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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1072話 魔石ごとやっちゃえ



「な、なんだこいつは……!?」


 目の前の光景に、ガルデさんは驚愕の声を漏らす。

 だけど、驚いているのは私たちも同じだ。


 だって目の前には、さっき倒したはずの魔獣が立っているのだ。人のような姿をした、ゾンビのような魔獣。

 青黒い肌と白濁の目が、不気味だ。さっき倒したと自信を持って言える……のに、なぜ復活したのか。


 倒した魔獣の魔石が光り、かと思えば黒いもやを出して……それが元の姿を形作っていったのだ。


「グァ、アァ……!」


 魔石を核に、復活した……そういう認識だ。

 けれど、そんなの……今までに、見たことがない!


「あいつ……」


「グルォオ!」


「うおっ、散開!」


 なにか言おうとしたガルデさんだけど、それよりも先に魔獣が火の玉を吐く。

 一直線に向かってくるそれを避けるため、私たちはバラバラに飛びそれを逃れた。


 多分、ガルデさんが言おうとしたことはみんなが思っていたこと。『倒したのに復活する魔獣を見たことがあるか?』だ。

 私も聞きたいことだったし。


「って、やっぱり私か!」


 魔獣の顔が、私の方へ向く。狙いは変わらず私のようだ。

 まったく、あの白濁した目でよくも私の居場所がわかるもんだ……! いや、魔獣って魔力で相手の位置がわかるんだっけ。


 復活する魔獣。そんなの、私は見たことがない。そして、ガルデさんやフェルニンさんもそうだろう。

 魔大陸から接していたウミにいたリーメイは、もしかしたら見たことがあるかもしれないけど……なにも言わなかったってことは、知らなかった可能性が高い。


 まさか、魔獣が復活……か。ちょっと、予想外すぎるな。


「っ!」


 魔獣が動く様子を見せる。だから私は、咄嗟に全身を魔力強化した。

 おかげで、魔獣の動きがさっきよりよく見えて……素早く動く魔獣がすでに目の前にいたけど、拳を避けることに成功する。


 そのまま下がり、魔力弾を複数放つ。やっぱり効果は薄い。

 さっきみたいに、首を斬り落とす? いや、また復活されたら同じことだ。


「エランちゃん、悪いが引きつけておいてくれ!」


「わかった!」


 フェルニンさんの言葉に、私は攻撃を避けることに徹する。

 魔獣の動きも、目で追えないほどじゃない。口からの魔法も注意していれば避けられるし、胴体は今は普通だ。


 逃げに徹すれば、いくらだって……!


「水のぉー、オリの中!」


 離れたところから、リーメイの援護。魔獣の身体を水の球体で覆い閉じ込めるのだ。

 倒しても復活するなら、閉じ込めておいたほうが確実だからな。


 問題は、閉じ込めてもその後どうするかなんだけど……


「ゴボッ……ブボォ!」


「!」


 魔獣は、水の中にいながら火の玉を放つ。

 それによって水は蒸発、かなりの高温の火の玉のようだ。


 だけど、あんなことをしたら自分まで巻き添えに……


「……関係ない、か」


 魔獣は黒焦げになっているが、なんでもないように私に向かって歩いてくる。

 首を狙った攻撃以外有効打が見つからなかったんだ……自爆しても、関係ないってわけだ。


 ガルデさんとフェルニンさんも剣で応戦しているけど、やはり効果は薄い。

 どうやって倒せばいいのか、わからない。可能性の一つとしては……


「魔石ごと、ぶっ壊す」


 魔物や魔獣から出てきた魔石は、その辺りにある魔石とはまた違った価値があるらしい。

 魔物として、そして魔獣としてのエネルギーとなっていたそれは、魔石単体となってもかなりの力を残しているのだとか。


 だから、普通の魔石より高額に売れるとか、いい武器が作れるとか……良いことがたくさんあるらしいんだけど。


「ごめん、ガルデさん、フェルニンさん! 魔石ごと叩いちゃっていいかな!」


「! 惜しい気はするが、仕方ない!」


「それで奴を倒せるというのなら、任せよう。この際、多少無茶をしても構わない!」


 よし、二人からの許可も取った! あとは、魔獣を魔石もろとも破壊してしまうことだ!


 さっきみたいに、一度倒してから剥き出しにした魔石を叩くか……それとも、魔獣を消し飛ばしてそれと同時に魔石も壊すか。

 後者は、それほどの威力を出すには魔術くらいしかないわけだけど。……ただ、あの魔獣……復活する前より硬くなっている。そう感じるのだ。


「リーが止めるから、エランはあいつを倒すことに集中しテ!」


「リーメイ!」


 心強いことを言ってくれるリーメイは、水を触手のようにして操り、魔獣の足止めをしてくれている。

 ガルデさんとフェルニンさんも、私に任せてくれている。


 これは……応えるしかないよね。


「ふぅ」


 軽く息を吐く。意識を集中……魔術を使うために、神経を研ぎ澄ませる。

 杖を構え、魔術を使うための詠唱を口にする。


「絶対零度の氷襲(こほりがさね)よ、芯まで凍える冷気を持って……」


 これは、学園で現れた魔獣に使ったものだ。

 あの時の魔獣はその後、今も殺してしまわないよう苦労しながら研究していると聞いた。


 そして、私は気づいた。この魔術なら、単に強大な力をぶつけるよりも、確実に魔獣を仕留められるものではないのか!


「そのものの時間を永久(とこしえ)に奪い去れ!

 永久凍結(エターナルブリザード)!!!」


 詠唱が終わる。そのタイミングで、三人は魔獣から離れた。

 私は杖の先端を魔獣に向け、その先端から冷たい冷気が流れる。狙いは、ただ一つ!


 吠える魔獣を、強力な冷気が包み込んでいく。その身体が、一瞬にして凍っていく。

 氷漬けにしてしまえば……後は割ってしまえば、倒すのは簡単だ!

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