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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1055話 疑いのエルフ



「……た、助かりました。ありがとうございました」


 上半身を茂みに突っ込んでいたカリュリアちゃんを解放した。

 その手に、落としてしまったパンを持ち……しゅんとうなだれている。


 その頬は、ちょっと赤い。


「気にしないでよー。あんな風になっちゃって恥ずかしいのはわかるけど、恥ずかしがらなくていいからさ」


「多分顔赤くしてるのは、さっきお尻触られたからだと思うけどね」


「やわらかかったー」


 両手をにぎにぎしながら、フィルちゃんは満足そうだ。この子、遠慮というものを知らない。子供だし仕方ないけど。

 それに、気持ちは……わからなくもないけど。


 カリュリアちゃんは、指摘されたことが恥ずかしいのか、スカートを引っ張り脚を隠そうとしている。

 ただ、その仕草がグッと来てしまうので、ぶっちゃけ逆効果だ。


「それで……この子が、例のエルフの一年生ね」


「!」


 クレアちゃんは、カリュリアちゃんをじっと見つめた。

 目を細め、じぃーっと見ているのだけど……


「クレアちゃん、そんな睨みつけたら怖がらせちゃうよ」


「睨みつけてないわよ、失礼ね!」


 ガルルル……と唸るクレアちゃん。

 その様子を、ぽかんとした様子でカリュリアちゃんは見ていた。


「あ、ごめんね。……どうかした?」


「え……あ、なんでもないです」


 さっと顔をそらしたカリュリアちゃんは、ぎゅっとパンを掴んでいる。

 はて、どうかしたのだろうか?


 なんか、クレアちゃんをあからさまに注意しているような気がする。


「クレア・アティーアよ、よろしく」


「! か、カリュリアです……よろしくお願いします」


 一歩近寄り、手を差し出すクレアちゃん。カリュリアちゃんはそれに応え、ぎゅっと手を握った。


 うんうん、友達と友達が仲良くなるのって、なんだか嬉しいよね。

 こうして友達の輪が広がっていくんだって思うと、なんだかニヤニヤしちゃうよ。


「あの、先輩方は……これから食堂、ですか?」


「うん。お腹ペコペコでねー」


 お腹を擦る。今のやり取りで、食堂に向かう時間が遅くなってしまった。

 だからといって、別にカリュリアちゃんを責めようってわけじゃない。困ったときはお互い様だ。


「で、でしたら、私はこのあたりで失礼して……」


 口早に行って、カリュリアちゃんはこの場から去ろうとしているようだった。


 あれ、これもしかしてお別れパターン?

 いやいや……せっかく会ったんだ、そんなもったいないことはできないよ。


「ねえ、なんなら私たちと一緒に食べようよ」


「え?」


 私の提案に、カリュリアちゃんの動きがピタッと止まる。

 それは、まさに予想外……というものだ。私がこんなことを言うなんて、考えもしなかったのだろうか?


 オロオロしながら、私たちの顔色を伺っているように感じる。


「えっと、その……い、いいんでしょうか?」


 まるでぐるぐる目だ。ひどく緊張しているのがわかる。私から提案したのに、わざわざこんなことを聞いてくるなんて。

 良くなければ、私から言わないって。


 それに、別に購買で買った物を食堂で食べてはいけない……なんて決まりはないのだ。


「全然問題ないよ!」


「ですが……お、お二人にもご迷惑では……?」


「私は別に、構わないわよ?」


「私もー!」


 本人の不安を払拭するようにクレアちゃん、フィルちゃんが答える。


 あー……さっきカリュリアちゃんが聞いてきたのは、『食堂で購買のパンを食べてもいいのか』という疑問じゃなくて、『私たちと一緒に食べていいのか』というものだったのか。

 本当に、自信のない子なんだから。


「ほら、二人ともこう言っているから。行こ!」


「……はい!」


 カリュリアちゃんの手を取り、食堂へと歩き出す。

 さっきのやり取りで時間が経っていたからか、周りには生徒が集まりだしている。


 食堂へ向かい歩いていくと、カリュリアちゃんがそっと顔を寄せてくる。


「あの、先輩」


「なにかな?」


「その……アティーア先輩って、エルフ族と深い関わりがあったり、しますか?」


 探るように、チラチラとクレアちゃんを見ている。

 そのクレアちゃんはというと、フィルちゃんの相手をしているから気づいていないようだけど。


 それにしても、エルフ族と深い関係なんて……なんでそんなことを……?


「……ぁ」


「ど、どうかしました?」


 そこで私は、思う。クレアちゃんは、一度死んだ身……それを、ダークエルフの闇の魔術で生き返ったのだ。

 そのため、エルフ族……ダークエルフと深い関わりがあると言ってもいい。


 そのことだろうか。それも、エルフにとってダークエルフは許せない存在のはずだ。

 ダークエルフそのものじゃなくても、ダークエルフの魔術に関わっていると知れたらどう思われるか。


「ま、まあ、クレアちゃんもラッへやウーラスト先生と仲良くしてるし……関わりがあると言えば、あるかな」


「……そうですか」


 本人は納得しきっていないけど、とりあえずこの方向でごまかすしかない。

 まあ相手がエルフだとか関係なく、明かすことのできない秘密なんだけど。


 エルフには、勘付かれてしまうのかもしれない……気をつけないとな。

 クレアちゃんにも、注意するように言っておこう。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

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