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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1078話 ただ興味本位で



 冒険者ギルド、というかギルドマスターへの報告も終わったことだし、私たちはこれでお役ごめんかな。

 そう思っていたんだけど……ギルドマスターのザルドゥスは、私に意味深な目を向けてきた。


 私を、グレイシア・フィールドの弟子だと知っている。まあ師匠は有名人だし、私も学園の内外関係なく知られているらしい。

 だから、私が師匠の弟子……ってことを知られていること自体に、驚きはない。


 けど……


「……そう、ですけど」


 ギルドマスターの問いに、私はうなずいた。

 確実に、妙な胸騒ぎがする。それがわかっていても、私が師匠の弟子であることにだけは嘘は付けない。


 すると、ギルドマスターが笑みを深める。怖いよ。

 師匠は、Sランクの冒険者って話だ。Sランクってのは数いる冒険者の中でも一番ランクが高く、それだけでも私の師匠すげーって自慢に思える。


 ただ、今回の場合……それが、非常に面倒な方向に進みそうなのだ。


「ほほう。あのグレイシア・フィールドの弟子……それに、実際に魔獣を倒した実力の持ち主か……」


「いや、魔獣を倒したのは私だけの力じゃあ……」


 あぁ、だめだ、聞いていない。ああいうタイプは、のめり込むと人の話を聞かないのだ。

 それからぶつぶつとなにかを言っている。


「学園での噂は耳にしてたが……なるほど、こいつは掘り出し物かもしれん……」


 なに言ってんのぉ。なんか怖いよぉ。


「あの、ギルドマスター」


「ん? おぉ、悪い悪い」


 フェルニンさんが困ったように彼を呼ぶと、正気に戻ったようだ。ちゃんとこっちの声届いてるんじゃないか。

 けれど、私を見る目は変わらない。


 それから、私とフェルニンさんを何度か見比べて……


「よし。嬢ちゃん、そこのAランク冒険者フェルニンと、手合わせをしろ」


「……へ?」


「は?」


 ギルドマスターは、なんの躊躇もなくそう言い放った。


 その言葉に、私もフェルニンさんも気の抜けた声を出してしまう。きっとガルデさんも同じ気持ちだろう。

 リーメイだけは隣で「オー」と言っているけど。そもそも話わかってるのかな?


「あの、それは、いったいどういう……」


 冷静さを保ち、フェルニンさんが聞く。私も同じことを聞きたい。

 いったいなにがどうして、私とフェルニンさんが手合わせって話になるのか。


 そりゃあ、冒険者にして魔導士のフェルニンさんと、戦いたくないって言ったら嘘になるけど……って、そうじゃなくて!


「そうです、理由を聞かせてください」


 なんでそんなことを言い出したのか、気になってしまう。

 私も続くように、問いかけて……


「なんでって……期待のお嬢ちゃんとAランク冒険者の戦いを、見てみたいからだ」


 ……言い切った。言い切ったよこの人、見てみたいだけだって言っちゃったよ。

 その言葉に、誰も言葉を発することが出来ない。


 ……ん? 期待の……ってどういう意味だ?


「あの……もしかして、私のことスカウト……冒険者に勧誘しようとしてます?」


「もちろんだ」


 即答! そしてまた言い切ったよ!


「冒険者は、危険な仕事でなぁ。常に人材は不足している。強力な人材を欲しているところだ」


「その危険な仕事に、子供を巻き込むと?」


「だからこそ、お前と手合わせさせるんだ。Aランク冒険者と戦える人材なら、生き残る可能性もぐんと上がる。

 それに、俺ぁ大人だガキだで分けるつもりはねぇ。大切なのは実力があるかないかだ」


 む、無茶苦茶だ、言ってること……でも、わりと間違ってもいない。

 危険な仕事だからこそ、実力があれば生き残る選択肢はぐっと広がる。そのため、私がフェルニンさんとどこまで戦えるかによって、それが指標になる。


 ただ……


「あの、私別に冒険者になりたいとは思ってないんですけど……」


 単純な話だ。私は冒険者になりたいわけではない。

 私が冒険者になりたいって話から始まったのならともかく、そんなことは全然ない。この人が勝手に話を進めているだけだ。


「……冒険者に興味はないか?」


「興味は、ありますけど……」


 ギルドマスターは、なぜか意外そうな表情を浮かべていた。


 確かに冒険者に興味はある。ただ、興味があるのとそれになりたいかっていうのは別の話だ。

 それに……


「今は、魔導学園で自分を磨くことしか考えてないので」


 将来、もしかしたら冒険者になる道もあるかもしれない。

 学園を卒業した人が、冒険者に……なんて話も聞いたことはある。


 でも、今は……まだ二年生になったばかり。

 なのに今から冒険者になりたいだなんて、そんなことは考えられない。


「お話は、ありがたいですけど……」


「そんじゃ、もっと単純な話。フェルニンと戦いたくないか?」


「戦いたいです。ぁ」


 つ、つい……つい、即答しちゃった。

 フェルニンったら、すごく複雑そうな表情を浮かべている。ご、ごめんよぉ。


 でも、この気持ちも嘘じゃないわけで。私は別に、戦闘狂じゃないけど……それはそれとして、ね。


「俺も別に、無理やり嬢ちゃんを引き抜きたいわけじゃない。実力があってもやる気のない奴は、死ぬだけだからな。

 ただ……俺も単純に、興味があってな」


 強面な顔で、凶悪ににやりと笑って……私とフェルニンさんを、見比べていた。

 冒険者になるかは置いといて、フェルニンさんとの手合わせって話なら……私も……

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