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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1068話 ダンジョンの魔獣



 ふいに、気配を感じる。先ほどまで感じていなかったけど……なんだろう、これは。

 私たちは揃って足を止めた。気配に気づいたのは私だけではないようだ。冒険者の二人も、そしてリーメイも。


 私たちは自然と、それぞれ顔を合わせた。そして小さくうなずき、ガルデさんが一歩前に出る。


「誰かいるのか?」


 その気配に向かって、声をかける。

 だけど、わかっている……その気配の状態が、人ではないことに。それでも、確定じゃない……だから確認のため声をかける。


 しばらく待つけど、言葉は返ってこない。それどころか、不気味なほどの静けさが広がっている。

 私たちは、全員警戒の姿勢を取る。周囲になにも見えなくても、だ。


「フェルニン……」


「わかっている。居るのはおそらく……魔獣だ」


 ガルデさんに応え、フェルニンさんが言う。

 魔獣……その単語に、私は驚きはしなかった。


 だって、感じた気配は……魔物とよく似ていて。それに、これまでに何度か感じたことのあるものだったからだ。

 魔獣は、魔物と似ているが……それとは比にならないくらい、とても重圧のある気配をしている。


 静寂が辺りを包み込む……だけど……すぐに、足音が聞こえた。

 ヒタ、ヒタ……という足音が。


「……?」


 それはまるで、人の足の音。人が素足で歩いているときのような、そんな音だ。

 そんなわけがないと、思い直す。今まで見てきた魔獣は、どれも獣のような姿をしていて……って、どれもってわけでもないか。


 そんなことを考えながらも、視線は足音の方向へ。そしてついに、足音の主は姿を現す……


「……!?」


 それは、不思議だった。魔石の光源のおかげで周囲は明るく見えているのに、まるでそこにいきなり現れたかのように出現したのだ。

 だけど、驚いたのはそこだけではない。


 現れたのは、人の姿によく似ていた。

 だけど……


「ア、アァ……」


 青黒い肌に、白濁の瞳。服は着ていないけど、生殖器のようなものは見当たらない。

 人のようではあるけど、体毛もない。それどころか、普通の人間より一回りは大きいのだ。


 身体はまるで腐っているよう。間違いなく人でないんだけど……この姿はまるで……


「ぞ、ゾンビみたい……」


 今まで見てきた魔獣とは違った姿だ。

 今までのものは、どこか怖さが勝っていた。でもこいつは、ただただ気持ち悪い……


「なんだ、こいつ……」


「こんなの、初めて見るぞ」


 ガルデさんもフェルニンさんも、現れた異形に困惑している。

 剣を引き抜き、構える。私もリーメイも魔導の杖を抜いて、構える。


 あいつが魔獣なのは間違いないんだけど……ただの魔獣じゃあ、ないのかもしれない。


「……!」


 と、まばたきをした一瞬だった。そこにいた魔獣は姿を消していた。

 私はとっさに、みんなに浮遊魔法をかけて……その場から飛び退いた。


「わッ……」


 いきなり身体が浮かんで驚くのはわかるけど、悪いけど説明している暇はない。

 だって……


「グォオ!」


 振り下ろされた拳が、私たちがさっきまで居た場所に激突していたからだ。

 拳は地面を陥没させ、周囲にヒビを入れる。あんなの、まともに食らったらケガじゃ済まない。


 うまく着地し、神経を研ぎ澄ませる。

 まるで消えたように見えるくらい、速い。ゾンビってノロノロ動くのがセオリーじゃなかったの?


 それとも、これは足で移動したと言うよりも、もっと別の……?


「ガルデ、魔獣と戦った経験は?」


「あるが……そりゃ冒険者の仲間とパーティー組んでようやく倒せた、ってところだ」


「そうか。私も似たようなものだ」


 やっぱり、冒険者をやっていても魔獣と戦う経験はあるようだけど……ソロで倒したって経験は、Aランクの冒険者でもないらしい。

 私だって、魔獣を行動不能にしたことがあるとは言え……ルリーちゃんとサテラン先生の援護あってこそだった。


 ってか、あの時のことよく覚えてるなぁ。やっぱ学園で初めて遭遇した魔獣だからかな。普通学園で魔獣に遭遇することなんてないしね。

 とはいえ、あの時トドメとなったのは魔術。ダンジョンで魔術の使用は控えたほうがいいからなぁ。


 とはいえ……


「来ル!」


 リーメイが叫び、魔獣が咆哮する。そして、叫びながら走って迫ってくる。

 さっきみたいに、消えるように移動はしないみたいだ。それならそれで、落ち着いて対処できる!


 私は魔力防壁を張り、拳を受け止める。ドシンッ……と重々しい音がなる。てか、実際に重……!

 けれど……


「はぁあああ!」


「どぉおおお!」


 防壁を展開し、魔獣の拳を受け止めたのと同時……ガルデさんとフェルニンさんは左右に跳んでいた。

 そして魔獣の左右から同時に、剣で斬りかかる。先ほど魔物にやったのと同じ攻撃だ。さらにフェルニンさんは、火の剣だ。


 急所を狙った一撃が、魔獣に炸裂して……


「っ!」


「硬っ……!」


 ギィンッ……と鈍い音が響く。それは二人の剣が突き刺さったことを意味していた。

 けれど、先ほどと同じように肉を斬り裂くことはできず。音を立てたはいいけど、そのまま止まってしまった。


 元々魔獣は硬いけど……なんか、こいつ……


「グォオオオ!」


 攻撃を受けながらも力を入れ、魔力防壁にヒビを入れる。おいおい、刃物食い込んでるのに……!


 もしかして魔獣って……ダンジョン内だと、外よりもなんか諸々のステータス上昇するんじゃないのか!?

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