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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十七章 "七帝魔導士"との出会い

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第1285話 ちょっとややこしすぎるんで



 まるで血の涙でも流しかねない勢いのノマちゃんだったけど、その後はアルテミィミスさんのおかげで話題がそれ……少ししてから、ノマちゃんは教室に戻っていった。

 今は授業中で、お手洗いのために抜け出してきたのだ。いつまでもここにいるわけにはいかない。


 とはいえ本人も葛藤していて、「おサボりはいけないこと……でもビビアン様ともっと……」なんて感じだった。

 ま、結局はアルテミィミスさんとこれ以上話していたら心臓が持たない、って理由で教室に戻っていったんだけど。


「それにしても、愉快な子じゃったのぅ。おもしれー女の子じゃ」


 ノマちゃんが去り、アルテミィミスさんはそう言って笑っていた。

 彼女がそう言っていたことを、あとでノマちゃんに教えてあげよう。きっと喜ぶぞ。多分。


 ……それよりも……だ。


「アルテミィミスさん、ちょっと」


「およ、なんじゃい」


 私はアルテミィミスさんを連れ、シルフィ先輩、サテラン先生から少し離れる。

 二人には聞かれたくない話だからだ。だから、距離をとったうえで私は耳打ちをする。


「あの、ノマちゃんのことなんですけど……」


「……やはりお主(んし)は、なにか知っておるようじゃのぅ」


 アルテミィミスさんは片目を閉じ、意味深に笑う。

 私がなにかを知っていると、勘づいていたのか。そりゃそうか、多分私の反応だけ変だっただろうし。


 なら、話は早い。


「他の人には、ノマちゃんのことを内緒にしておいてほしいんです」


「……それは構わんが……そうするだけの理由がある、と捉えてもいいのじゃな?」


 その言葉に、私は小さくうなずく。だけど、ノマちゃんのことを私が勝手に話すわけにもいかない。相手が憧れの人なら、なおさらだ。


 ノマちゃんは、以前国中を騒がせた"魔死事件"の被害者。体内に魔石を押し込まれ、身体の中で自分の魔力と魔石の魔力が暴走して……最終的に、身体の内側から爆発する。

 それによる死者が、どれだけの数いたことか。


 今でこそ事件は収まった。そして、ノマちゃんは唯一の生還者だ。

 調べてもらった結果、体内では魔力が混ざり合っているけどうまくバランスを保っている……とかなんとか。


 その影響かわからないけど、ノマちゃんの魔力は爆発的に上昇した。それに、いろんなことができるようになった。ものの弱所を見抜く、なんてこととか。

 そんな彼女のことを"魔人"なんて呼ぶ人もいて……


「ちょっとややこしすぎるんで、私からは説明できないんですけど……」


「ふむ……まあ、ええよ。私にはそれを追求する必要性もないからの。困っとるわけではないんじゃろ?」


「今のところは」


 定期的に検診に行っているし、その診察医的なマーチさんの話では、魔力が混ざり合っていること以外は異常がないらしい。

 とはいえ、例のないことだ。慎重に観察しておかなければ。


 私も、同室である分ノマちゃんの観察は怠らない。


「おい、なにを話していたんだ」


「まさかまた失礼なことを……」


「私信用なさすぎじゃない!?」


 その後、二人のところに戻り案内を再会。

 特に問題が起きることもなく、時間は過ぎていった。時折アルテミィミスさんが懐かしそうに見学していたのが、子供のような姿も相まって微笑ましかった。


 そして、ある程度が終わり生徒会室へ。先生は用事があるということで、去っていった。


「ここでなら、フィールドも変なことはしないだろう」


 それだけを言い残して。


「アルテミィミス様、どうぞ」


「すまんのぅ」


 シルフィ先輩は、進んでアルテミィミスさんをソファーへと座らせる。

 よっこいしょ、と言葉を漏らして座ると、柔らかなソファーが沈む。


「おぉー、柔らかいのー。いい素材を使っとるな」


 まんざらでもなく喜び、上体を揺らしている。

 こうして見ると、マジで子供だよなぁ。


 室内を見ていたアルテミィミスさんは、ふと「あ」と声を漏らした。


「そうじゃ、思い出した。そういえばエラン・フィールド学生は、ダンジョンに潜ったんじゃろ? そこで、異変が起こったと聞いたんじゃが」


 話題に出たのは、ダンジョンのことだ。急な話だな。


「はい、そうです」


「そうか……いやあ、会ったら聞こうと思っとったんじゃよ」


「私に?」


「うむ。ダンジョンに潜った身としては、先んじて潜ったお主に直接話を聞いておきたくてな」


 ……ん? ダンジョンに潜った?


 あの後ギルドは、調査のために潜ってみると言っていたけど……もしかして、アルテミィミスさんがダンジョンに潜ったってことか。

 まさか"七帝(しちてい)魔導士"自ら、ダンジョンに潜ったなんて。なんか、すごいことだな。


「で、結論から言うと……なにもなかった」


「なにも……」


「うむ。報告にあったような異変は、なにも……な」


 この場で、わざわざ嘘は言わないだろう。ってことは……本当に、なにも起こっていないってこと?

 けれど、油断はできない。


「無論、一度しか潜っていない私の意見など、一つの目安にしかならんが……今後も、時間があれば潜ってみるつもりじゃよ」


 ダンジョンの異変……それがどのように起こっているのか。ちゃんと調べて原因をはっきりさせてほしいね。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

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