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5 - 2

 眠い。昨日は、遠足前の小学生か、と思うような時間に寝た。にもかかわらず眠い。そりゃしかたない、早寝したところで……


「いくらなんでも四時集合はキツイっすわー」


 カンタが誰に言うでもなく間延びした声を溢し、けらけら、と喉を鳴らす。それに厭味を言うようにミチヒサが、


「しかもそれから二十分、ようやくね、揃ったということで」

「やーごめんごめん、撮影が長引いてね」

「お、カンタさんドラマの宣伝ですか」

「しーっ、他局だから」

「と、言うわけで始まりましたH@Sの地図塗りつぶしの旅、今日は……ってなんで俺が仕切ってんだよ」

「え、キョウスケやってくんないの」

「やんねえよ、ほら、ちゃんとスグルやって」

「はい、というわけでH@S地図塗りつぶしの旅、今回は西は北海道にやってきましたー」

「なんでそこでボケんだよ、ちゃんとして」

「そう、スベってるから。スグルがハメ外そうとするとすぐスベる」

「……んん、はい、ということでね、西は奈良県にやって参りましたー」

「イエー」

「パチパチパチパチパチー」

「いや、なかったことにはなんないからね。みんなスグルを甘やかさないで」

「イエー」


 早朝の住宅街でカメラの前、静かに騒いでいる滑稽な男たちの姿を、スーツ姿の男やスポーツウェアを着た女がチラチラとこちらを見てくる。そりゃ少しは珍しいだろうが、テレビの撮影がされるのは希少なことではないのだろう、物珍しそうな顔をしつつも、またか、という感情も見えて興味がなさそうだ。


「なんとね、ここには、行列のできる――」


 スグルが一通り説明したあと、じゃんけんでグーかパーを出して2組に分かれ、スタッフからしっかりした紙でできたフリップを渡された。そこには目的地までの道順が文章で書かれていた。順序通りに行けば途中の場所で待っているゲストを捕まえてからゴールをするという仕組みだ。しかも、その道順は各組ごとに違うので、つまりは違う道を通りつつどちらが先にゴールできるか、という企画だ。


「えーなにこれ、また難しいやん……」

「なんだよカンタ、ドラマで関西弁使ってるから抜けないのか?」

「大阪出身のスグルの関西弁警察が発動するぞー」


 フフッ、とADが小さく笑うので「おーい、美隅なー」と実名を出してミチヒサが揶揄った。


「店や公園とかをね、目印として。ほらほら、行った行った」

「スグルさんはまた向こうで待機っすか、うっすうっす」


 まるで先輩に媚びを売るようにミチヒサがぺこぺこと肩で頭を下げる。ちなみに、スグルとミチヒサは同い年の二十六歳で、同時期に入ったので、先輩も後輩もない。

 そして、欠伸を噛んだ俺たちは大通りに出て、二手に分かれた。

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