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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十七章 "七帝魔導士"との出会い

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第1280話 自分に足りないもの



 "七帝(しちてい)魔導士"ビビアン・アルテミィミスさんに、私の力を見せることになった。その言葉に甘えて、私は全力で挑んだんだけど……

 途中予期せぬ事態で終わってしまったとはいえ、私はまだまだだってことがわかった。


 私はクロガネを魔法陣の中に戻す。それを確認して、アルテミィミスさんはパチンと指を鳴らした。

 すると、辺り一面草原だった景色が一瞬で変わり……


「……戻った」


 訓練場へと戻ったのだ。魔導を極めていくと、こんなことまでできるようになるのか。

 そのすごさを実感しつつ、別空間を自在に操る彼女を見つめた。


 子供の姿になってしまった、アルテミィミスさんの姿を。


「いやぁ、しっかし、久しぶりにいい運動をしたのぉ」


 両手を伸ばし、うんと背筋を伸ばす彼女は、やはりどこからどう見ても子供だ。

 外見の特徴は一致するとはいえ、とても先ほどまで戦っていた人物と同じとは思えない。


 魔力が切れて、子供の姿になったって言ってたけど……


「つまり、子供の姿がアルテミィミスさんの本来の姿……ってこと?」


 魔法で、肉体年齢を変えている。そして魔力を消費したから、子供の姿になった。

 普通に考えれば、そういうことなんだろうけど……


 アルテミィミスさんは、くくくっと笑っていた。なんかその格好と姿でその笑い方されると、妙な気分だ。


「さて、どうかのぉ。乙女に年齢を聞くのは、無粋というものじゃ」


 人差し指を立て、口元に持っていく。おまけにウインクつきで、秘密だと訴えている。

 まあ、私としても無理に聞き出すつもりはないけども。


 それにしても……


「しゃべり方、さっきまでと違うね」


 肉体年齢が変わったからといって、精神年齢まで変わるとは思えない。なら、意図的にしゃべり方を変えているのだろうか。

 アルテミィミスさんは片目を閉じたまま、「ふむ」とうなずく。


「肉体に合ったしゃべり方をした方が、自然であろう。それだけの話じゃ」


 ……そのロリ容姿でおばあちゃんみたいな口調は、果たして自然なのだろうか。

 てことは、成人姿のアレは作ったしゃべり方……こっちが素なのか……


「しゃべり方から年齢を探ろうとしても、無駄じゃよ」


 私の考えていたことを言い当てるかのように、アルテミィミスさんはチッチッチ、と指を振っていた。

 なんか私、考えていることを言い当てられすぎな気がする。私、わかりやすいのだろうか。


 ……そういえば、ノマちゃんが子供の頃に助けてくれたのがアルテミィミスさんだ、って言ってたな。

 ってことは、時系列的に本当は子供だったって線はなさそうだ。


「それはそれとして、どうじゃった。感想は」


 訓練場を出て、アルテミィミスさんは言う。私に言うってことは、さっきのことを指しているのだろうな。

 どう、と言われても反応に困るんだけど……


「私、まだまだだなって」


 感じたのは、正直に話そう。実際、自分の力不足を痛感した。

 今回は私の力を見るってだけの話だったけど、もし本当に決闘や試合だったら……すぐに負けてしまっていたかもしれない。


 これまでは、学園の中で主に活動してきた。けどこうして、学園の外の人と会って、力を試して。それで見えてくることもある。


「うん、そうかそうか。お主(んし)はその年にしては、頭一つ……いや二つ三つは飛び出ていると思うがのぉ。いやもう十くらい?」


「それは言い過ぎでしょ」


 褒めてくれるのは、嬉しい。お世辞とかでもないんだろう。

 今回私が手も足も出なかったのは、力不足もあるけど……経験値の差だろうな。


 以前ゴルさんに指摘された、対人戦の経験の少なさ。この学園で学んできて、それなりに経験を積んできたと思っていた。

 でも、そもそも生きてきた年数が違う相手との経験値を埋めようと思ったら、まだ足りないってことだ。


「自分になにが足りないか……それは、わざわざ言うまでもないようじゃの」


「うん」


 こうして力をぶつけて、わかった。これからなにをするべきなのか。

 まだ一年しかこの学園で学んでない。そんなのは、ただの言い訳だ。私のこれまでの経験を賭けて、勝てなかったんだから。


 名前だけ聞いて、なんとなくすごい人なんだと思っていた。でも、こうして接して、そのすごさがよくわかった。

 こんなすごい人が、あと六人……しかもそれよりすごいのが、四人もいる。それら全てを差し置いて、頂点に立っているのが師匠。


 改めて、私の師匠はすごい。そして、師匠を超えるって目標も……ここで折れちゃうようじゃ、だめだよね。


「ふふ、いい顔つきじゃの。得たものでもあったか」


「はいっ、ありがとうございました」


「ほほっ、若者の力になれたならなによりじゃ」


 クスクス、とアルテミィミスさんは笑っている。やっぱりただの子供みたいだ。

 でも、その中身はとんでもない人。見た目で判断しちゃいけないとは、このことだな。


 どこか清々しい気分でいたけど、シルフィ先輩とサテラン先生が固まって私を見ていた。


「どうしたの?」


「あ、あのフィールドが……」


「敬語を使った……」


「使いますけど!?」


 なんだよ、その驚き方! それじゃあまるで私が、普段から敬語も使わない礼儀知らずみたいじゃないか! 失礼しちゃうよ!

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

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