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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1081話 対人戦にて



 フェルニンさんくらいの腕になれば、剣で魔法をぶった斬るってことも難しくはないのだろう。

 魔法を撃つ暇もないくらいに攻められて、せっかく魔法を撃ててもそれを斬られる。そりゃ、剣で斬れないくらいにでっかく強いのを撃てばいいんだろうけど……


 そこまで力を溜めるために集中する時間を、与えてくれるわけがない。

 そして魔法もなかなか使えないのに、魔術が使えるはずもない。


 ……だったら……


「ふぅ……」


「?」


 迫ってくるフェルニンさんを前に、いろいろ考えるのはやめだ! ただ、今使えるものを使う! それだけだ。

 私は杖を仕舞い、魔力で全身強化することに集中する。


 放たれる斬撃を、こちらも腕を振るうことで受け止める。


「! なんて魔力だ……」


 身体強化は、術者の魔力量がそのまま強化に作用する。速度が上がる、防御力が上がる……こうして鎧のようにすることだって。

 だから、同じ魔力強化でも、ぶつかり合えば差がある。今のだって、フェルニンさんは魔力で剣を強化している。


 それを受け止めるには、同等か……それ以上の魔力が必要だ。


「えいやっ」


「!」


 腕を振り抜き、強引に剣を弾く。少し体勢が崩れたフェルニンさんの、懐へと飛びつく。

 そして、拳に魔力を纏わせ……渾身の力を込めて、腹部へと打ち抜いた。


「……っ、う、ぁ……!?」


 さすがの判断と言うか。フェルニンさんは私の拳が当たる直前に、腹部を魔力で強化していた。今の一瞬で、正確に私の狙い目を見抜いて防御するなんて。

 やっぱり戦い慣れている。私とは違って、対人の経験も豊富なのだろう。


 私の弱点は、人相手の戦いが極端に少ないこと。学園に来るまでの訓練相手は師匠しか居らず、一人相手だけでは戦い方も幅が広がらない。

 対してフェルニンさんは、冒険者として……いろいろな依頼をこなしてきた。モンスターや魔物だけでなく、時には野盗のような人を相手にすることもあっただろう。


 以前までの私なら、翻弄されるだけされてフェルニンさんに負けていただろう。でも……


「せいやぁ!」


 拳を、振り抜く。防御しても衝撃までは殺せなかったフェルニンさんは、吹っ飛んでいく。

 吹っ飛んだ相手が、次はどんな行動を取るか。なにを考えるか。知性のない獣相手では、そこまで考えなくてもよかった。


 けれど、相手は人間だ。ちゃんと考えて行動できる、人間だ。


「か、ぁ……ぐっ……」


 今フェルニンさんは……きっと、まだ諦めていない。

 多分、彼女も負けず嫌いだから。私と同じで、負けん気が強い。これくらいじゃあ、まだ闘志は消えていない。


 だけど、吹っ飛んだおかげでわずかに隙が出来た。フェルニンさんが戻ってくる今のうちに……


「あ……」


 そこで私は、ふと思う。

 今の距離なら、私が魔法を放つなり、魔術の詠唱を始めるなり、やり方はある。そう、やり方は……


 逆に言えば、私が出来るってことは……


「……っ、電撃落下(ライトニングダウン)!!!」


 フェルニンさんも、魔術を撃てるってことだ。


 いつの間に……というか吹っ飛んでいる最中に魔術の詠唱を終えていたフェルニンさんは、叫ぶ。

 すると、フェルニンさんの剣が光り……そこから強力な雷が、放たれる。


 魔導剣士は、杖の代わりに剣で魔導を撃つことが出来る。てっきりそれは魔導剣士だけの特権だと思っていたけど、そういうわけでもないのか。

 それとも、魔術に限っては特別なのか……はたまたフェルニンさんが鍛えた結果なのか……


 って、そんな場合じゃなくて!


「おぉおおお!?」


 降ってくる雷は、速い。そりゃそうだ、雷なんだもの。

 今から魔術で対抗? 間に合うわけない。でも、魔術に対抗するには基本魔術でないと。


 ノマちゃんみたいに、攻撃の"弱所"ってやつを見ることが出来れば……いや速すぎて無理!


「くっ……」


 防御? 回避?

 考える間もなく、本能に身を任せる。自分の戦闘センスを信じる。


 身体は自然と、身体強化魔法を使っていた。それも、脚に全ての力を使って。


「ふっ」


 自分でも、今まで出したことがないんじゃないかってくらいの速度で前にダッシュ。

 防御しても、完全に防げずに痺れてしまうと判断したのだろう。こうして避けることに全力を注いだ。


 おかげで、雷の着地点からは一気に離れることに成功。……したんだけど。


「よし、これで……ってえぇ!?」


 振り向くと、驚くことに雷が私を追いかけてきているではないか。

 まさかの追尾型なんて……そんなのありかよ!


 ただ、この追尾が自動なのか、それともフェルニンさんが操っているのか。

 どちらにせよ、これを対処するには……!


「えい!」


 考えている暇はない。私はその場で飛び、浮遊魔法を使い上空を走る。

 向かう先は、上空に待機したままのフェルニンさんだ。吹っ飛んでいた身体を止めて、魔法を使い浮いているのだ。


 それを見てフェルニンさんは、早くも私の狙いに気づいたらしい。だからだろう。


「!」


 バリバリ……と、雷はまるで檻のように私を囲う。攻撃でなく、私を捕らえるためにも使えるのか。

 ただ攻撃を放っても、避けられる。なら、動けない状態にして、次の攻撃に繋げる。


 さすがだよ……だけど!


「!」


 私だって、根性でなんとかしてやる!


 全身に魔力強化をして、鎧のように身を固くし……檻から出るために、思い切り雷の中へと突っ込んだ。

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