↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/58

時間と空間の距離は等価らしい(フレーム描写の具体例)

いよいよトーナメント戦の設計図を展開しました。

そこに、フレーム描写が入っています。

以前、『時間と空間の距離は等価らしい(アインシュタインさんに聞いたんです)』でも、こうしたら面白いよね、と書かせてもらったものを実際にやってみたということになります。


実際のフレーム描写


◆ 9合目:体勢崩壊からの雷撃


押し合う中で、じりッとミナトの肩が競り負けたように落ちる。


――その瞬間。

はるなはミナトの動きを引き延ばされた時間で見ていた。


フレーム1

 踏み込んだ足の“内側”へ、ミナトの体が滑り込む。

 視界の端で、二人の影が形を変える。


フレーム2

 重心が内側へ引かれて“回され”、

 膝がわずかに浮く。

 腰から重力が消え、体勢が崩れる。


フレーム3

 ミナトの背中が胸元に触れ、

 ミナトの銀の髪が鼻先をかすめる。

 浮いた膝を踏みしめようとする。


フレーム4

 背中と胸の隙間から、青白い光が走る。

 雷の音が、耳の奥で爆ぜる。

 遅れたと感じる。


「――雷撃」


フレーム5

 遠くで声が聞こえ、視界が白く消える。

 全身が意志と関係なく中から引きつられる

 細剣を持たない手が握りこまれる。


フレーム6

 呼吸が一瞬止まり、

 視界が白く弾け、重力が消える。

 衝撃と共に顔に砂が付き、目に地面が映っていた。


はるなは、そのままゆっくりと倒れ込んだ。



ですね、いや書いた自分で言うのもなんですが、痺れる。映画の「バレットタイム(Bullet Time)」が好きだったので、 「これ、小説でもできないかな?」 と思った結果がこのフレーム描写です。


もし、フレームを入れなければこうなります。これもこれでスピード感があっていいのですが、

やっぱり、バレットタイムに憧れます!!



フレームなしの場合


◆ 9合目:体勢崩壊からの雷撃


押し合う中で、じりッとミナトの肩が競り負けたように落ちる。

その瞬間、ミナトははるなの踏み込みの内側へ滑り込んだ。

重心が内側へ流される。


しまった――そう思った時には遅かった。


体を回され、膝が浮く。


崩れた体勢を立て直そうとしたはるなの胸元で、青白い光が弾けた。


「――雷撃」


凄まじい衝撃が全身を貫いて、筋肉が勝手に収縮し、呼吸が止まる。

視界が白く染まり、次の瞬間には地面が目の前にあった。


倒されていた。



最後に……キスシーンでも使ってみました。どこで出すかは、内緒




沈黙ののち、相手が近づいてくるのが分かるその瞬間、時間は引き延ばされて行く


フレーム1

 〇〇〇の瞳に自分の瞳が見える。

フレーム2

 〇〇〇の顔が横にずれ頬が近づく

フレーム3

 背中がそり、唇に何かが触れ、〇〇〇の肩越しに道が見える。

フレーム4

 背中に〇〇〇の手を通じた熱を感じ、同時に唇からも熱を感じる。

フレーム5

 目の周りと耳の奥が熱くなる。

 胸が締まり息が止まる。

フレーム6

 唇の感覚が視界を覆い、暗くなり手に力がこもる。

フレーム7

 胸が押され熱を感じ、心音が耳の奥に響く

 絡まる感触だけが残される。



戦闘に使うつもりで考えた技法なのに、試してみると感情の大きく動く場面とも相性が良いようです。

……最初に思いついたのがキスシーンだったあたり、私はやっぱり変態作家なのかもしれません。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。