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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1077話 なにか企んでいる顔



 初めて会った、冒険者ギルドのギルドマスター。その名をザルドゥスと言うらしい。

 いかにもって感じの人で、あらかじめギルドマスターだと説明されていなかったら確実に悪役だと思って、ぶん殴っていただろう。


 今回のダンジョンの件を報告する。そのためにこの部屋に呼ばれたのだ。

 フェルニンさんが主に喋り、ガルデさんがその補足という形だ。さすがAランク冒険者……が関係あるかはわからないけど、フェルニンの説明はとてもわかりやすかった。


 まとまっていて、完結。たとえ私がその場にいなくても、状況を頭の中で思い浮かべることができるだろう。


「……ほほぉ、なるほどなあ」


 話を聞き終え、ギルドマスターは眼帯で隠れた右目を触る。とんとん、と軽く叩く形だ。

 片方は眼帯で、片方は傷が刻まれているなんて……昔よほど大変な目にあったんだろう。露出した腕も、傷だらけだし。


 フェルニンさんの話を聞いて、何事か考えているようだ。ギルドマスターってことは、力が強いのはもちろんだけど、多分頭もいいんだろう。そうは見えないけど。


「さっき、受付の姉ちゃんから報告を受けたハリベルトの話を軽く聞いたが……こりゃあなかなか、厄介な山になっているみてえだな」


 ギルドマスターは、それを厄介だと言って部屋の端に待機しているおじいちゃんを……そしてその傷のある左目で私たちを見た。怖いよ、眼力がすごい。


 まあ、にわかには信じられない話だよね。ダンジョンの常識ってやつから外れてるんだろうし。

 でも、これが嘘じゃないことは信じてもらえてる。というか、もう疑う段階じゃないってことだよね。


 ダンジョンで、今まで起こったことのなかったことが起こっている。やっぱり、思ったよりも深刻なのかな。


「あの、質問してもよろしいですか?」


 フェルニンさんは手を上げる。相手が相手だから、ちゃんとかしこまった言い方だ。

 それに、わざわざ手を上げて申し出るなんて……ちゃんとしてるなぁ。


「あぁ、構わない。気になることがあるなら、なんでも聞いてくれ。それが答えられるものなら、答えるさ」


 ギルドマスター、強面だけどなんかすごい真面目なんだよなぁ。

 今だって、わざわざ一言添えてから言ってくれたし。立場ある人間だし、なにもかと答えるってわけにもいかないのだろう。


「他のダンジョンで、似た事例は出ていないのですか?」


 フェルニンさんの質問は、今回起こった異変が今回のダンジョンだけでの話なのか……それとも、他のダンジョンでも似たことが起こっていないか。

 ただ、それが確認事項の意味だけというのは間違いない。もしも他にも同じ事例が起こっていたら、耳に入ってきているはずだ。


 もっとも、知ってても隠している……なんて可能性もあるけど。


「あぁ、こんな話を聞いたのは初めてだな」


 けれど、ギルドマスターはあっさりと答えた。そこに、嘘とか隠し事があるって意図は感じられない。

 それに、私たちにも嘘をつく必要なんてないわけだしね。


「そうですか……」


「あぁ。俺が把握してる限りじゃ、異変の起こってるダンジョンってのはお前らが行ったそのダンジョンだけだ」


 そうか、私たちの行ったダンジョンだけなのか……それは運が良いのか、悪いのか。

 もし他の人たちがあんな目に遭ったら、大変だもんね……って、一応何人か調査に入ったこともあるんだよね。


 じゃあ、毎回あのダンジョンで異変が起こるわけじゃないのか。


「ま、大まかな状態はわかった。例のダンジョンは、当面の間封鎖だな。以前にも異変が起こってたって言うし」


 頭をかき、ギルドマスターは言う。

 封鎖か……まあその方がいいよね。ダンジョンでは思わぬことが起きるって言っても、異常すぎるもんね。


 そのあたりは、ギルドマスターに任せよう。私たちは報告の義務を済ませたわけだし……

 そんなことを考えていると、ギルドマスターの視線が私を見た。なぜ私を見る。


「ま、報告ご苦労さん。後の処理はこっちでやっとく……で、こっちからも聞きたいことがある。

 話を聞いた限りじゃ、魔獣にトドメを刺したのはそっちの嬢ちゃんだって?」


 ……なるほど、そういうことか。


「私……というか、確かに魔獣を凍らせたのは私だけど……」


 それは、みんなの協力があったからだ。みんなが魔獣の隙をついてくれたから、私だって魔獣を倒すために魔術を使うことができた。

 それに、氷漬けにした魔獣を叩き切ったのはフェルニンさんだし……そういう意味では、トドメを刺したのはフェルニンさんと言える。


 チラッとフェルニンさんを見る。けど、フェルニンさんもまた私を見ていた。


「そうだヨー。エランが魔獣を凍らせたから、倒せたんだヨー」


 さてなんと答えようか。そう考えていると、隣に座るリーメイが元気に声を上げる。

 それは事実だ、事実なんだけど……その言い方は……


 ……ほら、ギルドマスターの目が鋭くなった。やっぱり怖いよ。


「ほぉ、魔獣をねぇ」


「な、なんでしょう」


「聞いたところによると、嬢ちゃん……あのグレイシア・フィールドの弟子らしいな」


 少しにやついている。だから怖いって。そしてその情報をどこから得たんだ。


 それに……なにかを企んでいる顔だ。

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