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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十七章 "七帝魔導士"との出会い

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第1087話 助けてもらった



「名前聞いとけばよかったなぁー」


「なんの話ですの?」


 空が暗くなってきたため、部屋に帰った私は……先ほどの光景を思い出していた。

 出会ったのは、まるで生徒に見えるけど、それは学園の教師だった。初めて見る人だったけど。


 他愛もないことを話して別れたけど、せっかくだし名前を聞いておけばよかったなと……後になって思ったのだ。


「いや、さっき会ったロリバ……教師の、名前を聞かなかったことをちょっと後悔してて」


「教師ですの?」


「うん。すっごくかわいかったんだよ!」


「かわいい……」


 この魔導学園には、教師と言えば大人っぽい人が多い。だから、かわいいというのはピンと来ないのだろう。

 といっても、直接見れば私の言いたいことがわかると思う!


 私はベッドの上に半身を投げ出した。


「あぁー、ふかふかぁ」


「お疲れのようですわね」


 そっと隣に腰を落とすノマちゃんが、優しく頭を撫でてくれる。

 な、なんて包容力があるのだろう……!


「ノマママァ……」


「その言い方やめてくださいません」


 まあノマちゃんの言うように、疲れがない……とは言えない。最近いろいろあったからなぁ。

 こうしてぐっすり眠っても、実は身体の疲れが取れていないなんてよくあることだ。


 とはいえ、私がやりたくてやっていることなんだから! 全然不満なんてない。

 ちなみにフィルちゃんは上のベッドですやすや寝ている。


「そういえば、聞きましたか? あのお話!」


 若干テンションが上がったノマちゃんが言う。うきうきなのかわいいね。


「あの?」


「えぇ! "七帝(しちてい)魔導士"が学園に来る、というお話ですわ! そういう噂を聞きましたの!」


「……」


 それを聞いて、私は口を閉じてしまう。だってそれはまだ、正式発表されていないものだからだ。

 生徒会の中で、私とリーメイがシルフィ先輩から伝えられて……そ、そこから漏れたのか? まさかリーメイが話しちゃった?


 それとも、先生たちが話しているのを誰かが聞いたとか。さすがに先生たちなら知ってるだろうし、それを……


「へ、へぇー、そうなんだー」


 この場合、どう反応するのが正解なのかわからない。なので、知らぬふりをしてみる。

 だって、これはまだ噂の段階だ。そこで、生徒会メンバーである私が肯定してしまえば、それはもうほぼ真実になっちゃう。


 まあおんなじ理由で、リーメイが聞かれたら……あの子素直に答えちゃいそうだけど。


「そうですか。フィールドさん、七帝魔導士についてはご存知で?」


「うん、知ってるよ」


 私はわりと無知で通ってるからな。知らないと思われたんだろう。もしくは知っていても忘れていると思われたか。

 なので、ここは正直に答えておく。


「ノマちゃんは、七帝魔導士に憧れとかあるの?」


「もちのろんですわ! 魔導を扱う者として、目指すべき指標ですもの! むしろ当然というもの!」


 どん、と胸を張り自信満々に答える。大きな胸を張られると、余計に主張されるみたいだ。

 う、羨ましくなんかないよ……


 それにしても、声大きいよ。フィルちゃん起きちゃわないかな。


「指標かぁ」


「そうですわ! フィールドさんがグレイシア様を目標としているように、わたくしも目標となるお方がいますもの!」


 私にとっての師匠……か。ふむ、それならわかりやすいかもしれないな。

 やっぱ、目標となる人が居るとやる気も断然変わるよねぇ。


 ノマちゃんは目をキラキラさせている。なんか、ただの憧れ……ってのとは、ちょっと違う気もする。

 まるで、実際に会ったことがあるかのような……


「ノマちゃん、もしかして目標にしてる人って……直接会ったことがあったりするの?」


 知っているだけの相手、にしては……なんだか、一個人を指しているような気がする。


「まあ、さすがはフィールドさん、鋭いですわね。そうなんですの、わたくし幼い頃、七帝魔導士のお一人と会ったことがありますの」


 ノマちゃんは、どこか誇らしげだ。

 上級魔導士の中でも、選ばれた七人。そのうちの一人と、ノマちゃんは会ったことがあるのだと言う。


 それって結構すごいことなのかな。有名人と会ったことがあるのをすごいと感じるのは、まあわかる。


「幼い日、両親と出かけた先で魔物の群れに襲われて……護衛も倒され、絶体絶命のその時! その方は颯爽と現れ、私たちを救ってくれたんですの!」


 どこか芝居がかった仕草で、ノマちゃんは話す。とはいえ、この話がまったくの作り話というわけではない。

 かなりピンチな過去だけど、そう感じさせないのはノマちゃんの喋り方のおかげだろう。


 自分たちが危ないところを、救ってくれたのか。そりゃ、憧れちゃうよね。


「じゃあその人が、自分は七帝魔導士だって名乗ったの?」


「いえ、私たちを助けて無事を確認した後、倒れた護衛たちを回復してくれて……去ろうとしていたのですが、お名前だけでも教えてほしいとわたくしが迫ったのです」


 なるほど。七帝魔導士っていうくらい有名なら、個人名も広まっているはずだ。自分からわざわざ七帝魔導士だって名乗らなくても、名前を聞けばわかる。

 以降、ノマちゃんはその人に強い憧れを抱いたのだろう。


「あの凛としたお姿……黒い衣装の中に光る彼女の輝き、今でも忘れられませんわ!」


「そうなんだ……その人の名前って?」


 うっとりした様子のノマちゃんに、聞く。

 するとノマちゃんは、待ってましたとばかりに笑う。


「よぉく聞いてくださいませ! その方の名前は、ビビアン・アルテミィミス様ですわ!」

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