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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1023話 ちゃんと模範になれます



 まあ、クラス内で一番仲がいい男の子……と言ってもいいかもしれないな。ダルマスは。

 ただ、距離感には気を付けなければいけない。なぜなら……


「お、キリアちゃんおっはー」


「! お、おはようございます」


 こちらを見ていた女の子、キリアちゃん。

 平民でありながら、魔力を感じ取る体質は人一倍長けている。その力で、本人は苦労しているみたいだけど。


 なんたって、あまりに魔力の濃い場所では魔力酔いを起こすことがある。

 以前学園の敷地内にいきなり魔獣が現れた時は、あまりの異変に体調を崩しそうになった。ダンジョンでも気を付けなければいけない。


 そんな彼女は……


「あの、だ、ダルマス様……お、おはようごじゃいまふ……」


「ん? あぁ……おはよう」


 ダルマスに対し、緊張気味に話しかける。


 そう、キリアちゃんはダルマスに対してラブなのだ。なので、彼と仲が良い私を見ていたのだ。

 まさか、ダルマスをなぁ……とは思う。


 以前は貴族だ平民だとうるさく騒いでいたが……今は関係なく接しているから、意外と評判はいいみたいだこの男。

 入学当初は差別意識が強かったけど、垢抜けたというか。それに、単純に顔は悪くない。


「相変わらず賑やかだねぇ」


「その中心にいるのはエランちゃんだけどね」


「ママー!」


 久しぶりの教室、話も弾むというもの。


 この学園は、全寮制だ。だから授業がないからって、他の子と会う機会がなくなるわけじゃない。会おうと思えば簡単に会える。

 それでも、やっぱりこの空気感は特別だ。


 それから少しして、鐘が鳴り……教室の扉が開く。


「騒がしいな、席につけ」


 教室に入ってきたのは、ショートカットでスレンダーな女性……ヒルヤ・サテラン先生だ。このクラスの担任。

 右目には黒い眼帯が付けられているのと、男っぽい口調なのが特徴的だ。


 さらにその後ろから、きれいな金髪を靡かせた青年……ウーラスト・ジル・フィールドが続く。

 このクラスの教育実習生ってやつでやって来た。あとで聞いた話だと、なんかいつの間にかウチのクラスの副担任になっていたらしい。あんまりその辺聞いてなかったな。

 生徒会の副顧問であり、なにより師匠の弟子だ。私にとってはいわゆる、兄弟子ってやつ……会ったことはなかったけど。


「……代わり映えしない面子だと思うだろうが、知っての通り学園を卒業するまでお前たちは同じ組で過ごすことになる。担任も私が担当する」


 一年生から二年生へ……変わったのは、教室くらいだ。クラスメイトも、担任の先生も、変わらない。

 そんな私たちは、一年前からどれだけ成長したんだろうな。


 一年前は、右も左も分からず……これからの学園生活に胸踊らせて、おとなしくしていたものだよ。


「今年も例年通り、一年生が入学してきた。お前たちの後輩となるわけだが……なにもわからなかった一年前とはわけが違う。新入生の模範となるよう、行動を心がけるように」


 そうだよな、先輩になったってことはそれだけ見られることも増えるってことだ。

 学園で一年間過ごしてきた先輩として、なにもわからない一年生を導いてあげないと……


 って、なんで先生は私を見ているんだ。


「先生、言いたいことがあるならはっきりどうぞ」


「そうか、なら遠慮なく。上級生として行動や言動にはより注意しろよフィールド、アレクシャン」


「!?」


 わ、私と筋肉男が同列に扱われた!?

 それはちょっと言い過ぎじゃないだろうか!


「先生、アレと同列はひどいと思います!」


「むしろお前のほうが深刻だと思っている」


「!!?」


 今ちょっと、目眩がした。

 先生なりのジョーク……って顔ではないな。


 というか、他のみんなもどうしてそんな顔をしているんだよ。


「私、ちゃんと後輩の模範になれますよ!」


「今までの行いを振り返ってみろ。一年前、入学間もなく上級生に……それも前生徒会長に決闘ふっかけた奴が、なにを言う」


 先生の鋭い眼差しが、私を射抜く。

 あぁー……あれからもう一年経つのかぁ。てか、そればっか取り出されるなぁ。


 入学してから、クラスメイトと決闘したり他のクラスと試合をしたり。まあこのあたりは、それほど驚くことでもない。

 問題はその後に、前生徒会長でありこの国の第一王子に決闘を申し込んだことだ。


 新入生が三年生に決闘を仕掛けることさえまずないことなのに、相手が王族で生徒会長だ。そりゃもう、すぐに全校に広まったさ。


「その後の騒ぎも含め、お前の名前は校内どころか校外まで広がっている。お前がどんな人物か、すでに一年生には知られている……今更お前に、規律正しく模範となれとは言わん。せめて慎みを覚えろ」


「あれ、矯正どころか諦めムード!?」


 なぜか先生はため息を漏らした。

 どうやら、私エラン・フィールドがどういう人間なのか……学外はおろか学校関係者以外にも伝わっているらしい。


 いったいどうして……私なんて入学してから、魔獣を倒したり生徒会長と決闘をしたり魔導大会で決勝まで行ったり魔大陸で黒竜と使い魔契約して戻ってきたり……

 最初はともかく、最近は目立たないようにしてきたのに!


「もう一年生の間にも名前が広がっているなんて、さすがエランさんですわ」


「こっちとしては頭が痛い気分だがな。学内にはフィールドのファンクラブなるものが存在していると聞くし、すでに何人か一年生が来ているとか……」


「マジか」


 ていうか、先生も私のファンクラブのこと知っているのか。いいんだ、それは。


「はぁーーー……すでに何人かの一年生に、『先生が担当しているエラン様について話を聞きたいのですが』と詰め寄られているし」


「それはなんか、申し訳ない」


 そうか、私の担任の先生として、サテラン先生にも影響が……


 って、私一年生からエラン様とか呼ばれてるの?

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