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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1080話 魔導士対策の戦い方



「あぁあああ!」


 フェルニンの鋭い声が響き、私に四方八方から剣が襲い来る。

 魔力強化で速度を上げ、加えて残像を残すおまけ付き。それが魔法によるものなのか、それとも冒険者としての技術によるものなのかはわからないけど。


 それにより、どこから私を狙っているのか……狙いをつけなくさせているのだ。


「……っ!」


 振るわれる剣を、私は魔力強化した杖で防いでいく。力を弾くくらいなら、これでも充分なんだけど……

 魔導士は当然魔導を使う。そしてひとたび魔導を使われれば、相手のペースに持っていかれる。


 それをさせないため……フェルニンさんは、右へ左へ上へ下へと移動し、私に狙いをつけさせないようにしているのだ。


「くっ……!」


 鋭い剣筋は、これまでに相手してきた魔導剣士とはやっぱり違う。魔導と剣を組み合わせたものと、剣のみに特化したもの。

 フェルニンさんも魔導士だから、似たような感じではあるんだけど……あくまでフェルニンさんは、魔導を主体には使っていない。


 剣と魔導を組み合わせるのではなく、魔導を剣のサポートとして使う。そんな感じだ。


「この……私も、いつまでもやられてばかりじゃ……!」


 私は、一瞬の隙をついて飛ぶ。高く、ジャンプした。

 上ならば、フェルニンさんの包囲から逃げることが可能だと……そう思ったからだ。


「冒険者の心得。相手の動きを、自分の好きなところへと誘導すること」


「!」


 私を追うように、フェルニンさんも飛び上がっていた。私を追いかけてきた……にしては、かなり距離が近い。

 そして、下から振り上げる剣が私を狙う。ギラリと銀色に光る刃は、当たったら痛いなんてもんじゃないだろう。


 私はとっさに足先に魔力を集中し、振り上げられる剣を足で受け止める。足の裏に、鋭い衝撃が走った。


「ぐぐっ、ぎぎ……」


「! こんな受け方を……」


 驚いた様子のフェルニンさんだけど、だからって隙は作らない……


 ……そうか、さっきの隙はわざと作ったのか。私が上に逃げることを計算に入れて、だからすぐに追いついた。

 冒険者の心得、か。モンスターや魔物、もしくは人を相手にするとき、相手をどう動かすか誘導することで、戦いを有利に進められる。


 そういう戦い方も、あるってことだ。


「はぁー!」


「!」


 刃が、急激に熱くなっていく。魔法により、刀身がまるで燃えているようだ。

 このままじゃ……! だけど、剣を受け止めているおかげで、フェルニンさんの動きが止まった。


 今のうちに……


「させん!」


「!?」


 だけど、私のやることを読んでいたかのように……フェルニンさんは自ら離れ、剣を振るう。

 風の刃となったそれが、一太刀で幾つも放たれる。目には見えないけど、魔力でわかる。


 さらに、風の刃に紛れてフェルニンさんも突撃してくる。

 もちろん、ジグザグに。


「えい!」


 考える暇もない……風の刃を防ぐために、魔力防壁を張る。四方八方からの攻撃を防ぐために、自分を囲うように。

 身体強化とか魔力防壁みたいに、なにも考えずに使える魔法ならすぐに使えるのに……!


 風の刃を防いでいく。けれど、防壁に当たるのはそれだけではなく魔力弾も。

 風の刃に混ぜて、フェルニンさんが使っていたのだ。


「なるほど、さすがの固さだ。だが……」


 声がしたときには、フェルニンさんはもう次の動きに移っていた。いつの間に背後に。

 大きく脚を振り、防壁に当てる。そのまま、力を加えたまま一気に脚を振り抜いた。


 まるで、ボールを蹴るみたいに。あんなに簡単にじゃないけど、すごい勢いで。

 っていうか、これを蹴り飛ばすとか……どんな力だよ!?


「ぐぇ!」


 ふっとばされた先は地面で、そこに衝突する。防壁内にいたため私自身にダメージはないとはいえ、吹き飛ぶ際にゆらゆらさせられてしまった。

 同時に、防壁は解除される。集中力が切れたか。


 それを狙って、フェルニンさんは……赤く輝く刀身を構え、私に向かって降ってくる。火の魔法で強化しているのだろう。


「覚悟……!」


 上空からの落下スピードを加え、刀身の切っ先が私へと向けられていた。

 受け止められない……そう悟った私は、とっさに風を起こし、自分を真横へと吹っ飛ばす。


 その直後、フェルニンさんの剣が私がいた場所に突き刺さった。


「はぁ、はぁっ……」


「やるな、エランちゃん。ここまで猛攻しても、未だかすり傷一つないか」


「よ、容赦ないね……」


 すぐに起き上がり、構える。

 最初は乗り気じゃなかったくせに、結構……いやかなりノリノリじゃないか。


 別に、いいんだけどさ。変に手加減されるよりも、こっちのほうがいい。


「って、来た!」


 考えている暇もない。迫ってくるフェルニンさんは、私に考えさせる暇を与えないのだ。

 なら……


「ファイアボール!」


 杖を構え、叫ぶ。その直後、杖の先端から火の玉が放たれる。

 

「! はぁ!」


 少し驚いた様子だけど、フェルニンさんは慌てた様子はない。構えた剣を振り、火の玉を叩き切る。

 やっぱ魔法放ったところで、それが通用しなきゃ意味ないか……


 魔法は魔術と違って、詠唱も技名も必要ない。

 だけど、魔法とはイメージの力。頭の中でイメージして魔法を使うのではなく、技名をつけることでイコール即座にイメージに結びつけることができる。名前がついてたほうが、すぐに思い浮かべられるしね。


 しかし、どうしたもんか……!

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

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