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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十七章 "七帝魔導士"との出会い

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第1289話 私と、やろうよ



 さて、午後の授業の始まりだ。

 そしてこの授業内容は、身体を動かす実戦形式。私にとって、めちゃくちゃ嬉しいものだった。


 まさに、願ってもないとはこのことだろう。お腹いっぱいの状態で、魔力もたっぷりだしね!


「うぅーーーやったぁああああ!」


「エランちゃん、とっても嬉しそうね」


「そりゃあもう!」


 やっぱり、私は身体を動かすのが性に合っている。もちろん、座学で知識をため込むのも必要なことだけどね。

 なので、こうしてテンションが上がってしまう。指摘されてちょっと恥ずかしいけど。


 そんなわけで、私たちは訓練場に移動していた。ちなみに、アルテミィミスさんとやり合ったのとは別の施設だ。

 この学園には訓練場いっぱいあるからね、良いよね。


 さあてさてさて。なにをやるかは各々の自由……とはいえ、私がやりたいのは対人戦だ。誰とやろっかなぁ。


「ママ!」


「フィルちゃん?」


 そんな時、白髪の子供が私に話しかけてきた。にっこりと笑い、手を上げる彼女はなにかを訴えんばかりの勢いだ。

 私は落ち着くように言い、フィルちゃんの言葉を待つ。


「ママ! 私と、やろうよ!」


「え」


 それは、思いもしない言葉だった。

 私とやろう……と。それはつまり、私と戦いたいってことか?


 思い返してみれば、これまでクラスメイトと手合わせしたことは多いけど、フィルちゃんとは……なかったかもしれない。

 それは、私は無意識に避けていたのかもしれないな。


「えへへへ……」


 なんせ、私よりも小さな女の子だ。人を見た目で判断するわけじゃないけど、彼女は正真正銘の子供だし。


 ……でも、自分の名前以外なにもわからないフィルちゃんがこの魔導学園に入ることができたのは、ひとえに魔導の才能があったからだ。

 それは、今日まで彼女を見てきた私も実感している。


 それに……他学年試合では、私も驚きの活躍をしてくれたものだ。


「いいよ、やろう」


 そんな彼女だからこそ、私も学べることがあるかもしれない。そう思った。

 相手が誰であろうと、学べるものはある。プラスになることはあっても、マイナスになることはないのだ。


 私の返事に、フィルちゃんは嬉しそうに飛び跳ねていた。


「やったぁ! ママと戦い、ママと戦い!」


 とても微笑ましい笑顔を浮かべながら物騒なことを言うフィルちゃんは、私から距離を取る。

 そして、お互いにある程度の距離をとったところで、向き合った。


「さ、どこからでもかかっておいで」


 フィルちゃんも、いっぱしの魔導士ならば。私が胸を貸してあげるくらいの気概でいかないと。

 魔導の杖を抜き、構える。それはフィルちゃんも同様だ。


 そして、彼女の足元に魔法陣が浮かんだ。


「出ておいで、もふもふ!」


 青白く光る魔法陣から出てくるのは、黒い毛並みを持ったモンスター。

 まるで大きな毛玉のように見えるそれは、赤く光る目をしている。その特徴はまさしく魔物だ。


 そう、フィルちゃんの使い魔は魔物なのだ。魔物が使い魔になるなんて、前例のないことだ。誰も試そうとしなかったのか、それとも出来なかったのかはわからない。

 でも、フィルちゃんはやったのだ。


 そんな彼に付けた名前が、『もふもふ』という……名は体を表すと言うか、まんまな名前だった。

 ま、フィルちゃんのネーミングセンスがどうかは置いておいて……


「行くよもふもふ!」


「ばう!」


 うさぎのように見える魔物だけど、鳴き声は勇ましい。

 フィルちゃんはその場から走り出し、もふもふもまた駆け出す。二人一緒に向かってくる。


 数で上回っても、一直線に向かってくると言うのなら……


「えい!」


「!」


 しかし、フィルちゃんともふもふは途中から二手に分かれた。

 狙いが定まらなくなったけど、こういうのはどっちを狙うべきか。もちろんその場の状況によって変わるけど……


「そっち!」


 私は、フィルちゃんへと魔力弾を放つ。

 複数のそれを、フィルちゃんは軽い動きでかわしていく。身体強化の魔法を使っているみたいだ、やっぱりこの程度じゃ足止めにもならないな。


 それに……


「ぐぅるるる!」


 狂暴に吠えるもふもふが、鋭い牙を見せて迫ってくる。結構素早いんだよな。

 私も身体強化の魔法で、対抗する。その牙を腕で受け止め、反対の腕で反撃。


 それを避けたもふもふは着地し、かと思えばジャンプ。私に体当たりをしてくる。


「ぐっ……」


 なかなか重たい攻撃だ。毛玉のように見えるのに、しっかり威力がある。

 やっぱり魔物か。フィルちゃんの使い魔になっていても、その力はちゃんとそのままだ。


 けど、こんなものじゃ……


「たぁー!」


「へ」


 一瞬、確かにもふもふに気を取られていた。でも、いつの間にフィルちゃんが目の前に移動していた?

 飛びかかり、蹴りを放ってくる。顔をそらすことでなんとか避ける……ふ、フィルちゃんの脚がもう少し長かったら危なかった。


 それから、二人による乱打が始まる。もはやただの子供とは思えないくらいに、フィルちゃんの動きは洗練されている。

 なにより……


「りゃあああああ!」


「ばぉおおおおお!」


 術者と使い魔の、コンビネーション。お互いに届かないところを起きない合っている、とでも言えばいいのだろうか。

 それだけじゃない……


「一気にいっちゃうよ、もふもふ!」


「ばう!」


 フィルちゃんの蹴りともふもふの体当たりが、私を吹き飛ばす。

 あまり吹っ飛ばないうちに着地するけど……二人はすでに、次の行動に移っていた。


 それは、私が他学年試合でも見た魔導……いや、魔導とはまた別の力。


「じゃーん!」


 そこにいたのは……頭から黒い犬耳を、腰からは黒い尻尾を生やしているフィルちゃんだった。

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