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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1027話 小さなエルフっ子っていいよね



 さて、生徒会室を後にした私とマヒルちゃんは、人通りの少ない廊下を歩く。

 普段は生徒であふれているけど、そういう日ばかりではない。今日がまさにそうだね。


「私たちで、心当たりに声をかける……かぁ」


 真面目なマヒルちゃんは、先ほどシルフィ先輩に言われたことを考えているみたいだ。

 この世界に召喚されたばかりの頃は、もちろん知り合いなんて居ない。兄であるヨルと一緒に居ることが多かった。


 けれど、私やヨル、同じクラスのルリーちゃんを介していろんな子と話していって。友好を広めてきたのだ。

 まあ、マヒルちゃんはあまり男子と話しているところは見ないし、そもそもヨルがあまり男子を近づけようとしていないけど。


「ま、あんまり深く考えることはないよ。軽い感じで声かけていこ」


「エランちゃん、そんなにドンと構えててなんだかすごい」


 ふふん、すごいなんて言われちゃった。


 とはいえ、考え過ぎてもよくないのは確かだ。

 生徒会のメンバーはすでに三人。リーメイが候補の一人だとして、シルフィ先輩は何人か期待の新入生に目をかけているらしい。


 少数精鋭で構成を考えているなら、逆に人数が増えすぎても……って話だ。

 まあ、単純に優秀な大人数もそれはそれでいいんだろうけどね。


「こういうのは、考えすぎるとドツボにハマっちゃうんだよ。それに、肩の力を適度に抜かないと」


「……そうだね」


 マヒルちゃんは、こくりとうなずいた。


 それから二人で校舎を出て、女子寮へ向かって歩いていると……


「あ、あの!」


 ふと、後ろから誰かに話しかけられた。

 振り向くとそこには、目元が隠れているほどに前髪を伸ばしている女の子がいた。


 ……髪の色は、金色。そして、髪に隠れず見えるのは尖った耳。

 白い肌。特徴的な瞳こそ見えないけど、この特徴を備えているのは……


「……エルフ?」


 マヒルちゃんが、口にする。

 そう、エルフだ。エルフ族の少女……ただ、この子は見たことがない。少なくとも、同級生じゃあないはずだ。


 ならば、上級生? いや、ならば私が知らないのはおかしい。

 だってこの学園には、いや国には……魔導大国でありながら、エルフ族は一人もいなかったのだから。


 少し前に、ウーラスト・ジル・フィールドという教師……いや教育実習生か。が学園に赴任してきた。そして同級生に、ラッヘが転入してきた。

 でも、それだけだ。ということは……


「一年生?」


「! は、はいっ」


 こくこく、と激しく首を動かしている。首が取れてしまわないか心配だ。

 まあ、いちいち考えなくてもスカーフの色見れば一発なんだけどね。


 制服のスカーフの色で、その生徒が何年生かわかる。

 去年は、一年生は赤色。二年生は黄色。三年生は青色だった。そして、スカーフの色は学年が変わる度に変わるのではなく、三年間一緒だ。

 そのため、三年生が卒業したので自動的に次の新入生が青色になる。


「あのっ……エラン・フィールドさんですよね!」


 その子は、距離を詰めて私を見上げた。

 私は女子の中で小柄な方……だとは思うだけど、その私を見上げるってことはさらに小さい。


 小さなエルフっ子か……これまでいなかったジャンルだ。いいね。


「うん、そうだよ」


「やっぱり!」


 そうです私がエラン・フィールドです。答えるとエルフっ子は、まるで感激だと言わんばかりに口元を押さえていた。

 そして、嬉しいのを表現してかその場で飛び上がる。あぁ〜、エルフっ子がぴょんぴょんするんじゃあ〜。


 ……っと、このまま見つめているのも一興だけど、そういうわけにもいかないね。


「それで、私になにか用かな?」


 私はなるべく怖がらせないように、その子に笑いかける。

 私自身怖いなんて思っていないんだけど、クレアちゃん曰く「エランちゃんは怖い」とのこと。


 これまでの評判が尾ひれ付きで出回っている以上、どんな評価を持たれているかわからないのだ。

 わかりやすいのが、入学早々"魔導学園の狂犬"なんて呼ばれたりもした。こんなかわいい女の子を捕まえて、失礼しちゃうよ。


「は、はい。私、魔導が上手くなりたくて……フィールド先輩に、魔導を教えてほしいんです!」


 その子は、キラキラした目で……まあ目は隠れてて見えないんだけど……とにかくそう思わせる勢いと声色で、そう言った。


 フィールド先輩、いい響きだ……という気持ちは一旦置いておいて。

 私に魔導を学びたい……それは、私にとっても光栄なことではあるけど。


「ここ学園だし……私より教えるのが上手な人は、たくさんいると思うよ?」


 そう。ここをどこだと思っている、魔導学園だ。魔導大国として名高いベルザ国の中でも、一番魔導に力を入れた学園だ。

 そこなら、魔導を教えることに長けた教師もたくさんいる。


 ぶっちゃけ、私は師匠や先生に教えられるばかりで、教える側がうまいは思っていない。

 ダルマスの訓練に付き合う、みたいなことはあったけど、あくまでも訓練。教えたわけじゃない。


「……私、エルフだけど魔導の扱いがうまくなくて。先生も、エルフへの指導は経験がないらしくて」


 ……なるほどねぇ。エルフ族はこの国に居なかったほどに希少だ。この国に居れば接する機会なんてないだろう。

 加えて、エルフ族は魔力との相性がいいので魔導に長けている……と師匠が言っていた。そんな相手にどう指導すればいいのか。


 普通の人間の生徒を指導するのと、エルフ相手じゃやり方が違うってことか。


「私、聞いていたんです。黒髪黒目のエラン・フィールドという凄腕の先輩が、同族と仲良くしているのだと」


 その同族、ってのはラッへのことか。彼女もエルフで、ひょんなことから仲良くなった。

 エルフ族が少なく、だからこそ仲良くしている私に白羽の矢が立ったと。


「それに……その同族のエルフとフィールド先輩は、とてもよく似たお顔だということで。もしかしてエルフ族に連なる方なのかなと」


 ……あと、とある理由から私とラッへの顔がそっくりであることも、彼女の目にかかった一つらしい。

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