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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十七章 "七帝魔導士"との出会い

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第1086話 ロリババア



 最近の放課後は、生徒会の活動か、お茶会か、カリュリアちゃんの訓練か……もちろんそれだけではないけど、大まかにはこんなところかなぁ。

 たまになーんにもなくて、中庭に寝転がってのんびりすることもある。


 それだけではない……


「すみません、私から頼んだことなのに……」


「いいよいいよ、用事があるなら仕方ないもん」


 平謝りするカリュリアちゃんに、気にすることないと手を振る。

 訓練の時間だったけど、カリュリアちゃんはこの後予定があるらしく……いつもより早めに切り上げて、帰っていったのだ。


 そのため、暇になった私はこうして草の上に寝転がっているわけだ。遠くでは、騒がしい声が聞こえる。

 いつもとは違って、校舎から少し離れたところだから……静かな時間を過ごすことができるな。はぁ、こういうのもいいな。


 私は一人が好きというわけじゃない。むしろ、常に誰かと一緒にいるくらいだ。

 でも、たまには……こうして、一人の時間も悪くないよね……


「おやや、先客のようじゃの」


 ふと、声が聞こえた。かわいらしい女の子の声、それもどこか幼く聞こえる。

 誰だろう。なんか、口調は先生みたいな感じだったけど……


 私は起き上がり、声の方を見た。


「おやや、わざわざ起き上がらんでもよかったのに」


「……子供?」


 そこには、生徒と思わしき女の子がいた。小さい。ただ、学生服は着ていない。真っ黒なコートを羽織っている。

 それに、頭には黒のとんがり帽子。"いかにも"って感じの格好だ。


 見た感じ私と同じくらいの年なんだけど、どこか貫禄を感じさせる。

 桃色の髪は短く切り揃えていて、近所の元気な子供って感じの印象ではある。同じく桃色の瞳はキラキラ光っていて、とてもきれいだ。左目に泣きぼくろもある。


 なんか黒ずくめの衣装なのがもったいないなぁ。


「ここ、座ってもいいかの?」


「地面だよ?」


「構わんよ」


 隣に立つ彼女は、座っていいか聞いてくる。

 別に私の私有地ってわけでもないのだし、好きにすればいい。


 ゆっくりと腰を下ろし、彼女は帽子を取った。ピョコン、とアホ毛が立ち上がった。


「ふぅう、いい風じゃのー」


 吹く風が、ふわりと髪をなびかせる。お手入れをしているのか、実にきれいな髪だ。

 ノマちゃんが見たら、とても飛びつきそうでもある。


 それにしてもこの子、何者だろう。生徒……って感じじゃないよな。制服じゃないし、なんか幼い感じなのに貫禄がある矛盾した感じだし。


「あの……あなたは? 教師?」


 なので、聞いてみる。相手が年下だった場合、キミなんて言い方は失礼になっちゃうからね。

 以前、初対面の男の子を年下だと思って接した結果、その人は実は先輩だったことがあった。小人族(ドワーフ)だから、小さく見えたのが原因だ。


 なので、この人が学園の教師で、そういう種族だから幼く見えることもあるかもしれない。

 この学園に一年居るけど、まだ知らない人だってたくさんいる。教師ならなおさらだ。


「んんー……ま、そのようなものじゃ」


 なんかはっきりしないな……あぁ、もしかしてウーラスト先生みたいな、教育実習生とかかな。それなら、教師って言い切れないのもわかるし。

 それなら、知らなくても無理はないと思う。


 ただ、見た目が子供だから……生徒たちから舐められないか心配だ。


「それで、お主(んし)はここでなにをしておるんじゃ?」


 ……すげー訛ってるなぁ。


「んー、ちょっと訓練と言いますか」


「おやや、それは立派じゃのう」


 パチパチパチ、と小さな音が鳴る。彼女が拍手をしているのだ。

 訓練と言っても、私の訓練ではなく他の子の訓練に付き合っていたんだけど……まあいいか。


「そういうあなたは、ここでなにを?」


「わしは、ぶらりと散歩しとったんじゃよ。ちと、この学園を見ておきたくてのー」


 ……ふむ、学園を見ておきたい、と。もしかして、赴任してきたばかりの教師なのかな。

 もしかして、そういう発表があるのかもしれない。もしくはあったのかもしれない。


 もし私が聞いていないだけじゃないのなら、ここで彼女に会ったことは秘密にしておいたほうがいいかな。


「それにしても、学園はええのぅ。若者の血気盛んな声で溢れておる。元気をもらえるわい」


「なに言ってんですか。あなたも充分若いですよ」


 ふへへ、この人が教師なら、今のうちにゴマをすっておこう……なんてね。


「おやや、おべっかが上手だのぅ」


 ……というか、お世辞でもないんだけどね。口調こそお年寄りみたいだけど、見た目は充分に若い。というか幼い。

 これは……あれかな、噂に聞くロリババアってやつだろうか。


 まあ本人に言うことじゃないので、やめておくけど。


「ここでのんびりするのも悪くないが、用事があってのぅ。ここいらで失礼するかの」


 よいしょ、と立ち上がる。パンパンとお尻を払い、彼女は歩き出した。

 案内しようかとも思ったけど、その足取りに迷いは見られない。


 なんとなく、声をかけるのをためらっていると……彼女は足を止め、振り向いた。


「またの、エラン・フィールド学生」


 うっすらと笑って、今度こそ言葉をあとにした。

 私、名前言ったっけ……いや、この特徴だ。すぐにわかるのだろう。

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