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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1079話 戦いたかったから



 ……私たちは、冒険者ギルドの敷地内にある広場へと移動していた。

 ここは、冒険者の訓練所。また冒険者になる人の実際の力を見るための場所だ。とはいっても、ほとんどの冒険者は書類審査から一番下のDランクからスタートする。


 ここを使うのは、要はさっきの私みたいにスカウトを受けた人が主だ。

 お前も冒険者にならないかと勧誘を受け、それを承諾した場合……どのランクからスタートするのかの力を見る。スカウトしたってことはその時点で、実力があるってこと。


 後は、どのランクが適切なのかのラインを見るのだ。


「でも私は、冒険者にはならないからね」


「何度も確認しなくても、わかってるよ」


「なぜこんなことに……」


 私は冒険者になるつもりはない。なのになぜここに来たのかと言うと、それはフェルニンさんと戦うためだ。

 本来冒険者のランクテストのための場所だが、同時に訓練所なのだから、他の用途で使ったって問題ない。ま、訓練目的で使う人はあまり居ないらしい……訓練というより教育かな?


 そして、私は冒険者になるつもりはない。でもフェルニンさんとは戦ってみたい。

 ギルドマスターもまた、私とAランク冒険者の戦いを見てみたい。二人の思いが一致した。


 まあ、巻き込まれた形になったフェルニンさんは肩を落としているけど。あんな姿初めて見た。


「ははは、ここまで来たらやってやれよフェルニン」


 他人事のように、ガルデさんが言う。まるで慰めるように、肩をポンポンと叩いている。


「この、他人事だと思って……

 ギルドマスター、別に私ではなくても、ガルデが相手をすればいいんじゃないですか。いきなりAランクなんて……」


「Bランクの冒険者なんざその辺で捕まえられる。けど、Aランクの、それも魔導冒険者となればそうはいない。まさに良い所に来たってやつだ。

 せっかくの機会だし、いいじゃねえか。お前さんも、嬢ちゃんとやりたくねえわけじゃないんだろ?」


 ギルドマスターもまた、他人事だ。完全に楽しむ気でいるな、この人。

 フェルニンさんはまだ不服そうだったが、もうなにを言っても無理だと思ったのか諦めた様子だ。


 ……本当に嫌なら、ここまで来ずに一人でも帰ればよかったのに。そうしないのは、変に真面目だからか……それともそこまで考えが巡ってないのか。

 あるいは、本当はフェルニンさんも……


「全く、エランちゃんもエランちゃんだ。キミさえ断ってくれれば……」


「あはは。でも、私ずっとフェルニンさんとヤッてみたいなと思っていたので」


 学園ならば、生徒と、なんなら教師とでも手合わせのタイミングはいくらでも作れる。

 だけど、冒険者はそうはいかない。普段依頼を果たしに行っているか、他はなにをしているのか、捕まえる時間がないのだ。


 それに、場所の問題もある。なので、今回のはまさに願ってもないチャンスだったということ。


「それじゃあ、俺が審判を務める。お互いほどほどに頑張れよ、ほどほどのところで止めるから」


 勝手だなあの人! 人を焚き付けといて!


 ……まあでも、これは試合でも決闘でもない。軽く腕試しするようなものだ。

 それに……私は今は冒険者になるつもりはないけど、実際、Aランク冒険者にどこまで力が通用するのか知りたい!


 師匠は、Sランクだ。SとAにどこまでの差があるのかわからないけど、言っちゃあなんだけどAランク冒険者に敵わなければ、師匠を超えるなんて夢のまた夢だ。


「胸を借りますよ、フェルニンさん」


「はぁ……こうなったらもう、仕方ないか」


 お互いに、距離を取り……構える。

 私は魔導の杖を、フェルニンさんは腰に構えていた剣をだ。細身の剣は鋭く、銀色に光っている。


 なんか、すごく緊張するな……


「始め!」


 そこに、ギルドマスターの声が響いた。その直後だ、フェルニンさんが動きを見せたのは。

 その場からダッシュし、素早い動きで私に迫る。身体強化の魔法を使っているのか、速い! しかも、ただ一直線に向かってくるのではなく、ジグザグに。


 私は、迎え撃つために魔法のイメージを固めようと……


「せい!」


 振るわれる斬撃が私に圧を与えてくる。激しい……!

 私が目を閉じたその隙に、フェルニンさんは飛び上がり剣を振り下ろした。


「はぁ!」


「っく……!」


 私は杖を強化し、それを受け止める。

 いくらAランク冒険者って言っても、身体は女性。筋力だって、男性には敵わない。


 だからこそ、飛び上がって重力を加えることで、力の重みを増す。テクニックを加えることで、戦いの幅を広げるのだ。

 それに……


「ふっ」


 今の一撃を受け止められたと見るや、すぐに飛び退く。着地したかと思えば、再びジグザグに走る。

 今までは、一直線に向かってくる相手が多かった。けど、こんな変則的に動かれたら……狙いが……


 ……もしかして……


「そうだ、私も魔導を嗜む身……魔導士の戦い方は知っている」


「!」


 背後から、気配がする。振り向きざまに強化杖を振るうと、いつの間にか後ろにいたフェルニンさんに受け止められる。

 今の今まで、私の前に居たのに……あれは、残像か!


 魔導士の戦い方……それは、相手に狙いをつけて魔導を放つというもの。だから単純な話、狙いをつけさせなければいいのだ。

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