↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十七章 "七帝魔導士"との出会い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/89

第1278話 自分の出せる力



「ゴォッ、ォオ……!」


 自分の攻撃を、受け止める。そんな機会、なかなかないだろう。クロガネならなおさらだ。

 クロガネの竜魔息(ブレス)は強力だ。魔術に匹敵するそれは、並のモンスターなら相手にはならない。


 それを防がれるどころか、跳ね返されるなんて。そんな経験、果たしてクロガネの人生……いや竜生の中で、あったかどうか。


「グォ……ッドォオオォオ!」


 それは一瞬の出来事だったかもしれない。でも、私にとってはとても長く感じた。

 クロガネは勇ましい声を上げ、受け止めていた力を……上に流した。


 まるでそれをぶん投げるように、上空へ。跳ね返ってきた竜魔息は、今度は天へと流されていった。


『ハァ、ハァ……』


「クロガネ、大丈夫!?」


『問題は、ない……』


「おぉ、すごいね。あれを流すとは。さすがに自分の攻撃だからか。

 ……けど、無傷とはいかなかったみたいだね」


 上空を見るアルテミィミスさんは、ひゅうと口笛を吹いていた。

 しかし、続く言葉は……どこか、不穏めいていて。


 私も、確認する。竜魔息を受け止めていたクロガネの手は、その周辺に傷が残っていた。


「その黒い鱗は、並大抵の攻撃じゃ傷つかない。ただかっこいいだけじゃないね。

 でも、自分の攻撃ともなるといくらか食らってしまうみたいね」


 ……もしかしてさっき、クロガネの足元を見たりスリスリしていたのは、鱗の強度を確かめるためだったのだろうか。そんな伏線回収あり?


 それにしても、あの使い魔の蜘蛛……まさかクロガネの攻撃を防ぐどころか、跳ね返してくるなんて。小さいからって舐めてたわけじゃないけど……

 正直、これまで見てきたどのモンスターよりも厄介だ。力押しではどうにもできない相手、みたいな感じだ。


「エラン・フィールド学生」


「!」


 すると、アルテミィミスさんが話しかけてきた。肉弾戦を仕掛けていた方の私にだ。

 その口調は柔らかで、穏やかな目をしていた。


「キミの力、もっと見せてほしい。まさか、この程度ではないだろう?」


「!」


 ……これは、小手先の攻撃なんかいらない。私自身の力を、見せろって言ってるのか。

 そうか、そうだよね……ただ純粋に、今自分の出せる力を出せばいいんだよね。


 私は、アルテミィミスさんから距離を取る。私とクロガネが居るのと、逆方向に。

 分身した二人の私で、アルテミィミスさんを挟む形になる。そして、杖を構えて……息を整えた。


「爆炎で焼き尽くす豪火よ、天地をも焼焦(やけこが)す死火(しか)と成りて、すべてを灰燼(かいじん)と帰せ!」

「命の源よ、清らかなる水よ、天恵より与えられし大いなる水よ、其れは全てを呑み込みし千波(せんぱ)となり、母なる海へと景色を変えろ!」


 それぞれが、魔術詠唱を行う。その間、アルテミィミスさんはやはり妨害する様子はない。


 分身魔法により二人に分かれた私の力は、本来の二分の一になっている。そのため、放つ魔法の威力ももちろん半分だ。

 だけど、魔術は別だ。自分の魔力を使う魔法とは違い、大気中の魔力を使うのが魔術だからだ。大気中の魔力なのだから、自分の力が減少していようが関係ない。


「これが噂の、二重詠唱か」


 どこでどんな噂を聞いているのかはわからないけど。あまり驚いた様子はない。

 それとも、それを表に出していないだけだろうか。


 ……どっちでもいい。知ってようが知ってまいが、私は全力を尽くす!

 詠唱が完了し、高ぶった魔力を練り上げ……準備は、できた!


「紅炎爆発(プロミネンスブラスト)!!!」

「大海水魔(アクアマリンシービル)!!!」


 放つのは、炎の魔術。そして、水の魔術。ゴルさんとの決闘でも使ったのと、同じものだ。

 強力な炎が、水が、それぞれの杖から放たれる。


「普通、キミくらいの年なら魔術を一つ撃てればいい方……なのに、二つ。それも分身魔法と併用しての二重魔術なんて」


 感心したように、あるいは楽しそうにアルテミィミスさんは言った。

 余裕を見せてるけど、でもどうする。攻撃はしないと言っていた……いや、するとしても自分を挟むように放たれた魔術を防ぐ術なんて。


 それに、さっきのクロガネの攻撃が魔術相当だとして……今回は、魔術二発だ! また蜘蛛の糸の盾で防ぐにしたって、さすがに二発分の威力は防げないだろう!

 その前に、一方向だけ防いだって意味がない。


「すごいものを見せてくれるね。なら、私も……スティ」


 アルテミィミスさんはその場で杖を掲げる。まっすぐと、天に向かって。

 ただ、それだけではない。魔導の杖に、白い……蜘蛛の糸が、巻きついていく。先端部分を覆うように。


 そして、まるで噴水のように糸が打ち上がり……それはやはり噴水のように、地面へと落ちていく。

 そのままアルテミィミスさんを囲うように。ドーム状の……盾だろうか。


 なるほどあれなら、一方向だけでなく全方向からの攻撃を防ぐことができる。でも、さすがにあんなもので……!


「!」


 その時、私は気づいた。あの糸に、異様なまでの魔力が練り込まれていることに。

 もしかして、あれ……使い魔のただの糸じゃなくて。使い魔と術者の力を組み合わせたものなんじゃ?


 そう、考えを広げていく間もなく……私の撃った魔術は、二つともが同時に糸の盾に衝突した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。