緒さんはただ黙々と涙を拭いている。


 玉緒さんは……なにがしたかったんだろう。


「明里さん……彼女がやったことは年齢関係なく制裁を受けるべきなのはわかりますが……今回は見なかったことにしませんか?」


 玉緒さんと、明里さんは異口同音に「え?」と声が漏れた。


「もし玉緒さんがまたなにか犯したら、全部俺の責任にしても大丈夫です! 彼女もそれくらいの覚悟をこれまで持ってきたので」


「…………わかったわ。咲良を殺さなかった分、考えてあげる。ただ、もうこれ以上、咲良と関わらないでちょうだい」


 俺は一歩、二歩と玉緒さんに駆けつけて、彼女の涙を手で拭く。びしょびしょだ……もう、泣かないでほしい。


「玉緒さん、これからも、成績勝負しましょ? 君以外に俺とやれる人はいないしさ」


 ――一方、『最上萌』の視点――


 ぼんやりとした意識が集まって……重たいまぶたを開ける。


「おはようございます、萌さん」


 視界に入ったのは見慣れない部屋の天井に、ある男の顔だ。


「金沢?? へんたーい!!」


「叫んでも誰にも届きませんよ」


 ベッドから立ち上がると、周りはただの少年の部屋だ。牢獄ではない。清潔感があり、居心地いい気がする。


「ここは僕の部屋です。しばらく出させませんよ」


「私のか、ら、だを狙った男は、千里兄ちゃんだけじゃなかったのか!」


「違います」


 まあ、金沢も頭がいいなあ。さすがに人を眠らせることはできても、私を殺すとなると手が出ないんでしょう。


 でも今の金沢……なにも私を敵として見ている目じゃない……ちょっと優しめで、私の顔色を見ている?


「萌さん……お腹、空きました?」


「なに?」


 いきなり……怖いんだけど!


「今、深夜三時くらいなんですけど、コンビニで買ったおにぎり持ってきますよ……食べたいものあれば……今から僕が外に出て買いますんで」


 怖い、怖い。なんで敵である私にご飯を?? でも金沢はめっちゃ真剣な目でじっと見てくるんだけど。


「明太子おにぎりがいい。あと……マーラータン食べたい」


 どうだ! 用意するのにめんどくさそうなものを頼めば、再び私に殺気を向いてくれるのかな。


「わかりました」


「なんでー!?」

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